近年、「正規社員」「非正規社員」という言葉を耳にしませんか?特に「非正規社員」の待遇や法律に関することでの改善案などがニュースでも聞かれますね。それはどういうことなのかというと、正規社員と非正規社員ではいろんな面で格差があるということなのです。
そして団塊の世代やそのジュニアと言われる世代と、20~30代の世代とはその立場への価値観も大きく変わっています。「正規社員」=「正社員」と言われていますが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか、ご紹介しましょう。
「正規社員」「非正規社員」って何が違うの?
正規社員=正社員というのは分かりますね?しかし、一見見ただけではどの人が正規でどの人が非正規なのかはわかりにくいものです。それは会社が個人とどのような契約(雇用条件)をしているか、ということで判断するので分かりにくいのです。その契約(雇用条件)はどういうものでしょうか?
簡単にお伝えすると、有期雇用・無期雇用ということになります。無期雇用というのは「期間に定めのない雇用」ということで「ずっと(定年まで)働く」という意味になり正社員のことを指します。有期雇用というのは「期間の定めがある雇用」つまりある期間が来れば、そこで働くことが終了となり、非正規社員となります。
その他、非正規社員ではアルバイト・パート・契約社員・派遣社員というのも含まれます。今は社会保険・雇用保険の加入範囲も拡大されて非正規社員も社会保険に加入が義務(条件あります)になったり、認められていますので正社員との差はあまりないようにさえ感じますが、実際は大きく違うのが現状です。
正社員のメリット
正社員・非正規社員の差についてご紹介しましょう。
安定感・信頼
やはりメリットとして一番にあげられるのが、安定感でしょう。社会人として生活する上で、家賃・光熱費・食費は最低限必要です。親元に住んでいてもいつまでも甘えてばかりではなく、「親に生活費を渡す様に」と言われている人も多くいるのではありませんか?
そのように、社会人になったら一人で暮らす費用は自分で稼がないといけません。しかし非正規社員だと、働いた日数分しかお給料としてもらえないし、年末年始・盆休み・ゴールデンウィーク等の祝日が多い月の翌月はガクンと収入が減りますね。
その点、正社員の場合、会社の規定にもよりますが基本的に基本給は保障されますので、月ごとに収入が大きく変動することは少ないでしょう。
計画性をもって将来のことを考えられる
収入が安定しているということで、大きな買い物をする場合に、ローンを組むことができます。もちろんお金を貯めてから購入するのが良いのですが、家を建てたり車を購入したりと大きい金額になってくるとローンをと考える人もいるでしょう。
その際、正社員で長年勤めている人・大企業に勤めている人と非正規社員では審査が通り方が違います。安定した収入があるということで、長期的に生活設計をたてることができます。貯金をすることも収入が安定していれば取り崩すこともほぼ無いので貯めていくことが出来ます。
待遇
重大なミス・違反などがなければ解雇になることはほとんどありませんし、昇給もあるでしょう。会社によっては福利厚生でリゾートホテルに泊まったりということもできます。そして、社員の技術向上ということで、研修なども会社の費用で行ってもらえます。
自分でお金を出さなくても必要なものならば、会社側で用意そてくれるのは正社員ならではということではないでしょうか。
会社ごとに違いますが、給与の中に手当が含まれていることも多いです。そして結婚や出産などで、手当が増えることもあるでしょう。
出世
長く勤めていると、後輩も増えますし、与えられる業務やその範囲も広くなってきます。そうすると成績次第で出世もあるでしょう。そのことで給与も上がるでしょう。
年功序列で誰でも年齢で出世するということは減ってきていますが、それでも入社した時のままということはほとんど無いでしょう。
転職の際有利
まだまだ正社員ということが評価につながっていますので、正社員として勤務した経験があると転職には有利です。
その勤務年数が長いほど「ちゃんとした人」「しっかりした人」という評価になり、過去の経験を認めてもらえて給与査定でも希望金額が通りやすいです。
正社員のデメリット
次にデメリットについて紹介します。
業務について責任をとらされることがある
業務ごとに責任が伴ってきます。誰かがチェックしてくれるものではないので、常に自身で気をつけて遂行していかないといけません。
責任といっても大きなものから小さなものまでありますが、ミスばかりしているようでは信頼されなくなりますし、会社の中心となるような仕事も任せてもらえなくなるでしょう。
多くの会社を経験しない為、井の中の蛙状態になりがち
新卒で入社してずっと勤務しているということはその会社しか知らないということになります。会社ごとに規則や待遇は違っていますし、些細なことでも当たり前だと思っていても他社ではやり方が全然違うということもあります。それを知らずに話したりしていると「えっ?」と思われることもありますので、注意しましょう。
解雇になる心配はほとんど無いため、安心して日々の業務を流すだけ…の毎日になりがちです。そうなると危機感を持って他の勉強をしている同僚や後輩に立場を超されたり、日々進化するIT業務に疎くなり重要な業務を任されなくなるかもしれません。
そうなると出世コースから外れてしまい、やりがいを失ってしまうかもしれません。
長期休暇が自分の都合だけでは取得しにくい
自分一人だけの業務ではなかったり、日本人特有の皆と一緒という体制から長期に休暇をとりにくい環境です。近年、有給休暇を使える様にしましょうという流れではありますが、まだ難しい状況ともいえます。
そして会社の雰囲気にもよりますが、長期休暇をとるのに、理由が必要だったり、ネチネチと嫌みを言われたりすることもあるようです。
非正規社員のメリット
非正社員のメリットは何でしょうか?
新卒では入社しにくい企業で就業できる
誰でもが知っている企業に入社するのは競争率が激しかったりしますが、派遣社員だと意外に紹介されやすいというのがあります。
派遣会社の特性を理解して、どの分野に強いのか?をキチンと調べて登録しておくと、自分の希望する業務を紹介してくれる確率は高くなります。そういうことを理解して登録するといいでしょう。
短期間だと割り切れば、給料も良いことがある
基本的に派遣社員の時給は高めです。正社員だと忙しい時期が過ぎたら辞めてもらうということが出来ないため、繁忙期の人員調整が目的ということが多いのです。派遣社員ならば契約期間がくれば、契約終了ということも出来るので、人件費を抑えることができます。
会社の都合にあわせたスキルを持った人を、会社側が育てるには時間もお金もかかりますが、その必要が無いため時給を高くできるのです。短期間だと割り切ればその高い時給で稼ぐことができるでしょう。
辞める・辞めないのゴタゴタなく契約満期で勤務終了できる
会社というのは入って、仕事を始めてにて分かるということも多くあります。思っていた業務ではなかった。人間関係がややこしく大変。という理由でも正社員だと我慢して働いている人も多くいます。
しかし派遣社員だととりあえず、契約期間があるので、その会社で働く事が嫌ならば、「契約延長しません」と派遣元に伝えるとあとは派遣元と派遣先で話し合ってもらえます。自分から上司に辞める理由を伝えたりするめんどくささも「必要ない」というわけです。
就業と就業の合間に休暇をいれることができる
派遣契約が終了し、次の派遣先が決まるまではどこにも属していません。ですので、どこに旅行にいこうと、何をしていようと自分の自由です。
派遣社員として働きお金を貯めて、そのお金で自分のスキルの為に学校に通ったり、旅行に出掛けたりと学生の時とは違い、自分の生活を設計しながら行動できることがあります。
非正規社員のデメリット
非正社員のデメリットを紹介します。
スキルがないと40~50歳前後だと就業先を見つけるのが大変
20~30代ならば、希望する業務での派遣は多くあるでしょう。ただ、40~50代になるとそこそこのスキルがないと紹介すらしてもらえないのが現状です。
派遣先側で、自分達より年上の人間を扱いにくいと思っているフシがあるのだと思います。なので、ピンポイントに企業が求めるスキル(それも相当の)があることが条件になってくるようです。
待遇は元々良くないままで、それ以上のことはない
派遣社員だと高給だといわれることが多いですが、交通費・賞与はないのが当たり前で、長年勤務してもほとんど昇給もありません。立場もそんなに上がる事はないようです。
ですので、短期的にはいいと思われる給料でもトータルで考えると、そんなに良くはありません。その上就業先からスキルアップの援助はほとんどない為、自分で考えて勉強していかないといけません。
続けたくても、就業先の都合でクビになることがある
数年前に「雇い止め」などで大きく報道されたことがあったので、ご存知の方も多いと思いますが、会社の業績次第では、どんなに頑張っても成績がよくても正社員を解雇には中々できないので、まずは非正規社員からクビを切っていくことが多いです。
そして派遣社員だと「契約更新しません」と言われるだけです。それは自分の予定や計画とは一切関係ないのです。企業は個人の都合など考えてくれません。
親世代からは不安定な職業だと思われ、信用されない
先に紹介しましたように、いつ仕事を失うかもしれない状況なので、年配者には信用されないことが多いです。どんなに収入がよくても不安定だと思われるのです。特に男性はまだまだ一家の大黒柱と考えられるので、不安定な職業だと奥さん側のご両親からは良く思われないのではないでしょうか。
今は大企業でも倒産する時代ですが、常にそういう状況でいる…、その状況でいることに満足しているという人を信用したくないのでしょう。そしてクレジットカードやローンの審査でも通りにくいということも事実としてあるのです。
メリット・デメリットは本人の考え方次第
正社員や非正規社員でのメリット・デメリットをご紹介しました。しかし、それぞれの考え方や生き方というものがありますね。正社員だから絶対正しいとも言えませんし、非正規でも自分のスキルを成長させて頑張って、いろんな企業を経験されている方もいます。
自分がどのように生きて行きたいのか?そのためにはどっちのほうがいいのか?その為にはどのような努力をしたらいいのか?を考えてみましょう。どんなことにもメリット・デメリットがあります。デメリットであっても理解しているのと、そうでないのとでは回避の仕方も違いますのでよく考えて歩んでいきましょう。
まとめ
いかがでしたか?正社員のメリット・デメリットについてご紹介しました。細かく言うと会社ごとに大きく違うこともあるでしょう。正社員として就業しても「ブラック」と言われるような会社では身体も壊してしまいますし、結局辞めないといけなくなったり…。
そんなことにならないよう、就職活動する際は会社側からの情報だけではなく、それ以外の評判も参考にして正社員のメリットを受けることが出来るようにしましょう。簡単にご説明しましたが、あなたの将来設計に少しでも参考になればと思います。