あなたの周りにナルシストはいませんか?または、あなた自身がナルシストだと言われるようなことはありませんか?
自分が大好きで、自分に寄っているようなタイプの人はナルシストだと言われがちですが、実はこの「ナルシスト」という言葉はそんな単純なものではありません。場合によっては精神疾患も考えられる、意外とシビアな問題なのです。
ここでは、そもそもナルシストとは何なのか、どういった特徴があるのかについて解説していきます。
ナルシストとは?
ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが、水面に映る自らの姿に恋をしたというエピソードに由来しており、それが語源で、自己を愛し、自己を性的な対象とみなす状態をナルシシズムと言います。ナルシシズムを呈する人を「ナルシシスト」と言いますが、日本ではもっぱら「ナルシスト」という言葉が使われています。
基本的には人をけなす表現となっており、ポジティブな意味で使われることはあまりありません。
定義
■慣例的な「ナルシスト」
自分のことで頭がいっぱい、自分に絶対の自信を持っている、自惚れているといった傾向のある人を指すことが多く、具体的には、やたらと自分優位で考えたり、しょっちゅう自分撮りをしてSNSに投稿しているようなタイプのことです。
最近はこちらの方が一般的なようで、むしろこれが正しい意味だと認識されている人も多いのではないでしょうか。
■医学的な「ナルシスト」
パーソナリティ障害の一つである「自己愛性パーソナリティ障害」のことを意味し、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むことによる、言わば「偽りの自己愛」です。
本来はこちらがナルシストの正しい使い方であるとされますが、心療内科的な分野であり、また深刻性も高いため、人を茶化すような軽いものではありません。
特徴
「定義」で説明したようにナルシストには大きく2つの種類がありますが、今回は現代における世間的な意味、つまり慣例的なナルシストについて、その特徴を挙げていきましょう。
■SNSやブログなどで、自分撮りした写真をたくさん投稿する
言わずと知れた、最も分かりやすい特徴の一つです。ナルシストな男は「一番カッコ良く奇麗に写る角度と表情」を研究し、その成果を発揮する意味でも自分撮りをたくさん行います。そして、その中でも特に上手に撮れた写真をSNSに投稿し、周りの反応を確認することを好みます。
■盛り上がっている集合写真で、一人だけキメ顔
飲み会などハイテンションな雰囲気の中、記念に集合写真を撮ることはよくあると思いますが、そういう時はみんなで満面の笑顔か、ふざけて変顔をして楽しそうな一枚とするのが通例です。しかし、そんな中、よく見ると一人だけやたらとキメ顔でナナメ45度で写っている人物が…。空気を読まず、あくまでも「カッコイイ俺」を保つ。これは間違いなく、ナルシストでしょう。
■外を歩いている時などに、窓ガラスに映る自分を見ながら顔や髪をチェックする
エチケットとして、トイレの鏡などで髪を整えるのであれば常識的な行為ですが、ナルシストな男は「自分が何かに映るたびにチェック」をします。ワックスなどで髪を固めている人は指先でちょんちょんと整え直してみたり、ナチュラルヘアーの人は前髪をサッサッと流してみたり・・・。
極端なタイプの場合、外を歩いている間、自分が映るすべてのもので毎回チェックすることもあります。また、そこで一人で笑顔を確かめたりする人もいます。
■ひたすら、自分について語る
特に誰から質問されているわけでもないのに、やたらと自分のことを語りたがるのもナルシストの内面的な特徴の一つです。また、誰か他の人の話題であっても、「俺ってさ~」「俺の場合は」「そういえば俺なんかも」「ちなみに俺は」とすぐに自分の話に持っていってしまいます。
誰しも、他人の話をベースに自分の場合について付随して話すようなことはあると思いますが、ナルシストの場合はそれが過剰で、ほぼすべての話題をかっさらっていきます。しかも、なぜか誇らしげに語るのです。
■自分の欠点や短所を話さない
自信のない部分を他人に知られたくない、完璧な自分でいたいという心理からか、ナルシストな男は欠点などを自己発信しない傾向にあります。そして、他人から欠点などを指摘されると途端に不機嫌になるというのも特徴です。
あまり自虐的なのは別な意味でよろしくないと考えられますが、だからといって、欠点は認めず自慢ばかりしていては、自分を客観視できない痛い状態になってしまっていると言えます。
■過去の栄光を語る
ナルシストな男は現在の自分だけではなく、「昔はヤンチャだった」「学生時代にしょっちゅう告白されていた」など、過去の栄光をやたらと自慢してきます。過去の話のため、付き合いの浅い周りの人たちは事実を確認しようがないので、それが盛られているのかそもそも嘘なのか判断できません。だからこそ、以前から自分は輝いていたということを過剰にアピールするのでしょう。
■タンクトップやミニTシャツを着て、身体のラインを出す
少し鍛えているナルシストなどに多いのですが、自分の身体を他人に見せつけるため、露出度が高い服や筋肉が浮き彫りになるような服を着ています。言わずもがな、その歩き姿などもとても誇らしげな雰囲気を放っています。
炎天下などで、純粋に暑くて薄着にしているというものではなく、あからさまに「俺の身体を見よ!」と言わんばかりに堂々と歩いているのが特徴で、「やや筋肉質」くらいのタイプに多い傾向です。本格的なマッチョになると、わざわざそんな大げさなアピールをする必要がなくなるからかもしれません。
■香水が強い
そもそも香水をつけている時点ですでにナルシストの疑いがあるのですが、そこまで近寄っていないにもかかわらず思い切り匂いがする人は、確定的と言えるでしょう。
■ブランドもので固めている
あからさまに、誰もが知っているブランドで全身コーディネートしている男は、高確率でナルシストだと考えられます。さらに、先が尖ったような靴を履いている場合はほぼクロだと言えます。
■やたらと「海外では」と言い訳する
付けているアクセサリーが無駄に多いことなどを指摘すると「海外では普通だよ」と、思い切りここが国内であるにもかかわらず海外を持ち出してきます。しかも、そういう男に限ってほとんど海外渡航経験はなく、修学旅行で一度ハワイに行っただけといった完全なエセであることが多いのです。
ナルシストによる弊害
別に誰がどんなスタンスでいようと他人のことは関係ないと言いたいところではありますが、その人物が身近にいる場合はやはり何かしら気になってしまうこともあるでしょう。それが、少し気になる程度であれば良いのですが、こちらの気持ちを逆なでするレベルになってくると、もはや「害」となってしまいます。
では、具体的にどのような弊害があるのか、見ていきましょう。
場の空気を壊す
これは誰か一人だけではなくその場一帯に影響が出るため、困りものです。先に説明したような特徴により、話題を強引に自分の方に持っていきまくったりすることにより、徐々にその場の空気がおかしくなっていきます。最初のうちは「また始まったよ・・・」くらいであっても、あまりにもそれが続くと、その場から立ち去りたい気分にすらなっていきます。
そういう時は大抵、周りの人たちはアイコンタクトなどで気分を確かめ合い、逆に結束力が高まったりするので、それがせめてもの救いと言えるかもしれません。
周りから、自分も同類だと誤解される
やむを得ない事情もあるかもしれませんが、ナルシストと一緒に行動をしていたり、ましてや恋愛をしていたりするならば、当然のごとく自身も同じ部類の人間だと周囲の人間から思われるでしょう。
または、まったく同じとまでいかなくても、「それを許容している人物」ということで恥ずかしい思いをする場面も出てくることがあります。例えばあきらかに方向性がズレたファッションや仕草をしているナルシストと行動を共にしているならば、一緒にいるあなたまで常識がないと思われてしまうでしょう。
とにかく、イライラさせられる
こちらが一番シンプルなものになりますが、ナルシストの言動や行動には、とにかくイライラさせられます。常識に疎い人も多いため、周囲との付き合いなどの兼ね合いで苦労させられることも多くなるでしょう。また、よく理解できないキレポイントがあるため、何気ない一言で急に激怒したり改めさせられたりもします。
そして、会話のほとんどがナルシストであるその人自身についてとなります。こちらの話は基本的に聞きません。一旦聞いたとしても、それをダシにして自分の話に転換されてしまいます。そういったことから、とにかく一緒にいると徐々にイライラさせられるというのが、最も分かりやすくシンプルな弊害だと言えます。
危険を察知すると、逃亡する
物事が上手くいかなくなったり、危うい状況になってくると、ナルシストな男は素早く逃げてしまいます。物理的に逃げるだけでなく、他人に責任転嫁したりなど、罪を逃れようとするのです。このような場合、そこから派生する害は下手するととても大きなものになってしまう恐れがあります。
ナルシストの本質
自分に酔っている、絶対の自信を持っている、というナルシストな男たちの性質ですが、その根底にあるものは実は真逆であり、強い劣等感などを持っていることはご存知でしたか?本当は彼らは、弱い自分を隠すために過剰な演出をしているだけなのです。
強い劣等感
内容は千差万別であるものの、ナルシストな男は得てして「無自覚の劣等感」を持っています。その劣等感を隠したい、認めたい、否定したいという強い思いから、まったく逆の方向に暴走した言動や行動がナルシシズムです。
つまり、表面的な「絶対の自信」は偽りであり、ナルシストではない人たちよりもナルシストな人たちの方が圧倒的に自分自身のことを認めていないのです。
真の「自信」とは
真の意味で「確固たる自信」を持っている人は、自己アピールをする必要がありません。いちいち自ら発信しなくても、「誰よりも自分が自分を認めている」ため、周囲からの評価など気にする必要性がないからです。
他人からの評価を執拗に求めるということは、自分に自信がないことの表れです。自己評価が低いからこそ、その満たされない心の隙間を他者評価で埋めようとするのです。
本当に自信に満ち溢れている人は、強い自分も弱い自分もきちんと受け入れて、それらをひっくるめて自身を愛しています。そういう人はとても穏やかで器も大きく余裕があり、周りから見ても魅力的で、自然と人がついてくるような素敵な人でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あなたは本当の意味で、ナルシストというものを理解されていましたか?
本当はとても心が弱く、繊細。ありのままの自分を受け入れられず、偽りの自分で固めている。そうやって無理をして「不自然なカッコ良さ」をアピールしているから、行動にも違和感が出てきて、周囲にまで影響を及ぼしてしまう、そういった強がっている可哀想な男たちが、「ナルシスト」なのです。
それを知れば、彼らに対して接する態度や心の持ちようが変わり、気分も少し楽になるのではないでしょうか。ぜひ、あたたかい目で見守ってあげましょう!
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