個人面接とは一味違った緊張感を持つ「集団面接」または「グループ面接」をあなたは受けたことがありますか?複数人の就活生たちと肩を並べて、採用担当者と一斉に面接を受けるのが集団面接ですが、実際にどのように面接が行われるのかご存知ですか?
長い就活生活で、個人面接を何度も受け「場慣れ」しているから大丈夫!というものではありません。自己アピールが上手くても、集団面接では逆に選考のネックになってしまう可能性があるのです。今回の記事では「集団面接」についてお話しますので、対策ポイントをしっかりと覚えてください。
集団面接=個人面接×人数 ではない!
1つの部屋に、面接官と就活生が数人で席に着いて行われる「集団面接」。みんなで挑めば怖くない・・・?
「集団面接」一連の流れ
面接官からの質問は、すべての就活生に同じ質問がなされ、それに対して順番に回答するという流れです。回答の順番は、「挙手した順」であったり、面接官から「こちらの方からお答えください」と指示が出る場合があります。
最初にされる質問は、「自己紹介・自己PR」、次に「志望動機」が続きます。一通り順番に答え終わった後は、面接官が個人を名指しして質問がなされます。全員に同じ質問が出されたり、個人の履歴書を見た上で個人的な質問をしてくる場合もあります。
「それでは面接を終了します」という面接官の指示があれば、面接は終わりです。しかし全員が退室するまで気を抜かないようにしましょう!
「集団面接」で面接官が見ていること
集団面接で会社側の面接官が観察しているのは「コミュニケーション力」です。マナーや個人の人柄とその能力、志望度の高さなど基本的には個別面接と同じものです。
集団面接では就活生個人を見ているのではなく、他の就活生とのかかわり方を観察すると同時に、就活生たちそれぞれの比較をしています。最も観察されているのはコミュニケーション力です。なぜコミュニケーション力なのか?は次の項で確認していきましょう!
「集団面接」で実践したいこと
集団面接を受ける上での注意点を挙げていきます。なぜ個人面接ではなく集団面接という手段を企業がとるのか、その理由を知っておけば面接中の行動や言動を間違うリスクを防ぐことができます。
発言時間は1分以内に収める!
集団面接は、複数人の就活生の中で「自分を目立たせなければ!」というプレッシャーが、どうしても付きまといます。目立つためには「強く自己PRをしなければならない」と長々と話を続けてしまいがちです。
次の就活生に影響が出てしまうほどの時間を費やした場合、面接官からは「場が読めない」というマイナスの印象をもたれてしまいます。次に発言する人のことを考えて、回答時間は1分以内に収めましょう。
他の就活生の回答に惑わされない!
的外れな回答になってしまう原因は「他の就活生の回答に惑わされる」ことにあります。自分の考えを無視して、他の人より立派な発言をしようとすると必ず軸がブレます。一度ブレが生じると、この後に続く質問への回答もつじつまが合わなくなってしまいます。
2番目以降に回答する場合に起こりがちなケースです。先に答えた人の回答があまりに立派だったとしても「先に素晴らしい発言をされてしまった!」と焦らないで、自分の考えに自信をもって回答しましょう。
他の就活生の話を真剣に聞く!
自分の話が終わったら、気が抜けてしまうかもしれません。しかしそんな姿を面接官はしっかりと観察しています。
他の人の発言にあいづちを打つなど、傾聴姿勢を崩さないようにしましょう。「人の話を聞けない人」のはコミュニケーション能力が乏しいと判断されてしまいます。
共通点は「社会人に相応しいコミュニケーション能力があるか」
確かに、他の就活生は自分にとってはライバルです。彼らを出し抜かなければ、内定を勝ち取ることはできません。
しかし、「誰よりも優れている!」という心をぐっと抑えるシーンは、仕事をする上で山ほどあります。悪い言い方をすれば「どれだけ社会で“化ける”ことが出来るか」を問われているのです。
集団面接・5つの“残念行動”!
1.他の就活生を蹴落とすような発言をしてしまった!
勘違いしてはいけないことですが「チャレンジ精神」や「志望度の高さ」だけを強くアピールしてはいけません。このような発言は度を超すと、ライバルたちを“蹴落とす”発言に至る危険性があります。
また、あまりに強い主張や口調は、他人の意見を否定することに繋がります。企業が見たいのは、個性や信念の強さではなくその人が「コミュニケーション能力」や「協調性」を持った人物なのか、なのです。自分より先に発言した人の言葉尻を捉えるような発言や、否定するような発言はご法度です。
2.集団の中で、自分の”欠点”が目立ってしまった!
集団面接だからこそ、気を抜いてはいけないのが「身だしなみ」です。就活生が5人いれば、自分1人くらいが多少乱れていても目に留まらないだろう・・・と思うのは間違いです。面接対象者が5人いれば、「比較対象が自分以外に4人いる」と考えなければなりません。
特に靴や服装は、ほぼ全員おなじデザインのものを着用しますので、磨かれている靴たちの中で、磨かれていない靴はとても目立ちます。特に女性に多いのは髪形のルーズさです。長い髪の毛は顔周りを囲むのでその影響は大きく、その人のイメージを瞬時に作り上げてしまいます。
一緒に面接を受ける女性の応募者がきっちりとした髪型にしている場合、一瞬でルーズな髪型の人はイメージは悪くなります。「そんな、髪型くらいで!」と思うかもしれませんが、集団面接には「就活生複数人を一斉に比較・評価し、人数を減らす」言わば、”ふるいにかける”という目的もあることを忘れてはいけません。
3.グループディスカッションの対策をしていなかった!
個別・集団面接とグループディスカッションは、全く違うものです。面接官の質問に答えるのが目的ではなく、役割分担を理解し、建設的に議論が進められるかをPRするものです。
面接では好印象だったのに、グループディスカッションで残念な結果になってしまう人も少なくありません。面接官に与えられた質問を、指定されたグループで決められた時間内に答えを導き出すためには、就活生の各個人が自分の役割を正しく理解して遂行することが必要です。
論理的思考・リーダーシップは当たり前のスキルとして、他者への理解・違う意見への反応などが出たときの「態度」も観察されています。まったく発言をしないのは論外ですが、反対に「目立とう」として反論ばかりしていると、議論の妨げになります。
グループディスカッションは、当日に議論するテーマを与えられますので「準備不足」と諦めてかかりがちですが、このような企業側の目的があることを認識しておきましょう。
4.他の就活生との私語が目立った!
「やっと終わった!」と就活生同士で労い合うのは、社外で行いましょう。退室し、締めたドアノブから手を離した瞬間に気が抜けて、つい他の就活生に話しかけてしまいがちですが退室後の行動も、実はよく観察されています。
退室後にだけに限らず、一歩会社の建物に入ったら面接の始まりであり、完全に建物から出るまで面接が続いているという緊張感を持ちましょう。
5.面接官以外の社員へ、失礼な態度をとってしまった!
面接会場に到着するまでの間にも、社内の人たちと出会います。エレベーターを使用したり、お手洗いを借りたりする場合には「社員の人優先」にしましょう。エレベーターに割り込んだとか、お手洗いで長々と化粧直しをするなどはもってのほかの行動です。
実際に面接会場に入ってみたら、面接官がお手洗いで会っていた人だったなど、実際によくあるケースです。社内の人たちにも就活マナーを守り、爽やかな挨拶や振る舞いを心がけましょう。
集団面接で受ける、さまざまな「質問」
時間が限られた中で、複数人で行われる集団面接ですが、質問される内容は個人面接とほぼ変わりありません。ぬかりなく、しっかり準備をしていきましょう!
必ず聞かれる!「志望動機を教えてください」
下記のように、個人面接のときと同様の質問がなされます。集団面接用に”前後に話す人のことを考えた回答スタイル”を用意しておきましょう。
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望動機
- 学生時代に努力したこと・経験したこと
- 自分の認識している長所と短所
よく混同されるのが、自己紹介と自己PRです。PRとは“Public relations”のことで「売り込み」の意味を持ちます。自己PRでは自分の長所や短所・特技やエピソードを話しましょう。
先にエントリーシートを提出している場合は、志望動機などはエントリーシートと同じ内容で構いません。自己分析をしてしっかり対策の準備が出来ていれば、大丈夫です!これら、お決まりの質問には「どれだけまとまり良く話が出来るか」に重点を置きましょう。
ちょっと意地悪?「他社の選考状況を教えてください」
「他社の選考状況を教えてください。」この質問には企業側が立てる「採用活動戦略の参考」にする目的があります。近年、集活最前線の学生たちにこのような質問する企業が増えているようですので、ぜひ答えを準備しておきたいものです。
答え方のポイントですが、志望企業とかけ離れた事業を展開している企業の話をすると、その業種・その会社に就職したいという志望動機が希薄になってしまいます。
また、応募者がどのような信念を持って就職活動をしているのかを再確認する理由もあります。例えば金融業界を中心に就職活動を行っているのであれば、同じ金融系などの企業を挙げ「一貫して金融業界を狙っている」意思を明確に表しましょう。
そこに「どうして金融業界志望で、どうしてこの会社に応募したのか」をリンクして説明することが出来れば完璧です。
圧迫面接?!「別にうちの会社でなくてもいいのでは?」
「へ~、ああそう、べつにうちの会社でなくてもいいじゃないの?やる気も見られないし、もう君、辞めといたら?」
こんな感じの悪い質問を、集団面接で投げかけてくる面接官もいます。他の就活生たちがいる集団面接は個人面接より人の目が多く、このような面接官の言葉はその何倍も辛らつに感じられるかもしれません。
どうしてこんな目に遭わなければならないのか、と思って萎縮するのはまだ早いです!面接官の威圧的な質問や態度の裏には「ストレス耐性度の観察」の目的があります。企業はあなたが思うほど愚かではありません。「無用な圧迫面接を行う企業」と噂され、わざわざ企業イメージを落とすような行為を、生き残りに必死な企業がするはずはないのです。
圧迫面接はピンチではなく、チャンス!
「圧迫面接」に至ったら「チャンス!」だと頭を切り替えましょう。質問に正しく答えてもらうのが目的ではありませんので、答えられない質問には。堂々と「はい!私は未熟者です!これから頑張りますのでよろしくお願い致します!」と答えてください。
大手企業に内定が決まった人ほど、実は圧迫面接で開き直っていた傾向があります。企業は与えられたストレスに対してどのような態度をとるかが、圧迫面接をする企業にとって重要な選考ポイントなのです。
まとめ
集団面接では、「他者と関わる姿」によってその人個人の人柄を観察する面接方法です。面接官が直接その人と話をするよりも、見えにくい”本質”を見抜くことが出来ます。
プライベートシーンでも、反論されたときの「眉をひそめる表情」や、興味が感じられない友人の話を聞いている時の「興味なさそうな作り笑い」などに「この人ってこんな嫌な顔するんだ・・・」と感じたことはありませんか?反対に、人に優しく接している姿を見て好意を感じたという経験もあるでしょう。
集団面接では、このような「間接的に垣間見える人柄」も観察されていると認識しておきましょう。
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