社会人にもなれば難しい言葉が飛び交って、「それ本当の意味ってなんだろう?」と思った事はありませんか?
日本語とは難しい言葉で、似た漢字もあれば、同じ意味でも全然言葉が違うもの、さまざまですね。
今回ご紹介する「斡旋」という言葉ですが、普段聞くことはあまりありませんが、「不動産斡旋」、「斡旋収賄罪」といった「斡旋」を使った言葉をテレビなどのニュースでも一度は聞いた事があるのではないでしょうか?
例のようにあまり聞こえの悪い事ばかりではないのですが、斡旋の意味を正しく理解できるように、斡旋というの言葉を解説します。
斡旋とは?
労働者とそれを利用する消費者の間で、例えば条件が合わない、話が違うといったことで起こる問題に対して、予防や問題解決を目的で「労働関係調整法」という解決法が施行され労働局管轄のもと出来た制度のことです。
その中には斡旋、調停、仲裁、緊急調整といった4つの調整法があり、斡旋は当事者の間で解決できるよううまく取り持ち、解決に導けるように調整する為の制度を言います。
斡旋と同じ意味で「周旋」という言葉がありますが、こちらも当事者間に入って取り持つという意味です。周旋も斡旋と同じ意味合いで使用してもいいのですが、最近ではあまり使わない言葉になっていて、「斡旋」の方がはるかに浸透されています。
斡旋は職場での社内問題、人間関係に至るまで、双方の対立を解決するためのものなので内容が限られていないのも特徴です。
費用は基本的にはかからないので、裁判で申し立てをするよりかは、費用も時間もかかりませんし、当事者同士が顔を合わせなくてもいいというメリットもありますで、プライバシーも保たれます。
斡旋の使い方【例文】
不動産斡旋、ローン斡旋、斡旋依頼まで様々な使い方あります。ここでは例文を少しだけご紹介させて頂きます。
- 会社の上司や知人に斡旋してもらう場合
就職していた会社が倒産してしまい、転職を考えていますが資格やスキルがない為なかなか難しい状況でございます。そこで社会的信頼もある○○様の、お力添えを頂きたく存じます。希望としては事務の仕事に就きたいと思っておりますので、お忙しい中大変恐縮ですが、就職斡旋のお願いをします。
- 社内の問題を解決するために斡旋したい
会社で上司から常日頃パワハラを受けており、何度も人事に相談もしましたが、上司との意見も合わず、解決策が見つからない状態です。このままでは心身ともにバランスを崩しそうです。部署の移動願いも出してみましたが、あまり対応してもらえません。体や精神的にもよくないので早期に斡旋申告書に提出いたします。
- 不動産会社に斡旋依頼する場合
初めて賃貸住宅を経営を始めることになりました。その為、不動産会社には物件の空室の入居者募集や斡旋を行って賃貸契約をまとめてもらいますようお願いします。
斡旋を使った言葉
・購入斡旋システム
消費者が商品やサービスをクレジットカードで購入する際に、クレジットカード会社が立て替え払いをして、その後の請求によってクレジットカード会社に支払うことをいいます。
・就職斡旋
企業に人材を紹介をしてバックアップをしてくれる、厚生労働大臣から許可を得ている機関です。企業からの依頼や、就職を希望する人の紹介先企業探してくれます。
・斡旋手数料
斡旋業者が、顧客や人材の仲介をした際、斡旋した案件に対する手数料です。
・不動産斡旋
建物の売買や貸借の代理の業務を仲介、斡旋している宅地建物取引業者のことです。
・ローン斡旋
住宅購入などで不動産会社の提携金融機関からローンをしてもらう事をいいます。
斡旋は「仲介」とは意味が違う?
斡旋と同じく、よく使われているのが仲介。内容は同じようにも見えるのですが、少し違うところがあります。
斡旋というとなんだがたいそうな言葉になってしまうので、仲介という言い回しになってる人も多いのではないでしょうか?
仲介の意味と斡旋との違いについてご説明します。
仲介とは?
当事者同士の取引や、直接会って話し合う事ができない状況の両者の間に直接入って、話をまとめる役割をする人で、仲介を専門としている企業もあります。問題解決や、取引が困難な場合に介入しますが、実際に当事者の代理人となって動いたり、目的解決の為の支援などをします。
主に不動産や金融関係などでの仲介が多く、仲介業者は売り手と買い手の間に介入し契約が成立したら仲介手数料を支払ってもらうことで利益を上げています。
斡旋と仲介の違い
斡旋の場合は当事者の間に入り意見や希望を聞いて、最終的には双方を繋げるという役割です。「希望している職種で就職先を斡旋してほしい」、「問題を解決するために斡旋を依頼したい」といったように、意見を聞いて取りまとめるといった事をしてくますが、仲介は当事者同士の代理をして話を進めるというものです。
2つとも内容が似ているので間違えてしまいそうですが、斡旋は当事者の間に入って取り持ちつなぐ、仲介は当事者の代理人となって取り持って進める、という感じで覚えて頂きたいです。
就職活動における就職斡旋会社の利用について
就職が始まると何社も自分でいろんな企業に足を運びますが、それ以外にも就職斡旋会社を利用した就職活動もあります。
転職や就職を希望している人を企業側の依頼によって、紹介するというシステムで、専任のコンサルタントに希望者の適正を見てもらえることもでき、自分にあった企業を紹介してくれます。
厳しい就職活動の中でこういったサービスを利用することは、効果的でメリットもあります。
就職斡旋会社のメリットとは?
就職斡旋会社を利用する際には、登録をしますが、相談も費用も無料なので、初めて利用をする人にとっては安心です。
その他にも、就職斡旋に依頼をしている企業の社風、仕事の内容、ここで働いたらどれくらいの年収がもらえるかといった、普通の就職活動の応募ではわからない情報まで得ることもできます。就職斡旋会社は、依頼された企業のことはちゃんと把握しているので、事前に自分でも合うか合わないかイメージすることもできますね。
専属のコンサルタントは求人者の求めている、職種や業種などから、適正診断を正確にしてくれますが、その際の相談や適正診断も無料です。
就職活動の面接では、緊張して本来の力が発揮できないこともありますが、就職斡旋会社は自分の代わりに企業に売り込んでくれるので、書類審査も通過しやすいことがあります。また客観的にコンサルタントが見てくれるので、自分の気づかなかったことに気づいたり、相談しながら進める事ができるので、就職活動もスムーズに進みそうですね。
ただし、就職斡旋会社に登録をして、企業を紹介してもって就職できたとしても、あなたに合った職場なのかはわかりません。
こればっかりは働いてみないとわからないというのはどこの企業も同じなのです。
気をつけたい!就職斡旋会社の選び方
これまでに紹介してきた就職斡旋会社は何百社と存在しますが、その中には悪徳紛いの就職斡旋会社もあるので注意しておきましょう!
これからの人生の歩んでいこうとしている時、思いもよらないトラブルで人生を狂わされる事も!貴重な時間までも奪われない為にも、気をつけておきたい就職斡旋会社をご紹介します。
「いい会社ですよ!」とブラック企業だと知っていて紹介する
とんでもない事ですが、実際にそんな就職斡旋会社が存在しています。
「あなたの会社の求人者はいい人材が揃っているので、たくさん受け入れるから成功報酬の○○%を私にバックしてください」というように話を持ち掛けて、就職斡旋会社がこれに加担してしまうというケースがあります。
就職斡旋会社は企業に採用されれば、成功報酬として採用者の初年度見込み年収25%~35%が報酬として入りますが、金額にしたらかなりの額です。しかしこれは、ブラック企業に採用されてもすぐに辞める事を見込んでの採用なのです。
辞めてしまえばまた新しく人材を紹介し、ブラック企業は受け入れる。その繰り返しで何度も成功報酬が支払われることになります。
その他にも、すでに就職に付いている人に対して「あなたならここよりももっと相応しい企業があります!年収も今とは比べものになりませんよ!」などと、ヘッドハンティングのように近づいてくるケースもあります。
転職は考えていないという本人の意思は無視して、「履歴書だけでも書いてみませんか?」といったら最後、勝手にエントリーされてしまうのです。美味しい話に連れていかれた先は話とは違うブラック企業、というケースもあります。
こういった事が起きるのは中小零細会社は多いです。すべての中小零細会社がこういった悪徳就職斡旋会社ではありませんが、大手の就職斡旋会社が斡旋しないような、零細企業や個人事業なども斡旋の対象になりますので、紹介された先の企業が聞いていた給与よりも低い、職場の環境も悪いなどといって就職して初めて知ってしまう、ということもあるということです。
悪徳斡旋会社と良い就職斡旋会社を見分けることはできる?
人生をも左右する就職活動で、トラブルが起きない為にも本当に良い就職斡旋会社かを見極める必要があります。
より良い就職斡旋会社見つける為の4つのポイントをご紹介します。
大手には人材紹介をする担当がいる
ブラック企業と就職斡旋会社の経営者が手を取り合って、グルになっているケースが多いですが、大手就職斡旋会社の場合、経営者が自ら人材紹介をしない事が多く、別に担当者がいる場合がほとんどです。
ですので、上記でご紹介した「成功報酬の〇%をバックして」という横領の話を持ち掛けることは不可能です。
登録者に安心してもらえる会社
いい会社と言うものは、環境から雰囲気まで、安心して利用ができると自然に想えるよう環境でなければなりません。
「人材を本当に大切にしている」という会社は、どんな些細な相談にも乗ってくれたり、対応が丁寧に行き届いていたりします。
会社のHPなどでも細かなところまで必要な情報が載っていたり、経営者から人材紹介の担当の方、プロのコンサルタントのプロフィールなど、情報を公開していることで、登録をしようとしている人に安心感を与えます。
資格を持ったコンサルタントやアドバイザーがいること
キャリア・コンサルタント能力評価試験認定(GCDF)やキャリア・デベロップ・アドバイザー(CDA)、国家検定キャリア・コンサルティング技能検定2級以上の資格を持っている人材が在籍している就職斡旋会社を選ぶのがおススメです。
しっかりとしたプロのコンサルタントがいれば安心というのは当たり前なのですが、これらの資格を取るにも20~40万程かかると言われています。コンサルタントやアドバイザイーはもちろん就職斡旋会社の社員が資格を取れる環境が整っているということ。会社の大きな支えがあってこそだと思います。社員を信じ、より良い人材紹介ができる社員に育てる。いい会社というのは会社も社員を大切にしています。
大手は企業調査もしっかりしています
大手の場合、依頼された企業ならどこでもいいという訳ではありません。
事前にきちんと企業調査を行い、コンサルタントが現場に出向いて自社の登録者に合う職場環境なのかというのもしっかり見ています。
そういった調査があるので、紹介された先がブラック企業だったということはまずありません。
大手であれば経営状態も安定していますし、成功報酬欲しさに無理矢理紹介させられることもありませんし、有名な就職斡旋会社であればあるほど、ひとつでも悪い噂があればすぐに広がっていきます。そういったリスクを負わない為にも犯罪行為やいい加減な仕事はしないので、安心して登録できるでしょう。
まとめ
今回は斡旋という言葉についてご紹介してきましたが、なんだか少し悪いイメージの方が強かった「斡旋」でしたが、困っている人の力になる為に尽力してくれる。そんなイメージを持ちました。
仲介との意味も内容はあまり変わらない様に思えましたが、立ち位置、動き方、などが違う事がわかりましたね!
これから転職をお考えの方や、就職に向けて準備を進めていく方で就職斡旋会社を利用の際には、ぜひ今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。