返信用封筒の書き方知ってる?行の消し方や宛名について!

手紙

日常生活の中で、時々目にすることのある返信用の封筒。受け取った郵便物の中に入っていることも多いですよね。何となく今まで使用してきて、特に深く考えずに過ごしてきた人も多いのではないかと思います。

しかし、そもそもこの返信用封筒とはどういうものなのでしょうか。そして、どのように書いて作成するべきなのでしょうか。社会人になると、受け取る側ではなく送る側になることもあり、業務として覚える必要も出てくるでしょう。そういった方々のために、ここではビジネスマナーや書き方などについて解説していきます。

返信用封筒とは

封筒

プライベートでもビジネスシーンでも使われる、返信用封筒。まずは、概要を改めて理解しておきましょう。

概要

相手に書類の返送を求める際、送る封筒の中に送り側を宛先としてあらかじめ記載した封筒を入れておくという対応をする場面があります。この封筒のことを、返信用封筒と言います。

目的

返信用封筒と同封することにより、少なくとも3つのメリットがあります。このメリットを出すことが、目的となります。

1.相手が返信する際の手間を省き、時間を短縮する
2.誤送を防止する
3.返信率を高める(任意で返送を求める場合など)

よって、配慮と効率と利益の観点から生まれたものが、この返信用封筒なのです。

作成方法

書く

概要や目的を改めて理解したところで、次に具体的な作成方法について学んでいきましょう。

新入社員の場合は先輩が一から教えてくれると思いますが、派遣社員などの場合は細かい説明はなく「取引先に契約書類を送るから、返信用封筒を作っておいて」といきなり指示がくる場合もあるかもしれません。即戦力を求められる派遣社員が、今さら「どのように作れば良いのでしょうか・・・?」とは聞きづらいですよね。そういった時にもスムーズに対応できるよう、準備しておきましょう!

封筒のサイズや色

返送してもらう書類のサイズにもよりますが、一般的には「長形3号」または「長形4号」を使用することが多いようです。もちろん、書類が大型だったりかさばるようなものの場合は、最も効率的なサイズのものを選択します。返送書類が折って良いものなのかどうかも考慮するようにしましょう。

なお、長形3号と4号については「定型郵便」として送れますが、長形1号や2号の場合は定型外郵便となることも留意しておくようにします。

色は茶色に限らず、白いものもビジネスシーンでは使用されることが多いですが、中身が透けてしまうタイプのものは避けてください。また、当然ながら派手なデザインのものは避けましょう。

宛先は「行」?「宛」?

実質、こちらが最初に悩むポイントでしょう。返信用封筒の宛先、つまり自分側を記載する際に、宛名の末尾は「行」にした方が良いのでしょうか、「宛」にした方が良いのでしょうか。

結論は、「行」となります。宛名の末尾に「宛」と記載するようなことは基本的にありません。「宛」というのは通常、会話の流れの中で「私宛に」や「弊社宛に」といった時に使用するものです。ただし、「宛」と書いてしまったからといってビジネスマナー違反になるというわけではないので、そこまで神経質になる必要はないかもしれません。

念のためお伝えしておきますが、「様」や「御中」などとは絶対に書かないように注意してください。こちらはもはや非常識なレベルであり、自分の名前に敬語を使用しているのと同じことになります。自分が相手よりも上の立場であると言っているようなものですので、極めて失礼な行為にあたります。改めて覚えておきましょう。

なお、「何もつけない」というスタンスの企業もあるようです。こちらは本来のマナーとしては間違いなのですが、相手が「行」を二重線で抹消して「様」や「御中」に訂正するという手間を少しでも省くため、あえて最初から何も書かないという「配慮」によるものです。ただし、まだ一般的なものは言い難いのが実際ですので、特に企業側のルールなどがないのあれば、「行」と記載しておきましょう。

配慮の気持ちを表すならば、「行」は気持ち少し小さめに書く、宛名から少しだけ離して書くなど、相手が訂正しやすいようにしておくというのがベストとなります。

ちなみに自分が返送側の場合は、「行」を二重線で消し、個人宛の場合は「様」、企業宛の場合は「御中」と記入します。この時のポイントとして、二重線は平行線ではなく斜線であること。ここは知らない人も多いので、ビジネスマナーとして押さえておいてください。(※抹消する文字が二文字以上の場合は、平行線となります)

差出人欄

返信用封筒における差出人欄(裏面)とは、つまり相手の企業名や氏名となります。こちらも、相手の手間を省くという配慮の気持ちから、記載しておいた方が良いのでしょうか?

答えは、NO。差出人名や住所は、一切記載しないのがマナーです。こちらから相手の企業名や氏名まで書いておくのは、配慮という枠を超えて「差し出がましい行為」にあたり、とても失礼になります。

また、こちらからの送り先(返信用封筒の差出人になるであろう人物や部署など)と、実際に書類を確認したり返送を行う人物や部署が異なる場合もあります。そういった観点からも、差出人欄の記入については相手に任せるようにしてください。

なお、自分が差出人である場合の記入方法の留意点としては、特に枠がない時は裏面の中央あたりに宛名よりも少し小さめに氏名や住所を書きます。返送先が個人の場合は、封をした後に「〆」を書き、親展扱いであることを示すようにしておきましょう。企業宛の場合は別の担当者が代わりに確認する場合もあるので、「〆」は書かない方が無難です。

切手

忘れてはいけないのが、料金分の切手を貼っておくことです。返送を依頼するための封筒なのですから、マナーとして切手は必ず貼ります。

なお、定形郵便物・定形外郵便物の料金は、重量制になっています。以下は、2016年4月現在の料金です。

【定形郵便物】
25g以内:82円
50g以内:92円

【定形外郵便物】
50g以内:120円
100g以内:140円

※こちらを超えるものもそれぞれ料金が決まっているので、必要に応じて郵便局のホームページなので確認しましょう。

入れ方

慣習的なマナーとしては、3つ折りにして上左端を少し折るというものです。ただし実際のところ、「上左端を少し折る」というのは滅多に見かけないため、基本的には3つ折りにしておけば良いのではないでしょうか。

参考記事:返信用封筒の同封マナーと宛名の書き方まとめ

その他

パートナーシップ

色々と細かいと感じるかもしれませんが、その他にも様々なマナーがあります。あらゆるパターンに対応できるよう、こちらについても知っておきましょう。また、予備知識も併せて掲載しておきます。

和封筒

基本的には先に述べたように白無地や茶色のものが一般的となっていますが、その他にも「和封筒」というものがあります。和封筒には二重のタイプがあり、通常はこちらの二重タイプを使用します。ただ、ビジネスシーンでは一般的ではないので、自分が勤めている会社および相手方の会社の考え方や雰囲気に合わせて検討してみましょう。

切手の貼り方や選び方

封筒が縦長の場合は、切手は左上に貼ります。2枚以上の切手を貼る場合は縦に並べ、重なってしまわないよう気を付けてください。

ビジネスシーンではあまりないかもしれませんが、洋封筒で横長の場合は、切手は右上に貼ります。2枚以上の切手を貼る場合は横に並べます。

デザインは、キャラクターものなどのポップなものは使用しないでください。ビジネスにおいては、風景などの季節感があるものを使用するのが良いでしょう。

縦書きと横書き

■縦書きの場合
縦書きは、上から下へ読んでいき、右から左へ進んでいきます。
こちらが返送側で宛名の「行」を消して「様」や「御中」と記入する場合は、左か下に書くのが一般的となっています。

■横書きの場合
横書きは、左から右へ読んでいき、上から下へ進んでいきます。
こちらが返送側で宛名の「行」を消して「様」や「御中」と記入する場合は、右か下に書くのが一般的となっています。

速達料金

何らかの事情があって返信用封筒が1日でも早く到着する必要がある場合は、速達料金の切手を貼る必要が出てきます。普段は考えづらい状況ですが、速達の場合は通常の切手代に加え、250g以内であれば+280円分の切手も貼ってください。

そもそも「御中」って、どういう意味?

先に述べたように、こちらが返送側で宛名の「行」を書き換える場合は、個人宛であれば「様」、企業宛などであれば「御中」と記入します。しかし、そもそもこの「御中」とは何なのでしょうか。

御中は、単に「行」を丁寧にした言葉というわけではありません。本来は、官庁や会社など、団体組織に封筒などを送る際に誰が開封しても良いということを示す言葉です。よって、個人宛なのに氏名の後に「御中」と記入するのは誤りということになります。意味を知らずに、宛名が個人であろうと団体であろうと「御中」と記入される人もいますが、きちんと理解した上で正しい使い分けをするように気をつけましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。これまで深く考えずに使用してきた人も多いであろう返信用封筒には、実に様々な背景やマナー、ルールなどがあり、驚かれた人もいるでしょう。

あくまでも自分が個人で、どこかの会社から送られてきた書類に返信用封筒が入っていてそれを使用して返送するというプライベートな場面であれば、さすがにここまで細かく気にする必要はないかもしれません。(もちろん、それでも最低限の常識は抑えておくべきでしょう)

しかし、自分が企業側となり、取引先やお客様に返信用封筒を同封して送付するとなれば、話は別です。この場合はれっきとしたビジネスとなり、当然ながら社会人として一企業として細かいところまで気を遣って作成する必要があります。相手側に失礼を与えてしまったり、自分自身が恥をかいてしまったり、会社の顔に泥を塗ってしまったりすることがないよう、しっかりとビジネスマナーを知って対応していきましょう!

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