議事録の書き方のコツって?他の人が見てもわかるように!

一度は誰もが聞いたことがある「議事録」。しかし、日常生活ではまずお目にかからないものであるため、その中身となると分からないことばかり。

難しそう?いえいえ、ポイントを押さえてしまえば、決して難しいものではありません。さあ、これであなたも議事録達人!

議事録とは?

会議室

読んで字のごとく、会議の事案を記録したものです。いつ、誰が、どのような事案を話合い、そしてどのような結論に至ったか、ということなどを紙面に残します。

ビジネスで使われることが一番多いですが、地方自治体や国などの政治の場、学校や地域の話し合いの場などでも幅広く登場するのがこの議事録と言うものです。登場する場所によって、そして事案の内容によって、どのように議事録にするかは様々です。しかし、共通する事項もあります。

 議事録に必要なもの

  • 会議を行った日にち
  • 開始時間と終了時間
  • 出席者

これらは議事録を作る上でとても重要なものです。人が集まって会議をする以上、集まる場所、集まって話し合いをした時間、そして誰が出席したのか、という記載情報は紛れもない事実です。

さらに決まりがあります。

  • 日にちは、2016年4月1日、等のように、西暦を使う。
  • 時間は、15時30分~17時15分、等のように24時間表示で書く。

平成28年という和暦は日本固有の記載方法なので、使用しません。また、時間については大体でいいや、ではいけません。議事録には、正確性が求められます。

物事を決めたりしている会議なのでもちろん重要なのですが、後程何でこの議事録が使われるか分からないのです。ですから、時間は正確に書きましょう。裁判の資料となる場合も無きにしも非ず。

議事録はとにかくメモ!

議事録を作成するように頼まれると、自分も会議に出席することになります。ここで重要なことは、とにかく耳にしたことは何でも、そして全てをメモしておくことです。

会議の発言者は、事案の話し合いとその解決を目標として集まっています。記録を意識して喋りません。

また、いざ議事録を書こう、と思ってもメモが不十分であると書きまとめることができません。時間は元に戻せませんし、もう一度同じ会議を開いてくださいと懇願しても無理なことです。

とにかく、書いて書いて書きまくってください。

音声記録について

ボイスレコーダーという便利な機械があるのだから、それで発言を録音しておけばいいじゃないか、そう思ったあなた、NGです。

もちろん、メモを必死でとり、その補助として使うのはギリギリOKではありますが、音声での記録には頼らない方が良いです。理由は、それを文字に起こすとなると、膨大な時間とエネルギーが必要になるからです。

万が一ボイスレコーダーが正常に起動していなかったら・・・雑音ばかりで何を言っているかよく分からなかったら・・・・そのようなことも起こり得ます。ですから、議事録作成はとにかく自分の耳と手を使うことが大切なのです。

これ必要?不要?

会議に出席していると、どう考えても会議に必要ない話が耳に入ってくることがあります。場を和ませるための話題であったり、話合いがまとまりかけたので息抜きに、などそのケースは様々ですが、「コレ、議題に関係ないじゃん」という事が往々にしてあります。

しかし、あなたはあとで議事録を作るという重大な任務を任されているのです。

最初に言いましたが、会議の内容は「全て」メモする必要があるのです。重要な事案を喧々諤々話し合っているときに、ぽろりと「先ほど余談で話したこととも共通するけれども」と話が持ち出されることも起こり得ます。どうでもいいと思っていたことはおそらくあなたの記憶にも残っていないでしょう。

ですので、必要か不要かはあとで判断すればよいので、とにかく書きとってください。

議事録はすぐに取り掛かるのがポイント

会議が終わったら、すぐに作成に取り掛かります。もうへとへとだ・・・明日でいいや、と休みたくなるでしょうが駄目です。人間の記憶は徐々に不明確になっていきます。メモがあるからいいや、ではありません。

メモを見ながら終了後すぐにでもパソコンに向かえば、さっきの光景がよみがえるでしょう。作業も進みます。ですから、自分の体に鞭打ってでも、すぐに本題の議事録作成に取り掛かってください。

議事録のまとめかた

万年筆

会議が終わったら、そこからが議事録作成者のスタートです。

・メモ全体に目をとおす

まずはここから始めましょう。そしてさっそくパソコンに向かいます。

議事録作成は、書くコツさえつかめば決して難しくないものです。笑いを取るためや読者数を増やすために書くものではありません。会議の事実を出席者以外の人にも分かるように記録に残すことが目的なので、表現方法などに工夫は必要ありません。淡々と書けばよいのです。しかし、内容の分かりやすさなどには工夫が必要です。次のケースを見てみましょう。

社長「鈴木君、アレ、どうなったんだっけ?」

鈴木「ハイ、80のところ、95でした。次回は98を目指します。」

社長「97でも良いよ。期間が短いから。」

ここだけ聞くと、何の話をしているのか分かりません。そこで作成者が必要とされるスキルが「補記」です。言葉を補って書くのです。合わせて、話し言葉を書き言葉にしていくこともやっていきます。

前回の会議において、今月の売り上げ目標数値は80件と決定していた。結果は95件であった。そして来月の目標数値を97に設定することに決定した。

次回の議事録のために

会議は一度やったらおしまい、ということはほとんどありません。会社であれば毎月営業報告などを行い、業務の改善や見直しを行います。ということで、会議は、前回、今回、次回、と続いているのです。

今回だけに目を向けていては不十分。前回の会議に出ていないのであれば、その時の議事録に目を通してから出席しましょう。なぜなら議事録には「次回の議案」が記載されている場合があるからです。

それを頭に入れておけば、社長と鈴木さんの会話が読み取れます。同じように、今回の会議の議論が結論に至らず持ち越しにされる場合や、同じように次回の新たな議案として記載されていることがありますので、自分はもとより、次の人の為にもきちんと議事録を作成できるようにしましょう。

議事録の大原則

議案の提起→話し合った内容→その結果 を分かりやすく記載する、これを押さえましょう。話し合った内容は、上記にのべたように、話し言葉を書き言葉に変えて記載します。このように事実を述べるように端的に書いても良いですし、箇条書きにして書いても良いのです。どちらのフォームにするかは、過去の議事録やその会社の方針に合わせると良いでしょう。

議案はいくつかあるでしょうから、その都度、提起→内容→結果、と書いていきます。

話し合いが終わらなかった場合も、次回の議案として持ち越すこととした、と言う表現でまとめ、これを結果、とします。

それではさっそく議事録を作成しましょう!

メモ書き

善は急げ、記憶が鮮明なうちに、と言うわけで、さっそく作成しましょう。提起→内容→結果という順で書くという事を確認しました。ですので、メモをよく読みかえして、内容を充実させていきます。

メモは急いで取っていたので、二重線で消していたり、殴り書きのところがあったり、という状態でしょう。ですので、読み返しの際に気を付けることは、議案と話し合いの内容、その結果の一連の流れが適切か、ということです。

売り上げ目標件数についての事案なのに、メモを読み違えてしまっていたために、次の売り上げ金額についての内容と結果を書いてしまった、となってしまっては、記載されていることがちんぷんかんぷんです。出てくる数字も全く違ってしまっています。

定形ひな形を活用しよう

書き間違えるのが怖い!慣れないうちはそう思って当然です。それをお助けするのが、定形ひな形。過去の議事録参考にして、自分なりにフォームを作っておけば安心です。

これでOK?と聞く議案

議案の中には、報告だけをしてその承認をもらう、ということがあります。それについては、〇〇についての書類について詳細な説明を述べ、その承認を求めた、という形式となります。

具体的に言うと、会社の貸借対照表や損益計算書などと言った、すでに数値が決定している物に関する案件についてです。

こういう内容になりました、みなさまよろしいでしょうか?と言った発言が会議で出されます。

・ちょっと気を付ける議案

〇〇議案についての内容については、取締役に一任したい旨を述べ、審議を諮ったところ、満場一致で賛成の声が上がった為、これは承認可決された、という議案もあります。

これは、〇〇議案については、求めらている結果は、話合いをしてここで結論を出すことではなく、取締役に全てを任すことを良しとするかどうか、という内容になっています。求められている結果が直接的な議案の内容ではない場合もありますので、このような案件については特にメモ書きの読み間違えに気を付けましょう。

議事録の締め方

なぜ議事録を作るのか、という本来の目的を今一度考えてみましょう。

会議に出席した人は、いつ、どこで、どのような話し合いがなされ、その結果どうなったのか、という事が分かっています。その場にいたのですから当然ですよね。しかし、そうではなく、この会議の内容を外部に報告することも必要とされます。その為に、誰にでも分かるように、話合いの流れと結果を、時系列に記録していく、それが議事録なのです。

それでは締めくくりはどうしたらよいか、というと「議事の経過の要領およびその結果を明確にするために本議事録を作成する」とすれば良いのです。

参考記事:上司も納得する議事録を作るための参考記事とフォーマット27選

議事録の保管方法

プリンター

やっと議事録が出来上がった。プリントアウトしてファイルに綴じれば完璧だ!なんて思っていませんか?印刷することまではOKです。しかし、それだけではただ、何かが書かれた紙でしかありません。来週の飲み会の回覧板と大差はありません。

これだけではだめ、となると何が必要なのでしょうか?議事録の最後に、記名もしくは署名とその方の押印が必要なのです。要は、名前とハンコをもらえば、議事録完成!と言えるのです

記名?署名?どちらがいいの?

記名と署名、似ていますが異なります。記名はパソコンで名前を打ち込んで、プリントアウトした状態。議事録にその方の名前が印刷されています。

しかし、署名は自分で名前を書くので、白い状態のままです。どちらでも大丈夫です。会社の方針に合わせましょう。押印は「印鑑を押すこと」。実印かそうでないか、も会社のやり方に合わせましょう人によっては、銀行印にも使っている実印を会社の公的書類に押したくない、という人もいるかもしれません。

ステインって何ですか?

ちなみに、押印をもらう時は、捨印も押してもらった方が、良い場合もあります。議事録の内容が完璧!であれば捨印なんぞは必要なのですが、万が一あとで内容の記載ミスが見つかった時に、捨印が無い場合は訂正が効きません。誤字脱字を見つけてしまった場合、勝手に二重線で消したり、補ったりしてはいけない決まりがあるのです。捨印とは、一度作成した書面に訂正を入れるときに必要となる押印の事です。

一度ハンコを押したという事は、内容を確認して承認したという事。ですから、原則としては、押印後の書類訂正と言うのはまず行いません。しかし、作業をするのは人間です。幾人もチェックをしたとしても、ツイウッカリ!という記載ミスが見つかることが多々おこります。

このような場合、捨印のところに、「〇〇字削除」「〇〇字加入」と書き足して訂正をします。

捨印は、記名(もしくは署名)された方全員分の押印を、議事録各ページの上部余白のところに押してもらっておいたほうが、後々安心です。捨印が無くても、議事録として不足はありません。

まとめ

議事録の中身はいろいろです。すぐに終わってしまった会議はメモ取りがいくらか簡単でしょうし、定期的に繰り返される会議は、毎回同じ様式を使うことで、議事録作成の効率が上がります。

自分が作成者になった場合は、過去の案件を確認しつつも、自分の議事録作成ポイントをまとめておくとよいでしょう。これでマイ議事録作成法ができあがります。