家族、ご近所さん、職場の人、習い事の仲間。私たちは、毎日必ず誰かしらに顔を合わせます。よく知っているこれらの方以外にも、通勤で同じ電車に乗りあう人もいますし、ランチに入ったお店の店主さんもいます。 会話の相手や場所は、毎日いろいろです。
そんな日常を通して、あなたはこう思ったことはありませんか?
「会話がもっとうまくなりたいなあ。」
会話術は「楽」がポイント!
会話術とは、
「会話を円滑にする術であり、それによって、人間関係を築いていくもの」です。
要は、会話の力で、よりよい人間関係を作り上げていきましょう、ということなのです。
あなたは昨日、誰とどんな会話をしましたか?その時の事を思い出してみてください。ああ、もっと伝えたいことがあったのに伝えきれなかった、とか、あんな言い方して失敗しちゃった等いろいろな思いが出てくると思います。
会話は、「相手の話を聞きこちらがそれに対して反応をすること」と、「こちらが発したことを相手の人が聞きそれに対しての反応が返ってくること」のくり返しです。近所の人との立ち話であろうと、会社でのミーティングであろうと、原理は同じです。
人は一人では「会話」はできない
昨今の技術の進歩により、直接相手と会わなくてもいろいろなやりとりができるようになりました。メールや電話、手紙があります。無料で使えるLINEやSKYPEなどの利用者は非常に増えています。
このようなケースも広い意味では「会話」と言われるかもしれませんが、本来の「会話」の意味は、「二人あるいは少人数で、向かい合って話し合う事」とされています。これは広辞苑からの出典です。
会話ができるのも相手があってこそ。でも相手は自分とは違う人間なので、考え方も、物の捉え方も違います。ですから人は会話の最中や後で、
- うまく伝えられなかった
- 相手が何を言っているか分からない
と感じ、ひいては、私の言い方変だったかしら、自分の事を反省したり、この人の言っていること、ちょっと失礼じゃない?と相手にイライラしたり、と会話を通して様々な感情が湧き上がってくるのです。
会話は出たとこ勝負
人間は完ぺきではないうえに、会話は突然始まりますので事前準備なんてできません。会議などでは準備ができるだろうと思われがちですが、テーマは決められても、それに対する議論は当日その時にならないと分かりません。出席者Aさんが言ったことに対してBさんが反論する、でもCさんは同意する、こんな展開も実際に会議が始まらないと分かりません。
予測不可能であるから会話は楽しいのですが、予測不可能であるからこそ、気になってしまうものです。人間だれしもが、ヘマをするよりはうまく事を運びたいと思うもの。だから会話術を身につけて、円滑な会話をしたいなあ、と思うのです。
「楽(たの)しい会話を楽(らく)にし続ける」
これが会話術を磨くうえで、忘れてはいけないことです。
まずはわが身を考えよう
自分が参加している会話の場にはもちろん自分がいます。あたりまえですね。会話が終わって30分後、「ああ、ぶっきらぼうな言い方をしちゃったな」「相手の会話がつまらなかったから、気が乗らなかったな」などと思い返します。今の自分が30分前の自分を見ているのです。
ここで大切なことは、
「自分自身の会話を見つめなおすこと」です。
会話の全てを反省するのではなく、気にかかり続けていることがもしあったとしたら、そこがあなたのひっかかりポイントなので反省すべきポイントなのです。
ここでは、「ぶっきらぼうな」言い方と、「気が乗らなかった」自分の気持ちに気が付けば、自分の会話術を磨いていくことができます。まずは「気づき」が大切です。
言い方については後程。まずは、後者の「相手の会話がつまらなかった」ということからみてみましょう。私は聞くだけでしょ?と思ったあなた、会話術を磨く必要があります。会話は相手と自分、どちらも関係があるのですから、相手の事だけを責めることは出来ないのです。
要は、受け止め方一つで、会話は盛り上がると言えるのです。どんなにつまらない話でも、こちらの受け止め方、切り返し方で話は変わっていきます。まずは相手が会話力を磨く必要があるのは当然なのですが、まさか「会話術磨いてくださいね」なんて言えませんから、こちらの会話術を磨けばよいのです。
あなたはどうされたい?
誰かと会話をしているとき、あなただったらどうされたいですか?思いつくことを挙げてみてください。何かに書き出してみるのも良いでしょう。
- 共感してもらいたい
- よく話を聞いてもらいたい
- アドバイスをもらいたい
しかし、同時にあなたにもこういうことはありませんか?
- 「でも・・・」「だけど・・・」と相手の会話を否定してしまいがち
- 上の空、もしくは自分ばかりしゃべってしまっている
- ダメだしばかりしてしまっている
これらから
自分が求めている事と自分がやっている事の間には開きがあるということが分かります。
会話術を磨こう
その為にはまずなによりあなたは素のままでいること。
飾らないままであるあなたの状態が一番なのです。メッキでコーティングしたものは見た目はきれいですが、時と共に剥がれ落ちてしまうもの。人間もそうです。いろんなもので取り繕っているといつかはボロがでる。それ以前に、あなた自身が会話に疲れてしまう。
会話は本来はとても楽しいものです。ですから、長く続くことが大切。これは3時間話す、と言っているのではありません。また次もこの人と話したいな、と思われるような人になることが大切なのです。
しかし、上記に書いた「あとからクヨクヨ後悔してしまう」のは紛れもないあなた。素で接したのにクヨクヨしたり嫌な思いをしてしまうのはどうしてなのでしょうか?そこに会話術が登場するのです。
ちょっと変わる 私の中の私
ナチュラルなあなたが一番素敵です。このことに上乗せして、会話術を磨いていけばよいのです。そのやりかたをあなたにお伝えしましょう。
これは、あなたにメッキをかぶせることではありません。そうではなく、「自分の中のちょっと変えたい部分を会話術を身につけることによって変えていく」そういうステップなのです。
さて、魅力的な会話術にはなにが必要なのでしょうか?答えは簡単!会話の中にあなたがしてもらいたいことを取り入れればよいのです!
共感してもらいたいなら「相手を受け止める心の広さを」
誰もが、自分に共感してくれる人には好印象を持ちます。逆に、否定ばかりする人とは距離を置きたくなります。ですので、まずは相手の話の内容を受け止めましょう。
アイツ、嫌な奴!という人も会話の相手ではいるでしょう。ビジネスの場ではどうしても合う合わないがでてきてしまいます。会話術においては「会話」がメインですので、会話の内容を受け止める努力をするのです。
嫌な奴のことなんか受け入れたくないわ!そう思うかもしれませんが、ポイントは「相手」ではなく「相手の会話内容」です。相手の人格ではなく、相手の話の中身を受け止めればいいのですから、自分の良心に逆らうことはなく、ストレスはたまりません。苦しくなりません。
会話の中身を受け止めるためには、
「なるほどね」「そうなのね」
と可もなく不可もなくまずはその会話の内容を受け止めるのです。話の中身に白黒つけなくていいのです。話の中身を「事実=そういうもの」として、ただ受け止めさえすればいいのです。
一旦受け止めたうえで、自分の考えを述べます。ここで「でも、それって〇〇だよね」と言ってしまっては、これまでと何も違いはありません。まずは相手の言葉を繰り返すのです。
「〇〇〇ってことなんだね。でも、それって・・・・・」
事実を受け止め、それから自分の意見を言うというパターンを自分の中で作ってしまえばよいのです。違う意見を持っていることは悪いことではありません。人間はみんな違っているのですから、それが当然なのです。
よく聞いてもらいたいなら「イメージ映像作家になる」
イメージトレーニングは大切です。相手が話していることを、映像として自分の頭の中で作り上げていくのです。
待ったなしでどんどん進んでいくのが会話。女性同士のおしゃべりであればそのスピードは男性同士の会話には比べ物にならないスピードで進んでいきます。会話を文字で頭に入れていっては、そのスピードに乗り遅れてしまいます。ですから、映像として頭に入れていくのです。
「先日新しくできたカフェに行ったら、入るまでに1時間も待ったのよ。でも内装はとてもおしゃれだったし、店員さんも感じが良かったし、やっぱり行ってよかったわ。」
相手がこのように会話を始めたら、それを映像にしていきます。
彼女はカフェに行った。長蛇の列。疲れたけれども、すてきな内装とサービスに大満足だった。
こうしていけば、もうちょっと聞いてみたいことが簡単に頭に浮かび上がってきます。内装デザインは北欧調?それともアジアン?カフェは軽食もあるの?スイーツだけ?会話を続けていけばいくほど、あなたの中の映像をどんどん詳細にしていくパーツが増えていきます。
相手もたくさん聞いてもらえればたくさん答えられますし、聞かれたことで新たな発見も出てきてさらに会話が盛り上がります。「そういえば、お店の棚に置いてあったカップは販売もしていたわ」とか「あなたもカフェに興味があるのね。それなら今度一緒に行きましょう」などとたった一つの会話の切り出しが、たくさんの方向に枝をのばしていけるようになるのです。
アドバイスをもらいたいなら「3つに強い人になる」
寄り添う事、空気を読むこと、情報量を増やすこと
アドバイスに必要なことはこの3つです。
<寄り添う事>
人は自分が経験していないことについては、その大変さやつらさの本髄はなかなか分からないものです。しかし、分からなくても想像することはできます。自分が大変だった時のことを思い出して「こんな感じだったのかな」と考えることもできます。
<空気を読む事>
相手の状況をよく理解するという事です。例えば、あなたと他2人の計3人で会話をしているとします。
Aさん:「最近彼氏と喧嘩ばかりでどうしよう」
あなたには、彼氏がいますが、Bさんは喧嘩別れをしたばかり。Aさんもそのことは知っているはずですが、今はもう自分の事で精一杯で忘れている様子。
そんな中あなただったらどうするでしょうか。自分の意見を述べつつも、Bさんのフォローして、なおかつAさんのこともフォローするのが正しい会話術です。あとからAさんは、自分のウッカリに気が付くかもしれません。
逆のパターンも起こり得ます。自分がウッカリ相談の相手を間違ってしまった!ということが。そのような時にも、誰かがフォローしてくれることがあるのです。お互い様なのです。
<情報量を増やす事>
これは日々の生活で得た情報を役立てましょう。アドバイスを求められた時にこれらの情報を生かすのです。自分のできる範囲での情報提供で十分なのです。専門知識を持っているのならば、それを相談者に生かしてあげるのももちろん大切な事です。
会話がうまい人から学べ!
世の中には、どうしてこの人はこんなにトークが上手なのか、という人が存在します。あなたのまわりにもそういう人はいるはずです。
この人と話しているとここちが良い、安心する、また話したいと思う、そういう人が。
ストレートな表現も時には大切!
そういう人にあったら、単刀直入にあなたの気持ちを伝えてしまってもいいかもしれません。「あなたと話していると本当に楽しいわ!」と。これを言われて嫌な気持ちになる人はいません。
もっと話す機会ができるばかりか、あなたもいつのまにかその人の会話術を身につけられるかもしれません。
きれいになりながら会話術ももらっちゃう?!
職業上、会話が上手な人もいます。その代表者が「美容師、理容師」さんでしょう。もちろん美容師さんの全てがトーク上手ではないのですが、話が上手な人がとても多い業界だと言えます。
美容室には日々いろんな人が訪れます。男性女性、大人子ども、若い人年配の人、そして様々な職業の人、様々な境遇の人が集まる場所です。ここで美容師さんはいつも同じ会話をしていては場が持ちません。昔の出来事を話せば年配の人はよく反応するでしょうが、若い人は無関心かもしれません。そもそもその会話の内容が理解できないかもしれません。
ですから、相手によって機敏に会話を変えていかざるを得ないのです。またお客さんの反応によって話の筋道も変えていく術が必要になってきます。
このように、会話が上手な人はあなたのまわりにもいるはずです。そういう人と関わりがあった時には、会話の内容も大切ですが、会話の進め方に意識を向けることも、自分の会話術を磨くためのいい機会になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?会話術を磨く方法は、実はとってもシンプルなことでした。おっと言い忘れました。素の自分でいることよりもなによりも大切なことがありました。それは、あなたの笑顔です。
相談を受けているときは特にですが、口角を上げて相手の話を聞いてあげましょう。時には眉間にしわをよせ、時には相手の怒りに同調することも大切ですが、基本は笑顔。笑顔は相手との距離を縮めます。
あなただって、笑顔の人にだったらなんでも話せるでしょう?それと同じことです。
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