仕事で取引先に迷惑をかけてしまった、なんてこと誰でもあることですよね。
そんなときにはまず、お詫びのメールを書きましょう。ただ、そのときにどんなことに気をつけたらいいのか、わからない人もいるのではないでしょうか。
今回は仕事でミスをしたときのお詫びメールの書き方をご紹介します。
謝罪メールは社の内外で書き方が異なります。共通しているのは、どちらも今後の関係の改善を目指すために書くこと、なるべく早く書くこと、ということです。
謝罪メールの目的は関係改善であり、そのために一番効果的なことは早く書くことです。
謝罪メールの目的を常に念頭においておきましょう。いくら相手に迷惑をかけたといっても不必要に長いメールは読む相手の時間をうばい、せっかくの関係改善のチャンスをふいにすることにつながりかねません。内容も長さも必要十分な量をこころがけましょう。
お詫びメールの書き方のポイントは、まず謝罪、そして経緯説明、その後に再発防止案を、この順番で書くことです。それではまずは社外に向けた謝罪メールの書き方をご紹介します。
大事な取引先に迷惑をかけてしまった場合
まずは上司に報告して指示を仰ぎましょう。場合によっては上司の方と直接出向いてお詫びする必要があるかもしれません。メールでお詫びするのはその後です。
今回は荷物の誤送をしてしまった例を取り上げて説明します。
書き出し
通常のメールと同じように、相手の会社、役職、氏名を書きます。そして「平素より格別のご厚誼を賜りお礼申し上げます。」などの言葉を添えます。
ここも通常のメールと同じです。ただ、上記の例のように多少、固くしたほうが良いと思います。
謝罪本文
書き出しが終わったらすぐに謝罪本文に入りましょう。
例えば
「この度は商品の誤配送の件にてご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんでした。」
などとすると良いですね。
必ずまず謝罪をします。言い訳を先にしてはいけません。この後に、問題の起こった理由を述べます。
「当方で原因を調査したところ、配送作業中、別のお客様へお送りするはずの荷物に誤って貴社住所の伝票を貼り付けてしまったため、誤配送が起こってしまったことが判明いたしました。」
そしてその後で再発防止の取り組みを述べます。
「このような人的ミスを防ぐため、現在、バーコード導入を進めていた矢先のことでございました。再発防止のため、今後はバーコード導入とともに、荷物と納付書、伝票の3点を合わせ、声に出して指差し確認を行います。」
ここでもう一度謝ります。
「このようなミスが二度と起きないよう、最新の注意を払い業務を遂行していく所存でございます。この度はこのようなご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。何卒、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。」
そして、相手にしてほしいことがもしあればここで書きます。
今回は相手のところに送ってしまった荷物を送り返してもらわねばなりません。別途、こちら側に送り返してもらうための住所記載済みの着払いの送り状を送って、相手に送り返してもらうようにしましょう。
「そちらにお送りいたしましたお荷物は、別途郵送いたします着払いの送り状にて、誠にお手数でございますが、ご返送いただきたいと存じます。なお返送用の送り状を入れた封筒を貴社宛に発送いたしました。明日にはそちらに届くかと存じます。身勝手を申し上げて誠に申し訳ございません。」
最後にもう一度謝ります。
「この度はこのようなことを起こしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。取り急ぎ、まずはメールにて謝罪申し上げます。」
そして、今後の取引をほのめかす一言を言っておきましょう。
「今後共、何卒これまでと変わらぬご指導をいただきますようお願い申し上げます。」
メールを書いた後
必ずメール文面を上司に見せて、指示、修正を仰ぎましょう。勝手に出してはいけません。
そしてメールを出した後の行動も、上司の指示に従ってください。
社外へのミスは自社の体面に泥を塗ってしまうものです。同じミスは二度としない、という覚悟で真剣に再発防止策をねりましょう。
また、直接出向いて謝罪をしないまでも、迷惑をかけた先方の担当者へに次に会うまで、このミスを忘れないようにしましょう。次に会った時はきちんと口頭で謝ってください。
社外へのミスは会社の信用問題につながりかねません。あなたのミスのせいでその取引先との関係が壊れてしまったらこれまで先輩方が築いてきた伝統を壊してしまうことになります。
社外へのミスは真摯に対応しましょう。
社内の人に迷惑をかけてしまった場合
さて、今度は社内の人に迷惑をかけてしまった場合のメールの書き方をご紹介します。
社外へ送るメールよりは幾分、簡単に済ませてかまいません。社内であれば関係修復のチャンスはメール以外にも、社外より多くあるはずです。また歩いてすぐ近くの人に対する謝罪はメールではなく口頭で行いましょう。
また、メールを出した相手には、次に会った時にこのミスを口頭で謝りましょう。誰でも他人のミスはよく覚えているものです。関係改善を図りましょう。
今回は同じ社内でもなかなか会わない人への謝罪メールです。
大事な会議があるのに、他社に営業のアポイントを入れてしまっていたとしましょう。もちろん、他社の用事が優先ですが、あなたは自社の会議をすっぽかしてしまうことになります。
もし時間があれば会議の前に出したほうがいいですが、今回はその時間もなかったことにして、会議の後、営業から戻る途中にメールを出すことにしましょう。きちんと謝意を伝えましょう。
書き出し
普段のメールと同じ要領でかまいません。
社によっては、相手の役職を前につけて〜殿、とするかあるいは、〜部長とするか、自社のルールに則って書きましょう。お疲れ様です、という文言もあるかないかは社に依るでしょう。
もちろん、この書き出しがないのは論外です。多人数に対してはCCなどにせず、一人ずつに出したほうがより真摯さが伝わります。
謝罪本文
書き出しが終わったらすぐに謝罪しましょう。
「本日〜時からの次期商品開発案発表の打ち合わせを欠席しまして申し訳ございませんでした。」
その後に理由を書きます。
「先月から予定されていた当打ち合わせの日時を間違えてメモしており、他社の営業のアポイントを入れてしまいました。」
そして会議を開いてくれた関係者の苦労をねぎらい、再発防止の覚悟を伝えます。
「先月より準備をしてくださった皆様には大変申し訳ないことをしたと考えております。このようなことが再び起きないよう普段から気を引き締めて職務に当たります。」
最後にもう一度謝りましょう。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。以後、一層のご指導をお願いしたいと存じます。」
メールを書いた後
ものすごく大きなミス以外は、上司に見てもらう必要はないでしょう。
それよりも迷惑をかけた本人に次回会った時、必ず面と向かって謝罪することを忘れないようにしましょう。
社内のミスは社外よりもダメージは軽いと言えますが、かといってこれをおろそかにすると、今後の仕事が円滑に進むかどうかに影響が出てきてしまいます。
会社で一番嫌われるのは、ミスをしたのにそのミスを認めない、謝らないことです。社内でミスを犯したら必ずきちんと謝りましょう。人間関係の基本に則り、気持ちの良い職場環境を作っていきましょう。
まとめ
お詫びメールの書き方をご紹介しました。
ここでもう一度おさらいしてみましょう。
社外、社内ともお詫びメールの目的は関係修復です。そのためにはなるべく早くメールを出すことです。
お詫びメールの書き方のポイントは、まず謝罪、そして経緯説明、その後に再発防止案を、この順番で書くことです。
社外への謝罪メールの場合を振り返ってみましょう。まず書き出しは普段と同じか、いくらか固く書きましょう。その上で謝罪文を書きます。その後で経緯を説明し、相手にしてほしいこと(誤配送荷物の返送)をお願いしましょう。そして再発防止の案を書きます。最後にまた謝罪をします。
書いたメールは必ず上司に見せましょう。
次に社内への謝罪メールを振りかえります。
社内メールは、少し歩けばそこにいる人には出さなくてもかまいません。直接、謝りに行ってください。書き出しは普段と同じようにします。社内メールも社外メールと同じ構成ですが、書き方は幾分、柔らかくてかまいません。まず、謝罪し、経緯を説明し、再発防止案を書きます。
余程のことを起こしたのでない限り、社内の人へのメールは上司に見てもらう必要はないでしょう。ここで一つ注意事項ですが、迷惑をかけた人に次に会うまでこのミスは忘れないようにしましょう。人は自分のミスは忘れますが、人のミスは忘れません。会ったら必ず謝るようにしましょう。
謝罪メールの目的は関係改善です。しかし、最後に言っておきたいのは、謝罪メールは関係改善の位置手段に過ぎないということです。
もし大きなミスを犯してしまったのであれば、直接電話する、あるいは出向くほうが良いことであるのは言うまでもありません。謝罪はあくまでももう同じミスはしない、という将来の約束であり、あなた自身の将来はあなたの今後の行動にかかっています。