営業職は「つぶし」が効く職業です。営業職に就いている人は、転職活動の時には「つぶし」が効きます。その理由には「コミュニケーションスキルがすでに身についている」からです。新入社員に1からビジネスマナーを仕込む手間と時間を考えると、経験者を採用するほうが会社にとってのメリットは大きいです。
同じ業界、同じ商品を売ったことがなくとも「商品を売っていた実績とスキル」は、「新しいモノの売り方」として会社に新しい風を吹き込むことにもなります。実際に顧客と対面して商品を売り込むことは誰にでも出来るものではありません。営業経験のある人材はニーズが高い職業です。
目次
営業スタイルは変化しています
銀行や郵便局の窓口で、新しいサービス商品を紹介されて契約したことがありませんか?紹介したのは内勤社員ですが、この働きも営業活動の一つです。
カウンターに立つ人も「営業マン」です
営業職を専門とした転職サイトは数多くあります。今、さまざまな業界で営業マンの新たな力が求められています。近年「営業マンは勢いが命」といったイメージから、顧客の感じている問題を解決する「提案型営業」、「ソリューション営業」などといった「顧客のニーズに応える決め細やかさ」を力とした営業マンへと、その姿は多様化しています。
カウンターセールスという「内勤営業」のスタイルの業界があります。賃貸の不動産営業、携帯電話ショップ、保険代理店での窓口営業、などがそれにあります。広告やインターネットなどですでに商品知識を持ったお客様ばかりが来店するため、プロとしての知識やセールストークがなければ、お客様を逃がしてしまいます。カウンターセールス職は、自らがカウンターで細かい書類を取り交わすことが多く、事務的な要素と営業的な要素の両方を持っています。
「事務も得意な営業マン」「営業力のある事務員」。どちらも「商品を売り込む」ことが出来る人材です。「契約を取ってきたらあとは事務員さんにお任せ」というスタイルの営業職もありますが「営業マンが売りたいものを買わされる」から「買いたいものに対して自ら動く」といった顧客主体の時代、そして働く人の数の減少という社会的な現実に対応するために「事務」も「営業」どちらも出来る人が現代の営業マンに求められるスキルです。
企業が営業マンに求めるもの
営業マンとして採用されるために、必要なスキルがあります。全てを兼ね備えていなければならない、という決まりはありません。「バランスの良さ」も大切な要素です。
営業職に必要なスキル
- コミュニケーション能力
- 協調性
- 体力
- 忍耐力
- 発想力
- 印象(笑顔・雰囲気・元気のよさ)
- 信頼性
これらは個人の生来持っている「資質」ですが、営業マンを務める人に欠かせない「技術」があります。それは交渉力と提案力です。営業経験者が「即戦力」とされるためには欠かせない要素です。
企業側が知りたいもの
営業マンは、実力勝負です。実力を発揮するまでに、ある程度の時間は要しますが、出来るだけすぐに活躍してもらいたいのが営業マンです。実力を判断する目安はここで上げる2つがポイントです。
「本当の営業力の持ち主か」
その人がアピールしている営業力が、本人の実力なのかどうかを知りたいと思っています。極端なケースでは、売上げが良い理由が単に「売れて当たり前の商品やサービス」であったりする場合があるからです
毎年「自動更新」のように売上げが勝手に確定するような仕組みのモトで行う営業マンと、新規開拓を常に行っている営業マンとでは根本的な考え方が違うからです。知名度が高い会社の“ネームバリュー”に助けられている人と、「名前から売らなければ商品も売れない人の能力は全く同じではないはずです。
「チームプレイが出来るか」
営業マンは会社の花形、と言われた時代もあったように、「営業マンは会社のヒーロー」だと勘違いしている人は多いです。確かに「稼ぎたい!」というガツガツとした気持ちをもっていなければ営業職は務まりません。ライバルに対して「どんな手を使っても勝ってやる!」という闘争本能が必要です。とは言え、強すぎる闘争心が「行き過ぎたスタンドプレイ」に繋がることがあります。
自分の仕事だけを大事にし、同僚や事務員(アシスタント)に非協力的な対応をとるような営業マンは、いずれ取引先に対して同じ行動を取る危険性があります。社外営業と同じくらい大事なのが「社内営業」と言われるほど、社内のチームワークは大切にしなければなりません。それを知っている人かどうかも企業側が見ているポイントです。
営業職 「志望動機」の書き方【例文つき】
面接に至るまでに、会社側は書類選考のプロセスを設けていることがほとんどです。複数の応募者の中から面接に呼ばないかは、書類選考に通過する必要があります。
履歴書の書き方
充実した内容の応募書類を作成しましょう。社会人経験がある中途採用への応募の場合には履歴書と職務経歴書を提出しましょう。履歴書に記入する「志望動機」が選考通過のカギになる可能性が高いですから、採用担当者の方の目を引くようなものにしましょう。
学生からの新卒採用に応募する、いわば職歴がない場合も学生時代のアルバイト経験やエピソードなどを交えて作成しましょう。「営業という仕事は良く知らないが、なんとなくやってみたい」といった「ぼんやりとした」志望動機では面接に至る前に書類選考で失敗する可能性が高くなります。
「志望動機」は”なぜ営業という職種を希望したのか”を書きましょう
営業職未経験者と、営業職経験者の志望動機の書き方は全く同じではありません。営業職未経験者の場合は、自分のこれまでの経験を踏まえた志望動機を書きましょう。これまで就いていた業務経験の“何が“営業職に就きたい気持ちを起したのか”を明確にしなければ「ただ単に、営業職をやってみたいから」という薄い内容になり、面接担当者から「前の会社で営業がうまく行かなかったから”逃げてきた”のかも」など邪推されることもあります。
「営業しかやったことがないから、次も営業希望するしかない」など、逃げ回っている”出来ない営業マン”と思われないためには「営業マンがやりたい!」という熱意を示す必要があるのです。
志望動機例文【営業職未経験者編】
「現在はシステムエンジニア職としてシステム開発に携わっております。 しかし、ユーザーの顔が見えないことから“本当にユーザーのニーズに合ったシステムを作っているのか?”と疑問を持ちはじめたことで、お客様と対面する営業職へ転職を志しました。人と会話をすることが好きなことや、これまでの業務経験からコミュニケーション力には自信が持っています。貴社の求人を拝見し、インターネットを利用するお客様が持つ問題を解決する提案型営業に大変魅力を感じ、これまでのエンジニア職の経験が活かせるのではと考え、この度志望いたしました。
未経験者がアピールしたのはココ!
“何が営業職に就きたい気持ちを起したのか”という内容がきちんと述べられています。営業職未経験であっても、これまでの仕事経験で得たコミュニケーション力がある、ユーザーの顔が見たい、ユーザーの役に立ちたいという気持ちも見え。熱意が感じられます。
志望動機例文【営業職経験者編】
応募先企業が「営業経験者」に求めるものは「即戦力」です。さらにルートセールスなど、前職と応募先企業が同じ営業スタイルを持っているなら「商品さえ理解してくれたらすぐに営業に出てもらえる」という強みがあります。ターゲットユーザーの特徴が同じである場合でも同じことが言えます。
応募先企業の特色を分析し、前職との共通点を見つけましょう。
- 前職のターゲットユーザーの特徴
- 前職の営業スタイルの特徴
- 前職の組織の特徴
志望動機【異業種からの転職】
前職での医療器販売メーカーでの経験を活かせるのではと思い応募致しました。一日3~4件の取引先に赴き、医師や会計課の担当者と面談し、商品PRからや新機種導入時のサポート、メンテナンス契約の拡販などを行っておりました。既存顧客の中には、納入された器械はすべて私が商談した商品ばかりというユーザーもあります。医師を相手にした商談スキルには自信があります。担当した関西エリアでは取次店である医療器ディーラーとの良好な関係を多くの地域で構築して参りました。医薬品を扱う営業は初めてですが、先輩方から知識を吸収し、即戦力として貴社に貢献できるよう精一杯がんばりたいと思っております。
営業職経験者たちがアピールしたのはココ!
- 前職のターゲットユーザー
- 前職の活動
- 個人の業績(成果)
医療器械の営業から、医薬品の営業への転職をするケースでは、ターゲットユーザーがほとんど変化しませんし、病院への営業というやや特殊な営業スタイルのあり方も熟知していることがわかります。「一般企業への営業との違い」をいちいち説明しなくてもすぐに営業に出られるでしょう。
「商品をどれだけ売ってくれるか」その期待に応えよう!
営業部という部署を持たない企業でも、誰かが必ず収益を得るための活動をしています。営業部はその「収益を得るため」の専門部隊です。
営業マンに求めるもの「モノを売る力」
結論として「どれだけ売ってくれそうか」にポイントが絞られます。ベテラン営業マンには商品カタログを渡し、仕事内容を説明したらすぐに、「あなたの好きなスタイルで売ってください!」と丸投げする場合もあります。「売れるモノが存在すれば、何でも売る」それが営業マンの「真のスキル」です。
営業経験者を募集している会社は、“売ってくれる人”を大急ぎで探していることが多いです。「経験者歓迎!」と募集要項にかかれている場合はビジネスマナーなど、一から営業マンを育成する暇がない場合です。営業職の面接スタイルは、就活ルールほど厳密なスタイルではなく、「細かい話は置いといて、うちの商品どれだけ売れそう?」と「自信の程度」から面接が入ることもあります。
しかし「細かい話」をするためには面接に呼ばれなければ話をすることが出来ません。冒頭で触れたように「この人に会ってみたい」と思わせるような職務経歴書を作成しましょう。
営業職「職務経歴書」の書き方【例文つき】
自分を売り込むことを知っている方には「釈迦に説法」かもしれませんが、応募書類は企業側の人事担当者や面接官の人たちに「会ってみたい」と思ってもらわなければ意味がありません。
「私を雇うメリット」を存分にPRしましょう!
「私を雇うと、御社にはこんなにたくさんのメリットがありますよ!」とあなたの営業実績と魅力をアピールしましょう。多少のゴリ押し・押しの強さも営業職には必要です。未経験者・経験者ともに職務経歴書でなによりも重要なことは「この経歴を見てください!自分の営業はこれほど高いのです!」ということを証明することです。そのためにも職務経歴書は「自分のパンフレットを作成するつもりで」しっかりと作成しましょう。
職務経歴書・作成例
【営業スタイル】ルート営業
【取扱商品】医療機器(検査器械・手術器械・手術消耗品)
【職務要約】
既存ユーザー施設へのフォローと新規開発商品の拡販をしておりました。既存ユーザーには新機種の提案や、定期メンテナンス契約などのフォローを中心に定期的に訪問を行いました。新規ユーザーの獲得としては中型病院への飛び込み営業も行い、2015年には2つの病院を新規ユーザーとして獲得しました。これまで関西圏内で個人売上2位の営業成績を維持しています。
【担当業務内容】
- 見積書、提案書の作成
- 新機種採用時に必要な文献の提供
- 顧客情報の管理
- 部下の指導とユーザー訪問の同行
【過去の実績】
・担当ユーザー数大型病院20件 小~中規模病院8件
[売上実績]
- 20×4年度 個人売上高○万円(部内順位40名中2位)達成率前年比115%
- 20×5年度 個人売上高○万円(部内順位38名中1位)達成率前年比117%
- 20×6年度 個人売上高○万円(部内順位39名中2位)達成率前年比122%
【自己PR】
「情報収集力を活かした営業」
米国で発表される新機種を年2回米国で行われる医療器学会に出席することで日本に導入される前から情報を自主的に収集しています。未来の情報を得ることで、効率的に器械を購入できるばかりか、「まもなく型落ちする器械を売りつけない」という面で病院側からの信頼性が高まります。興味はあるが調べる時間がないドクターたちに「コンスタントに新しい情報を持ってくる“情報屋”」としてのユニークな面を大切にしています。
「医療技術に対する知識」
年々進化する医療技術の知識を高めることで、本当に必要な器械が見えてきます。ドクターが採用しようと考えている医療技術に合わせて揃えておきたい購入プランを一緒に作り上げるための医療知識を日々自主的に身に付けております。複雑な医療器械について分かりやすい資料を作成したり、勉強会を開催し、理解と納得をしていただいた上で購入していただくようにしました。
ドクターだけではなく、ナースにアドバイスさせていただくうちに「○○さんは病院スタッフの一員ですね」と言われた言葉が私に大きな励みになっております。さらにトータルなコンサルティングができるよう、「医療経営士」の資格取得を目指しております。
「新人教育・指導経験」
営業マントレーナーとして15名の社員の指導や新人教育に携わりました。基礎的な医療知識の勉強会や、同行営業、効率的な営業予定の立て方など、自分の経験を素にした教育でチームの売上げ目標の前年度比120%を達成しました。
【資格・スキル】
- 第2種ME技術者(2014年取得)
- 医療機器情報コミュニケーター(MDIC)(2015年取得)
- 医療環境管理士(2016年取得)
- 普通自動車第一種免許
【PCスキル】
- Word(文書作成)
- Excel(書類作成・売上管理)
- Power Point (勉強会資料)
【転職理由】
医療器械だけにとどまらず、深い医療業界においてドクターやナース、検査技師とは違うビジネスの目で医療業界の役に立ちたい気持ちが強くなり、医薬業界への転職を決意しました。優秀な器械が発売されても、病気のフォローをする医薬がよいタイミングで導入されていなければ患者さんのためにはならないと思います。貴社では、多くの医薬商品が開発され、新規開拓ができるフィールドの広さに魅力を感じております。前職での営業経験を生かし貴社に貢献していきたいと思います。
転職動機は「前向き」であること!
転職の動機に「これまでの経験を活かし、自分の営業フィールドを拡大したい」という”前向きな”気持ちを表しています。また、活かせるだけの十分な実績と実力も、この職務経歴書を読むだけで伝わります。
これだけの経歴を、面接で一つ一つ説明し面接担当者に正しく理解してもらうことはできません。面接の前に、自分という優秀な営業マンを前もって理解してもらうためにはここまで充実した内容にしておきたいものです。
まとめ
転職活動は何度繰り返してもデメリットにならない、という考え方があります。デメリットにさせないためには「前職と関係性の薄い企業への転職」を繰り返さないことがポイントです。その点、営業職は「企業(業種(の関連性」はさほど影響を及ぼしません。「モノを売る」という職業ですから、「売る手法」「売る技術」は業界が変わっても、「今度はこの商品を売ってみたい!」というモチベーションこそが営業マンには欠かせない要素だからです。
営業マンを「経験歓迎!」といって募集している企業は「1から人材を育てる時間がない、雇いたいのは即戦力だ」と考えています。モチベーションと合わせて「同じ業界にいた」か「同じような形態で仕事をしていた」人を選びます。採用担当者が気づかない、応募先の企業PRと自分の自己PRの共通性を見出し、PRすることが採用への近道になります。
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