仕事も恋愛もうまくいっている”はず”なのに、なんだか心がモヤモヤする。これといった悩みもない”はず”なのに、ふとしたことで憂鬱になってしまう。モヤモヤの原因が何かわからなくて、自分を責めたりすることがありませんか?
人間の心はいつも一定ではありません。同じ出来事でも、その時によって感じ方が違って当たり前です。いつも同じようにニコニコと楽しい気持ちでいられることは、理想ではありますが現実では一定の精神状態を保つことは難しいのです。今回は「気分が晴れない時」についてお話していきます。
気分が晴れないのはなぜだろう?
いつも上機嫌でいられたら人生はきっと楽しいでしょう。気分が晴れない原因を解消することが出来たら、いつも上機嫌でいられるのでしょうか?
「気分が晴れない」のには理由があります
女性の場合、モヤモヤの原因が「ホルモンバランス」にあることが多いです。女性の体や精神はホルモンによって左右されやすく、月経周期に合わせて精神状態が変わります。大らかな気持ちのときもあれば、怒りや悲しみの感情を持ちやすいときもあります。人間関係にも影響を及ぼしやすいので、この状態に悩んでいる女性は少なくありません。
「ホルモンバランス」が原因の場合「その時」が過ぎれば改善されることが特徴です。女性の気分は変わりやすいといわれるのは「ホルモンバランス」のせいでもあるのです。性別を問わない「モヤモヤ」もあります。世界の中で一番自分が不幸だと感じたり孤独感に苛まれたり。誰かに何かを言われたわけでもないのに、人が怖くなってしまうケースもあります。これを「心のカゼ」と表現している人もいます。カゼの症状は、いつの間にか始まって、いつの間にか治ることが特徴的です。
「心のカゼ」は、ある少年の言葉です
「心のカゼ」とはうまい表現ですよね。この言葉は、ある養護学級に通っている生徒、原田大助くんの言葉です。その全文をご紹介しましょう。
「さびしいときは 心のかぜです
せきして はなかんで やさしくして
ねてたら 一日でなおる」
いかがでしょうか。誰でも「さみしい」と感じてしまうことがありますよね。ちょっとした休息を自分に与えたら、心にゆとりが戻ってきた経験ありませんか?この他にも、気づかされる言葉がありましたのでご紹介します。
「俺、春になったら
いちご食べるわ。
冬のいちごは
無理しとるから」
原田くんと、養護学級の先生との会話の言葉です。あなたもこの”冬のいちご”のように「無理」をして「赤くなろう」としていませんか?
「心のカゼ」の対処法
心がカゼを引いているときは、体のカゼと同じように「無理をしないこと」が一番の薬です。体がカゼを引いているときは、体の中の免疫力が低下しています。
「自分に優しく」してあげましょう!
免疫力が低下すると、健康なときには感染しないようなウイルスや細菌に感染しやすくなります。心も同じです。心の免疫力が低下しているときには、新たなトラブル(ウイルス)を背負い込むことは避けましょう。原田くんの言葉にもありましたが、心がカゼを引いたら体をケアするときと同じように「自分に優しく」してあげましょう。
無理に前向きにならなくていい!
原田くんの言葉の「冬のいちごは無理をしている」のように、寂しくて悲しい気持ちのときに無理に明るく振舞おうとしないでください。「前向きになろう」という気持ちが、自分にとってのストレス(ウイルス)になることがあります。
極寒の中で、無理やり温めて育てたいちごより、春の温かい自然な日差しに育てられたいちごのほうが美味しいに決まっています!「今は自分にムチ打つときではなく、休ませるとき」と割り切りましょう。
部屋の掃除をして、スッキリする!
「家から出たくない」と感じるときも、無理に外出する必要はありません。こんな「家に居たい」と思うときを有効活用しましょう。「気分が晴れない」ときには「自分の部屋の掃除をすること」をオススメします。重点を置いて掃除したい箇所があります。それは「机の上」です。
いろいろな作業をする机の上は、脳の中の状態を表していると言われています。たくさんの物が雑然と置かれたままになっているという場合は、脳の中も「雑然」としているのです。ゴチャゴチャとした机の上を片付けると頭の中もスッキリとしてくるはずです。机の上だけに限らず「断捨離」はムダな心の荷物を降ろし、心に幸福感をもたらすと言われています。
運動と日光浴をする!
心と体は繋がっています。心の動きが鈍くなると、体の動きも鈍くなります。そして体の動きが鈍れば、心の動きも鈍ります。外に出られる力があるのなら、お日様に当る「日光浴」も効果的です。脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)に「セロトニン」というものがあります。セロトニンの分泌が減ると、「不安感」や「抑うつ感」が高まります。
お日様の光を浴びるとセロトニンが多く分泌され、精神的な不安感などが解消されます。昔から「散歩が健康に良い」とされているのは、日光浴を兼ねた運動が出来るからなのです。
頭も体もリラックスさせる!
積み重なったストレスは、気づかないうちに体に影響を与えています。慢性的な肩こりや腰痛もその症状の1つです。ストレスが蓄積した体は免疫力も低下していることが多く、カゼなどに感染しやすくなっています。サウナや温泉などで体を温めて汗を流したり、ビタミンCが豊富に含まれているハーブティーなどを飲むことで免疫力を高めることができます。
コーヒーなどカフェインが含まれる飲み物は、頭を一時的にスッキリとして思考力がアップしますが、これは弱った体を無理やり活発にさせているだけに過ぎないので避けるようにしましょう。リラックスを求めてカフェに行く場合は、コーヒーや紅茶ではなくハーブティーを注文しましょう。
精神的ストレスの原因から遠ざかる!
ストレス解消法として、簡単に出来るようで出来ないのが「ストレス原因を遠ざける」ことです。そのストレス原因が「人」にあることも珍しくありません。嫌な気持ちを持っていることを自覚しているのに、誘いを断れず「いやいや」会うことを繰り返していませんか?
人間はどうしても、人との繋がりや一体感を求めます。「ひとりになりたくないから」と、孤独を恐れる思いから、「仕方なく」人と付き合っていませんか?長い人生に友達は必要ですが、ストレスを感じる人と付き合わなければならない必要はどこにもありません。逆に、会いたい人にだけ会って、楽しくおしゃべりをすることは素晴らしいストレス解消法になります。
会社などのオフィシャルなシーンではなかなか難しいですが、ランチタイムは別行動をとるなどの対処法を持ちましょう。そして、なによりプライベートでは「人を選ぶ勇気」を持ちましょう。もう付き合いがない人の連絡先をアドレス帳から抹消するなど「人間関係の断捨離」もストレス解決法の一つです。
「心のカゼ」は放置しないこと
ここまで、心のカゼを引かない・長引かせない方法をご紹介しました。積極的にストレス解消を心がけ、自分を大切に扱っているつもりでも、なかなかうまく改善されないこともあります。このような時に気になるのは「心の病気」です。
過剰なストレスによって、気づかないうちに精神が音を上げている可能性も十分に考えられ、「自分はうつ病ではないか」と心配になってしまいます。医療機関に行って相談してみたいけどなかなかその勇気が持てない人もいるでしょう。「自分はまだまだ大丈夫」という根拠のない自信が自分を追い詰めてしまっていることもあります。
「憂鬱」と「うつ病」の違いとは?
「憂鬱」は心の状態を言い、「うつ病」は病気の状態を表します。気持ちが晴れない状態は一緒ですが、どのような状態が「うつ病」と判断されるのでしょうか。
うつ病の診断の「ガイドライン」
「うつ病」に関するガイドラインには、「身体の変化や生活上の支障」が含まれています。その状態が2週間以上継続していることで「うつ病」と診断される可能性があります。言い換えると「体に支障が出ていること」が憂鬱とうつ病のボーダーラインとなるのです。
- 極端な食欲の変化・体重減少
- 睡眠障害
- 無気力・活動の低下
- 疲労・倦怠感
- 思考力・集中力の低下
憂鬱な気持ちにこのような「体の変化」が伴っている場合は、医療の力を借りてみてもいいでしょう。近年では、これらの症状が必ずしも伴わない「新型うつ病」という病気の存在もあります。仕事に対するやる気の低下や、生産性の極端な低下など仕事や生活レベルへ影響が出ていると感じたら、重症化する前に受診してみましょう。
また、自分が自覚していなくても両親やパートナー、子供などから指摘されることで初めて気が付く人もいます。性格の変化や、反応の鈍り・表情の乏しさなどの変化に身近な人が先に気が付くこともあります。これまでオシャレに気を配ってお金をかけていた人が、急に服装に無頓着になったり、大好きだった映画にまったく関心を示さなくなるなどの行動の変化から気づかれることもあります。
予防策は「意識的な頭の切り替え」!
「家で仕事の話をしないで」と家族に言われてしまったことがありませんか?「私に分からない話をしないで!」と言う意味もありますが、「家にいる時くらいは仕事を忘れて!」という意味もあるのです。
何かに熱中することが大事!
頭の中を悩みでいっぱいにしていては、心身ともに疲弊してしまいます。意識的に悩み事を頭から放り出す習慣を持ちましょう。自宅に戻ってからの時間の使い方を振り返ってみましょう。ゲームなど、一時的に「何かに熱中する」のもストレス解消に高い効果があります。
趣味を持つことが推奨されるのは「辛いことを一時的に忘れられる」という理由があるからです。仕事とは全く違う習慣や、環境を取り入れてください。忘れるために一生懸命になるのではなく、ゲームであれば“ゲーム”に一生懸命になってください。
まとめ
人間の脳は、よくコンピュータに例えられます。脳にストレスを与えることは、コンピュータの質を下げることと同じなのです。コンピュータには「ワーキングメモリー」よ呼ばれる仕組みがあります。ワーキングメモリーは脳の中の「作業領域」のようなものです。その容量は一定と言われていて、たくさんの作業(ストレス)を同時に処理しようとすると、当然「容量の争奪戦」が脳内発生します。
ストレスは「負荷」に過ぎません。余分な負荷を脳にかけ続けることで作業効率は低下します。まさに「キャパオーバー」の状態になります。キャパオーバーの状態で仕事をすれば、集中力・判断力も低下しているので「失敗(エラー)」が起りやすくなり、更なるストレスが生じてしまいます。
キャパシティを十分に保つことは、コンピューターは自分では行うことができません。意識的にキャパシティを取り戻さなければならないのです。私たち人間も同じように「意識的なストレス解消」を心がけたいものです。
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