メールが連絡ツールとして浸透して久しく、知人の身内に不幸があった場合も、メールでお悔みを伝える場合もあるといいます。
でも、まだ実際にはお悔みのメールを送る機会がない時でも、「メールでお悔みを言うなんて軽々しく思われるのでは」と思う人や、「メールでお悔みを伝える場合のマナーが分からない」などと悩む人もいるのではないでしょうか。
そんなお悩みを解消するために、今回はお悔みメールを送ってもいいシチュエーションや、正しい送り方をご紹介していきたいと思います。
また、基本的な訃報が届いた後のマナーなどについても一緒に触れていきます。
訃報の連絡を受けたら?
突然の訃報、受けた場合に取るべき行動をあなたはご存知でしょうか。お悔みメールを送るか送らないかという問題の前に、まずは訃報が届いた場合、あなたが取るべき行動についてご紹介していきます。突然の訃報の連絡に対して、あなたは戸惑わずに、きちんと行動ができる自信はありますか?
お悔みの気持ちを伝える方法
訃報が届いた時点で、あなたは何らかの方法で遺族にお悔みの気持ちを伝えることになりますね。たとえば、故人が近親者であるならば、遠方の場合を除いて、弔問に訪れる必要があります。ですが、弔問の他にも気持ちを伝える方法があります。
その方法の違いは、故人との関係に注目してみるといいでしょう。
- 故人が近親者である場合→基本的に弔問。
- 故人が遠方の近親者の場合→弔問、もしくは弔電。さらに遺族への手紙などがあると良い。
- 故人が親しい友人や知人の場合→基本的には弔問。遠方で難しい場合は弔電、もしくは手紙。
いずれも、基本的には訃報が届いた時点で葬儀が終わっていなければ、弔問に訪れることが一番良いでしょう。ですが遠方の場合や、どうしても都合がつかない場合は、弔電などでお悔みを伝える方法になります。
さらに丁寧なのは、お悔みの手紙を遺族へ送ること。これは遺族とも故人とも親しい場合、特にお悔みを伝える方法としてとても良い方法でしょう。
どんな場合でも確認しておきたいこと
訃報がどのようにあなたに届いたとしても、それが通夜や葬儀の前のことであったなら、確認しておくべきことが最低4つあります。
- 故人の名前
- 故人とあなたの知人の関係
- 通夜・葬儀・告別式が行われる場所と時間
- 喪主
1と2はあなたがきちんと把握できていない場合には、必ず確認しておきましょう。弔問に訪れるにしても、弔電を送るにしても、手紙を送るにしても、ここをきちんと確認していなければ話になりません。
3は弔問に訪れる予定なら、必ず知っておかなければいけませんし、4の喪主は、弔問ができず弔電を送る時に必要になります。
さらに、この4つに加えて「故人の宗旨」を知っておくことも、できればお勧めします。
連絡を受けた後の注意点
「訃報が届く」といっても、連絡手段はいくつもありますし、受け取り方も異なりますよね。
ここでは訃報が届いたときの様々な状況を仮定して、そのときあなたが注意するべきことをご説明します。
・訃報が電話で届いた場合
電話の相手が、遺族の方の場合であることがほとんどのこの場合。まず落ち着いて、電話の相手をいたわることが大切です。ここで注意したいのは、電話口であっても取り乱したりしないことと、亡くなった理由などをしつこく聞くなんてことはしないということ。
遺族の方は、悲しみに暮れる暇もなく葬儀の手配などをせねばならず、心身ともに疲れています。お悔みの言葉を伝えた後は、確認事項を聞いて、長々と話さないようにしましょう。
・訃報が手紙で届いた場合
葬儀の後日、喪中の手紙やハガキなどで、知人の身内に不幸があったことを知ることもありますね。喪中ハガキならば、受け取っても、多くの場合は返信の必要はありません。
ですが、もしその知人といつも親しくしているという場合や、故人と生前交流があったり、親しくしていた場合は、こちらも手紙を返してお悔みを伝えましょう。
・訃報がメールで届いた場合
友人からのメールで、友人の身内の不幸を知る…なんてこともあります。そんな時にこそ、故人を偲び、悲しむ友人をいたわる「お悔みメール」を返すことが必要です。
「お悔み」はメールで伝えてもいい?
上の項で挙げたように、訃報が届いた後、あなたは弔問に訪れることや、弔電を送ること、手紙を送るなど、様々な方法でお悔みを伝えることでしょう。
そんな様々な方法の中のイレギュラー的な一つとして、「メール」があります。ですが、お悔みをメールで返すのは略式過ぎて失礼にあたるのでは?と思う方も多いこの方法。
こちらでは、お悔みにメールを使っていい場合と、避けた方がいい場合をご紹介します。
伝えてもいい場合
メールでお悔みを伝えてもいいという場合は、メールで訃報の連絡があった場合。さらに、そのメールの差出人が友人や、親しくしている知人などの間柄であれば、むしろすぐにお悔やみをメールで伝えるべきです。
親しい間柄ならば、メールはもはや手紙などよりもっと身近なものになっているでしょう。それに、メールの利点は何といっても早く気持ちを伝えることができること。悲しい気持ちにある、友人や知人の気持ちを少しでも和らげることができるような、相手の気持ちに寄り添ったメールを送って「お悔み」の気持ちを伝えましょう。
またビジネスの現場などで、いつもメールでやり取りをするような、取引先の人の身内に不幸があった場合。この場合は、その情報に間違いがないと分かってから、メールでのやり取りが必要な場合に一言添える程度のお悔みは伝えるべきでしょう
避けた方がいい場合
反対に、メールでお悔みを伝えるべきではないのが、メールでの訃報の連絡がない場合。そもそもメールでのお悔みは、正式なものではありません。メールで伝える方がいいという場合はほんの一部なのです。
メールでの訃報の連絡がなかった場合はもちろん、人づてに聞いたからといって、突然お悔やみのメールを送るのは、マナーとして褒められたことではないようです。
正しい「お悔みメール」とは
では、メールでの訃報をあなたが受け取った場合、差出人の友人や、知人にお悔みメールを送るのには、どのようなことに気を付ければよいでしょうか。正しく「お悔みメール」を送る為の、マナーや注意点をご紹介します。
また、メールでも訃報は訃報。メールだからと軽く見て、メールを返さないなどアクションを起こさないなんてことは一番してはいけないことです。
基本的なメールのマナーは守ること
これは基本的なことではありますが、メールという方法を取っている以上は、メールを送る時に必要なルールは守りましょう。以下の点に気を付けることが大切です。
・メールの内容がわかる、簡潔な件名を付けることができているか。
「〇〇(自分の名前)よりお悔やみ申し上げます」など。
特に親しい友人の場合、「大丈夫?」などの件名を付けてしまうこともあると思いますが、基本的には差出人と用件が一目でわかる件名が理想です。
・機種依存の文字や記号は使わないようにする。
相手がメールを見る媒体によっては、文字化けする可能性があります。
そうなってしまえば、こちらのお悔みの気持ちは伝わりにくくなってしまいますので要注意。携帯電話の場合の、絵文字の使用も控える方が吉です。
・すぐに返信がなくても気にしない。
これはマナーというか、心構えのようなものですね。遺族は何かしら忙しいですから、いつでもメールをチェックできるわけではありません。それにチェックができたとしても、身内に不幸があった後のことです。きっと、返すような気分になれない場合だってあることでしょう。
お悔みのメールを送って、返信がなくても仕方がないことなのです。「せっかく送ったのに!」とすねたり、「届いていないのかな」と思って何度もしつこくメールを送るなんてことは、「お悔み」の両極にあること。絶対にしてはいけません。
避けた方がいい「忌み言葉」
お悔みの気持ちを伝えるときに、使うべきではない言葉があります。
不幸が繰り返されることのないよう、「繰り返し」を意味する言葉はすべて、文中で使うべきではないとされているのです。「繰り返し」はもちろん、「再び」「続いて」「重ねて」「重ね重ね」「たびたび」などは、使うべきではない、お悔みの中での忌み言葉となっています。
メールの文章を書き終わった後、一度その文中に「繰り返し」を意味する言葉が入っていないかどうか、確認しておくことが大切です。
これは、特に弔電や手紙を送る際にいわれていることではありますが、お悔みの気持ちを表すメールにおいても、使わないほうがいいでしょう。
相手をいたわる言葉遣いを
「お悔み」というと、「ご愁傷さまでした」「ご冥福をお祈りいたします」「お悔やみ申し上げます」などといった、定型文があります。
もちろん多くの場合は、この文章を使うことで相手に気持ちは伝わると思いますが、ごく親しい友人に送るメールで、この定型文をそのまま使うのは不自然ですし、どこか形だけのものに感じられてしまう場合もあります。
何のためにメールを送っているのかを、意識しながらメールの文章を書きましょう。定型文で埋め尽くされたメールより、身内の死を悼み悲しむ相手の気持ちに寄り添うような、文章が書けているのかを確認してからメールを送ることが、一番大切なのです。
まとめ
お悔みメールのマナーや注意点、いかがでしたでしょうか。
本来はお悔みを伝えるには略式のものになりますので、使う場面は限られてくるお悔みメール。それでも、お悔みメールはすぐ伝えることができる、気持ちを率直に伝えることができるなどの利点もあります。
訃報は往々にして突然のもの。そんな時にも戸惑わずに、残された人たちの為に優しい心遣いができるといいですね。
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