履歴書の「本人希望欄」には何を書く?書き方の注意点も紹介!

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就職活動をする際に、必ず必要になるのが「履歴書」です。履歴書には、名前や住所といった個人情報から、学歴から職歴、保有している資格などをありのままに記載しますよね。

この他では「志望動機」や「本人希望欄」などの項目が設けられています。この「本人希望欄」にはどのようなことを記入したらよいのか迷ったことはありませんか?

面接に至る前に、履歴書で応募者を選ぶ「書類選考」の形式の場合だと、どのように書いたらいいか神経を使います。そもそも「本人希望欄」は、必ず書かなければならないものなのでしょうか?自分の希望を書きすぎてしまって「雇いにくい人」なんて思われるのも心配ですよね。

今回は気になる「履歴書の本人希望欄の書き方」についてお話します。

「本人希望欄」には書く事は?

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本人の希望、ということですから素直に希望することを書いたら良い・・・と考えてはいけません。給与はいくら以上希望!とか、何時までに帰りたい!など、自分の要望を書く場所ではありません。

「本人希望欄」には、こんなことを書きます!

基本的には「書類選考通過後、面接で担当者に相談したい内容」です。面接に至る前に、「この条件が満たされなければ入社できません。」このようなことを、前もって応募先企業に伝えておくことが目的です。

応募先企業の採用担当者がその内容を見た上で、次の段階の面接に進むか・進まずに不採用とするかの判断基準になります。本人希望欄とは、このように「判断基準の材料」なので、自分の要望を押し付けるような内容であれば、書類選考の段階で不採用になる可能性は高くなります。

「希望勤務地」

例えば全国に支社や営業所を持つ企業に応募する場合は、具体的な支店名を記入します。もしくは希望勤務地に対して「自宅から通勤できる範囲の支店を希望します」と、その理由を記載しましょう。

親の介護で自宅を離れることが出来ないなど、勤務地を特定する具体的な理由を前もって知らせておくことは、採用後のためにも必ず伝えておかなければならない必要な連絡事項です。

「希望勤務地」の希望を伝える例文

・日本全国に勤務地があり、選択可能な場合

「希望勤務地:埼玉県内を希望いたします」

・なんらかの事情があり、勤務可能圏を指定したい場合

「両親の介護が必要なため、自宅から通勤できる範囲の勤務地を希望いたします。」

・とくに希望がない場合

「希望勤務地:貴社の配属に従います。」

「希望職種」

1つの企業が、複数の職種の求人を出すことはよくあるケースです。このような場合は自分が希望する職種名を必ず記入します。ここで注意するのは、職種を”自分流”に書かないことです。採用側の募集職種名称に従って記入しましょう。

例えば、「営業事務」の求人に「希望職種:営業アシスタント」など自己流の職種名を書いてしまうと、採用側が「求人とは違う応募だ」と判断し、採用を見送ってしまう可能性があります。たとえ、現職が「営業アシスタント」という名前で営業事務を行っているとしても、その企業ごとに職種名の持つ意味が異なる、と考えておきましょう。

「希望職種」の希望を伝える例文

・応募先企業が「経理補助」を募集している場合

「希望職種:経理補助を希望」

ここで、「経理アシスタント」や「経理補佐」などと書いてはNGです。企業によってはアシスタントや補佐という職種が、別の職種を差す意味を持っている可能性があります。

・応募先企業が、「営業」「経理補助」「一般事務」複数の職種を募集している場合

「希望職種:営業」

異なる職種名や、何も指定を書かなかったりすると、企業側はわざわざ電話をかけて「何の職種への応募ですか?」と確認しなければなりません。

「給与条件」

自分が求める給与の金額をそのまま書くのではなく、転職の場合は現在勤務している会社の給与を記入し、「現在○万円いただいておりますので、現在の給与を下回らない程度の金額を希望します。」と書きましょう。

給与交渉をするのは、あくまで面接に至った時点です。一方的に「月額○万円希望」と記入することは「月額○万円なければ働きません」と言っているに等しいので、採用側へ与える印象は悪くなります。

「給与条件」の希望を伝える例文

「退職時の給与額:月給20.0万円」

注意したいのは、履歴書のフォーマットに「希望給与欄」が設定されていればこのように書いてもいいのですが、「希望給与欄」の設定がない場合は「あえて書かない」選択もアリです。

まずは面接に呼んでもらえることが重要なのです。しかし、応募先が提示している給与に大きな幅が持たされている場合には、「現在の給与を下回らない程度の金額を希望します。」と同時に書いておいてもいいでしょう。

「入社可能日」

すぐに勤務開始できる場合は「即時」と記入します。転職活動中であれば、今勤めている会社の在籍がいつまでなのか、つまりは“いつから入社できるのか”を記載します。

退職予定日がすでに決まっていれば、その日にちも記載しておきます。いつからこの会社に籍を置くことができ、最短でいつから勤務することが出来るのか、”勤務開始可能日“を明確にしましょう。

出社可能日が未定の人よりも、明確な人を採用するほうが人材を確実に確保できますので、出社可能日が未定である場合は、当然不利になります。通常は採用後1~2ヶ月以内に入社するのが限度と考えておきましょう。

「入社可能日」の希望を伝える例文

・すぐに勤務できる状態の場合

「即時入社可能」

・在職中で、すでに退職日が確定している場合

「引継ぎ期間が必要なため、○月△日から入社可能」

・まだ退職日が確定していないが、退職届受理された日から1~2ヶ月以内で入社可能な場合

「入社後、1~2ヶ月後から勤務可能」

採用担当者の立場に立って書きましょう!

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採用担当者の方にとっては、受け取った履歴書だけが応募者のすべてです。どのような生活スタイルなのか全くわかりません。

履歴書送付の次のステップは、担当者の方からの電話です。

「連絡希望時間帯」

履歴書が到着し、面接の日程を決めるなど企業側からこちらへ連絡をする際に、必ず連絡が取れる時間帯を記入します。また連絡先も自宅の電話なのか、携帯電話なのかも記入しましょう。

採用担当者が、この人いいなと思ってくれたとしても、なかなか連絡がつかないのでは面接日も決められません。何度も同じ人に連絡をしてくれるほど、親切な企業ばかりではありません。「この時間なら確実に連絡がとれる」と書いておくのもマナーです。

「連絡希望時間帯」を伝える例文

・「○月△日まで、現在の会社に勤務しておりますので、平日は17時以降に携帯電話にご連絡をいただけますと幸いです。土日は終日連絡可能です。」

ここで記入する連絡可能時間帯は、20時以降など常識から外れたものは避けましょう。「わざわざ残業してまで連絡する必要はない」と思われてしまう可能性があります。

なにも書くことがない場合は?

「特になし」ではなく、「貴社の規定に従います」と記入し空白にすることは避けましょう。

空白の場合、「なにも希望がない」のか「書き忘れた」のかが分かりません。限られた面接時間中に口頭で希望を伝えてくるつもりなのか?など、採用担当者を混乱させる原因になります。

「本人希望欄」に書いておくべき!希望する”働き方”

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シフト制の仕事に応募する場合、自分が希望する曜日や時間帯を明確に記載しておきましょう。なにも書かなければ「いつでも仕事に入れる人」として面接に進んでしまいます。

「シフト勤務」

パート勤務などの求人で、シフト勤務の求人に応募する際は自分の勤務可能曜日を記入します。この曜日は絶対に出勤できないという日がある場合は、明確な理由も書き添えましょう。

子育てママが働く場合、子供の学校行事などで時間的制限がある場合などもここに記入します。子育て中・介護中の人は、そうでない人よりも自分の希望を多く書くことになってしまいますが、“一般的に妥当な範囲”であれば記入しましょう。

採用が決まった後から、「実はこの曜日は働けないのです」と言われるより、前もって知らされておくほうが採用側に迷惑がかかりません。

シフト勤務の希望を伝える例文

・「幼稚園に通う子供がおります。学校行事・子供の体調不良でお休みを頂くことがあります。

・「平日木曜日以外は、9時~15時の勤務を希望いたします。木曜日は9時~14時までの勤務を希望いたします。」

・「子供のお迎えがあるため、水曜日のみ15時以降のシフトに入ることができません」

「扶養控除内の勤務」

夫などの扶養に入っている主婦が、夫の扶養範囲内での勤務を希望する場合は、その旨も記入しましょう。具体的にどれくらい働けるかも明確にしておきましょう。

「扶養控除内の勤務」の希望を伝える例文

・「主人の扶養控除内で就業したいため、週3日の勤務を希望します。」

・「希望勤務形態:パート(扶養範囲内) 希望勤務時間:平日8:30~12:30」

「本人希望欄」記入する時に注意したいこと!

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職歴から志望の動機までしっかり記入出来ているのに、本人希望欄に問題があればムダになってしまいます。最後にしっかり確認しましょう。

募集要項はよく確認しましたか?

求人情報に記載されている給与額や採用条件などから大きく逸脱した「本人希望」を記入していませんか?「応相談」などという“相談の余地”がもたれている文言があれば、面接時に相談することも出来ます。

しかし、毎年度新卒者を入社させる目的と異なり、中途採用の場合、発生した「欠員の求人」の補充目的であり、採用条件はピンポイントに絞られていることが大半です。つまりは、その条件に合う人しか採用されない可能性が高いのです。

採用の決定権は、企業側が握っている!

いくら人不足で、喉から手が出るほど人材を欲している企業でも人を選びます。応募先企業は、あらかじめ採用条件を提示していますので、その条件に合う、条件の範囲内で人を探しています。

いくら経歴に自信があり実力を持っている人であっても、一方的に条件を突きつけてくる人を採用することは少ないでしょう。

「給与○万円くれるなら働いてやる」のではなく、基本的には「貴社の規定に従います」という姿勢を表しましょう。履歴書を提出する時点では、まだ交渉の段階ではないのです。

履歴書は、面接するまでの前段階!

提出された履歴書は、応募先の求人条件に合ったものであることは大前提です。履歴書を読んだ人に「この人と会って、詳しく話をしてみたい」と思ってもらえなければ意味がありません。とはいえ、ウソや偽り・誇大した表現などは面接で必ずボロが出ます。

真意が伝わりにくい曖昧な表現、すべてに対して「希望なし」なども、これから仕事を任せられる人ではない、と判断されかねません。読み手にどのような印象を与えるのか、客観的に自分の履歴書をチェックしましょう。

まとめ

履歴書のフォーマットは、販売しているメーカーによってさまざまです。趣味や特技、得意な科目などを書く欄が充実している場合もあります。社会人経験者は、これらの項目よりも経歴などを自己PRできるフォーマットのものを選びましょう。

パソコンで作成できるフォーマットであれば、自分で項目名を変えることも出来ます。職歴や志望動機を記入するために、記入する内容をよく吟味すると思いますが、本人希望欄も重要な鍵を握っている項目です。あなたがどのような経歴を持ち採用後はどのように働いてくれるのか、人事担当者が参考にしやすいような履歴書を作成しましょう。

履歴書を持参して面接するのであればその場で言葉を付け加えたり訂正することは可能ですが、書類選考に履歴書を用いられる場合送付した時点で選考は始まっているのです。

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