皆さんは委任状を書いたことがありますか?
委任状とは、本来であれば自分自身がその場に出向いて手続きや書類の提出をしなければなりませんが、本人である自分自身が何かしらの事情でその場へ行くことができない場合に他人にその手続きなどを委ねることを明記した書類のことです。
「自分で行けばいいや」と思いがちですが、いつ何があるのかが分からないのが人生ですよね。そんな万が一のシーンであたふたしないように知識をつけましょう!しかし、一言で委任状と言ってもどのようにすれば正式に認められる文書となるのでしょうか?いまさら人には聞けない「委任状の正しい書き方」について解説していきます。
委任状の必要性
他人に手続きなどを委ねる最大のメリットは他人でも変わりに赴くことができるので、時間がない人や入院中などの事情のある方でも手続きを行うことができることですよね。
しかし、このご時世なので裏を返せば他人でも自分自身の情報を抜かれる可能性があるということです。そうならない為にも委任状が存在します。そんな委任状の必要な場面とは一体どんな場面なのでしょうか?
どうして委任状が必要なの?
口頭で伝えるのではなく、どうして委任状という文書が必要なのでしょうか?口頭では口約束のようなモノで、委任状は誓約書のようなモノと思えば分かりやすいハズです。
口頭だけではやはり信ぴょう性に欠けてしまいますよね。自筆、捺印などのある委任状であれば正式に文書としての信ぴょう性もあり、明確に意思表示もできているので、委任状が必要なのです。
役所などで書類を貰う時
戸籍や住民票、税金納付証明書など様々な証明や他種届け出などは本来であれば、本人が出向いて発行依頼をするべきモノですよね。しかし、事情があり、本人自身ではなく他の人に依頼するときに委任状が必要になります。
この場合の他人とは、同一世帯以外の人物を指すようなので、妻や子など住民票記載の同一世帯の方々であれば委任状は必要ありません。あとは、本人であっても委任者であっても本人確認書類となる免許証やマイナンバーカードなどが必要です。
行事などの代理出席など
入学式や卒業式、PTA会議やマンションの管理組合の会議など出席を取る行事ってたくさんありますよね。
出席を取るということは不特定多数の人物を招待したいのではなく、特定された関係者のみで催されるということでもあります。どうしても出席できない場合は代理人に委ねることで解決することも。そんな時に委任状が必要なんです。
本人が出席できない以上は委任状の上でその代理人がどのような人物なのか、開催者側にも伝えることが必要であることを覚えておききましょう!
委任状の書式とは?
委任状ってなんだか難しいイメージですよね。しかもこれといったフォーマットがなくても要点さえ押さえられていれば、自分自身で作成することが可能なので余計に戸惑う原因になっているんです。そんな委任状の書き方を詳しく見ていきましょう!
委任状に明記すること
委任状とは本人以外の人が本人に代わって書類の手続きや発行をお願いするための文書ですよね。そんな委任状にも明記すべき点がいくつかあります。
まずは、タイトル「委任状」と委任状を作成した日付を記入しましょう。上部に委任状であることを明記し、その右ななめ下あたりに日付を記入するとキレイに見えますよ。日付はキチンと西暦または年号から書くようにしましょう。(例:平成28年○月○日)
次に委任する本人の氏名、住所、生年月日、捺印です。どの人物が委任したかをハッキリと記入しましょう。氏名に関しては必ず手書きの自筆が必要となるので注意が必要です。その他の住所などの項目はワードなどのパソコンの文書ツールにて作成してもOKですよ。
次に委任される代理人の氏名、住所です。可能であれば生年月日などの詳細記載があると、なお良いでしょう。こちらも委任された人物が誰なのかを明記することで文書となり得ます。本人記載と同じように指名に関しては必ず手書きの自筆である必要があるので注意してくださいね。
最後に、何を委任した(された)のかを明記しましょう。例えば、「戸籍抄本の交付」などの箇条書きで構いません。
以上3点を明記することで委任状ができあがります。意外とカンタンですよね!
手書きがいいの?
委任状は基本的には手書き、ワープロどちらであっても構わないそうです。インターネット接続の可能な環境ならば、一度委任状を提出する先のサイトなどを閲覧してみると、あらかじめプリントアウトできる文書のフォーマットがある可能性も◎コレならプリントアウトして必要項目を埋めるだけなので気軽にできますよね。
しかし、咄嗟のことで難しい場合もありますよね。そんな時には手書きで必要項目を記入する事で委任状に十分なり得ますので安心してください。決まった記載方法はありませんが、自筆でなかったり、記載漏れがあったりすると委任状としての効力がなくなってしまうので注意してください。
実際に書いてみましょう!
委任状
平成28年○月○日
△△様
委任者 住所
氏名 印
生年月日
私は、以下の件につきまして以下の者に委任いたします。
代理人 住所
氏名
生年月日
委任事項 1.戸籍抄本の取得の件
委任状において注意すべきこと
意外にもカンタンにできてしまう委任状。そんなカンタンに作成できるからこそ注意する点もあるんだとか。
自身が赴けないが為に他の人に頼むことになった場面で必要なモノなので徹底的に責任を持ってチェックする必要がありますよね。委任状を作る際に注意すべき点とは何でしょうか?
簡潔を心がける
必要と思っても多くのことをごちゃごちゃ記入してしまうとどうしても見にくい書類になってしまいますよね。委任状は正式な文書なので、誰が見ても分かりやすいモノにする必要があるんです。必要なことを分かりやすくハッキリと明記することが大切なポイントです。
また、必要項目の記入漏れのないようにしなければ、委任状としての効力を失くしてしまい、必要な日に代理での申請手続きや書類交付をして貰えなくなるので、何度も確認して記入漏れのないようにしましょう。
責任も委任することになる
委任状とは単に申請などの手続きができるのではなく、その手続きなどに関する本人が持っている責任や権利をも委任することとなることをキチンと把握しておきましょう。友人などのとても信頼を置ける人物に限って委任するほうが無難だとも言えます。
キチンとしてくれる人の方があなたも一任しやすいハズですよね。お互いの信頼関係を把握した上で、お願いするようにしましょう。あくまで他人だと何があるか分かりませんよ。
同一世帯ならば必要なし
前述にもありますが、手続きに赴くハズの本人と同一世帯の方であれば委任状の提出は必要ないことがほとんどなんです。この同一世帯とは、住民票にも記載がある家族のことです。同じ住所や二世帯住宅などにお住まいでも同一世帯でなければ、委任状が必要となってきます。
例外として、公共的な役所などの申請の際には同一世帯であれば委任状は不要でしたが、民間企業などは規定によっては必要な場合もあります。プライバシー保護の徹底に伴って実施されている場合が多く、携帯会社などに多く見られます。同一世帯であっても名義人本人でなければ情報開示ができないなどの場合になります。
この場合はショップなどに赴き、委任状をもらい名義人本人に記入して貰い、もう一度委任状を持って来店することで情報開示が可能になる場合があります。事前に調べるか尋ねてみて下さいね!
捺印は実印以外でもOK
正式な文書ということでどうしても実印が思い浮かびますが、委任状の場合印鑑証明に登録されている実印以外の印かんでの捺印でもOKなんです。実印以外の印かんをお持ちの方は、極力実印を避けた方がいいのかもしれません。
あくまで委任状は第三者に託す書類なので、どれだけ信頼関係があっても少なからずリスクが伴うモノです。無難に済ませるためにも、トラブルの発端を自ら潰しておくこともリスク回避の方法と言えますよ。
捨て印を押さない
書類などで記入にミスがあり訂正するときに捨て印(訂正印)を押すことってよくありますよね。普段の生活でそのような場面が多々あると思います。
しかし、委任状に関しては捨て印を用いることはNGなんです。捨て印さえしてしまえば、委任内容を第三者によって勝手に変更されてしまったりといった悪用に繋がる恐れがあるからなんです。
もし、書き損じなどが生じた場合には面倒であってもキチンと書き換えるように心がけましょう。
参考記事:委任状の書き方と例文まとめ
まとめ
いかがでしたでしょうか?委任状は意外にもカンタンに作成することのできる書類でしたよね!要点を押さえるだけで作成可能な文書なので、正しい知識をしっかりと持ち、利用するようにましょう。
また、あくまで自分である本人が所用などの場合で赴けないときにだけ委任状を用いての代理人に委任するようにしましょう。そうすることでトラブルも防ぐことができますし、信頼もやはり違いますよ。委任状は本人の権利や責任さえも委任するということをキチンと把握し、丁寧簡潔な文書になるように心がけることも大切なポイントなので覚えておきましょう!
以上の点を押さえて一度委任状を作ってみましょう!きっと他の文書も作りやすくなりますよ◎
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