就職活動を行うと、正しい言葉使いを考える機会が多くあります。
就活生が悩むワードで多いのが「貴社」と「御社」の使い分け方です。大事な場面で使い方を間違えてしまうと、面接に落ちることにつながりかねません。どうしても入りたかった企業に内定が決まらないなんてこともありえます。
このような事態にならないように、「御社」と「貴社」を正しく使い分けられるようになっておきましょう。
御社と貴社の違いについて
では、早速御社と貴社の違いについて紹介します。
使い分け方
一見、難しそうな「貴社」と「御社」の使い分け方ですが、実はとても簡単なものなのです。
- 面接などの会話の最中に使用するのが「御社」
- エントリーシートや書類の際に「貴社」
といった使い分け方が正しいといえます。
これには理由があります。「きしゃ」という言葉には、「汽車」や「記者」「帰社」など同音異義語がたくさんあるので、瞬時にどのような単語を指しているのかを判断することができません。
こういった理由から会話の中では「御社」という言葉を使用するのが一般的となったのです。この様な理由を知っておけば使い分けを覚えることが簡単ですよね。
また、会社以外に使用するのであれば、
- 銀行:御行・貴行・弊行
- 市役所・区役所:御庁・貴庁・弊庁
- 信用金庫:御庫・貴庫・弊庫
- 学校:御校・貴校・弊校
という風に変化することも知っておきましょう。
実は御社は新しい言葉
実は昔は、御社という言葉はなかったのです。
どの様な理由から発生したかは様々な諸説がありますが、90年代に生まれた言葉とされています。そのため、御社という言葉を知らない世代もいることを知っておきましょう。
弊社はいつ使うの?
「貴社」と「御社」の他に「弊社」という言葉もありますよね。
この弊社という言葉を、どういう時に使うかを知らない人も多いのではないでしょうか?この「弊社」という言葉は、自社を指して使う言葉になります。そのため、就職活動で就活生が使うことはなく、会社側が使う言葉になるので覚えておきましょう。
使い分けはマナーである
上記に記載してある様に、同音異義語が多いために生まれたのが「御社」という言葉です。ですので、決して「貴社」という言葉が間違いというわけではありません。
どちらも相手方を敬っている言葉になるので、失礼に値するといった事はありません。しかし、こういった言葉を場面によって使い分けできることがマナーであり、社会人としての力と見られます。
敬っているから大丈夫だろう!などと考えずに、しっかり使い分けが出来るようになっっておきましょう!
参考記事:「御社」と「貴社」の違いとは?|今さら聞けない書類作成・面接のマナー
「御社」を使う際の注意点
上記でしっかり使い方をマスターしても、「御社」という言葉には注意点があります。
面接の時の注意点
言葉の使い分けを覚えたての就活生は、これで安心というわけではありません・
上記に記した様に、「御社」は新しい言葉です。そのため、年輩の面接官の場合は違和感を覚える人も少なくありません。
いやいや、今は常識だよ!などと考えて、御社という言葉を多用するのが逆効果になってしまう場合があります。あまり乱用しすぎないようにすることが大切です。
じゃあどうすればいいの?と思うかもしれません。御社という言葉を使用しすぎてマニュアル人間と思われたり、文章を覚えてきたんだな。と思われないために、「こちらの会社」という様な表現を使用した方が自然です。
もちろん多用しても間違いではありませんが、程良いバランスをとるようにしましょう。
会社とのやり取りの場合
面接ではなく、会社とのやり取りでも、こういった言葉のやり取りに悩んでしまう場合がありますよね。
面接の様に、ガチガチの敬語を使用してしまうと相手が構えてしまうケースもあります。そういった場合は、御社の代用として「◯◯社さん」という風に少しくだけた言い方をしても良いそうです。
また、弊社の代わりに「私ども」という様な言葉遣いをしても、特に問題なく気軽にやり取りできます。
もちろん相手を敬う気持ちを忘れないことが大切なのですが、会社間の場合は構えすぎるのもまずいということを知っておきましょう。
参考記事:面接で「御社」という言葉を使うときに気をつけたいポイント
弊社と当社の違いは?
番外編ですが、「弊社」と当社」の違いを知りたい方もいると思います。
「弊社」という言葉について
簡単に説明すると、お客様がいる場面や自社以外の人がいる場合の時に使用するのが「弊社」です。
会社同士の会話の中で、「弊社では、このようなルールに基いて作業を行っています」や、「弊社では、こういった信念を元に活動しております」といった様に使用します。
「当社」という言葉について
では、今度は「当社」という言葉はどういった時に使用するのかを知っておきましょう。
・自社の人だけ
会社の会議や、自社内でのやり取りの際に使用するのが、「当社」という言葉です。
会議中の「当社は◯◯に力を入れて、作業をするべきです」や「当社の予算は〜」などといった場面での使用になります。
・抗議する場合
自社以外でも、相手の会社に対して文句を言いたい、クレームを入れたい、などの相手にへりくだらなくても大丈夫な場面があり、そういった場面では「当社」を使用しても大丈夫です。
「当社が最初に言っていた予算とズレているのですが、いかがでしょうか?」という風な使用方法になります。
その他面接での言葉遣いについて
その他によく間違って使用しがちな言葉遣いを知っておきましょう。
〜なので
多くの人が間違って面接で使ってしまうのが、「〜なので」という接続詞です。一見、丁寧な言葉の聞こえますが、若者言葉ということを知っておきましょう。
正しくは、「〜ですので」「〜そのため」といった言葉になります。
曖昧語
曖昧な言葉遣いを、日常的に使用しすぎているせいで、正しい言葉と勘違いしている人が多くいます。
- 「なんか」
- 「とりあえず」
- 「〜的には」
といった言葉が挙げられます。
特に、「個人的には〜」という風に使ってしまう機会が多いのではないでしょうか?こういった曖昧な表現は、自信がないように思われてしまいマイナスな印象しか与えないので、「〜です」「〜ます」という風にしっかり言い切る喋り方をしてください。
また、「この前」「この間」という言い方をしてしまうことも多くありますが、これらも面接時には正しい言葉使いではありません。「以前」や「先日」といった言葉が正しい言葉になることを知っておきましょう。
「えっ〜と」や「あの〜」という言葉
これらの言葉は、間が持たない時や言葉のつなぎ目に、ついつい使ってしまいがちです。
しかし、不安そうなイメージや幼いイメージが付いてしまうので、なるべく使用しないように努力しましょう。
「ら」抜き言葉
こちらは有名ですが、「ら」抜き言葉を使用するのは避けましょう。
普段から意識して「ら」抜き言葉を改善していないと、面接の際にも使用してしまう恐れがあります。特に、面接官はこういった言葉遣いを厳しい目で見ている事が多いので、普段から意識的に直すようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
御社・貴社・弊社・当社の使い方は、基本的なことになります。面接時はそういった基本的なことはできて当たり前と思われています。緊張して、忘れてしまわないように注意しましょう。
また面接時の言葉使いなどは、普段の日常から意識的に改善して置かないと、ふとした時に出てしまいます。
正しい言葉使いを覚えておき、社会に出ても恥ずかしくないようにしておきましょう。