考察とは?書き方や意味合いを知ろう!感想とはどう違うの?上手く書くコツは?

皆さんは学生時代やビジネスシーンにおいてレポートを執筆したことはありますでしょうか?レポートとは自分自身がそれまでに調べたりまとめたりした結果を綴る文書のことですよね。自分自身の研究結果を第三者が目にしても率直に伝えることができるように執筆することが重要なカギとなります。

そんなレポートですが、レポート内でも頭を悩ませるのが「考察」。自分の考えを端的かつ詳細に述べるパートでもありますが、コレがなかなか難しいんですよね。そこで今回は「考察の書き方」について詳しくみていきたいと思います!

考察に必要な要素とは?

一言で考察といっても何から記述すべきなのかが分からない場合もあるかと思います。どのようにしてその研究を始めるキッカケになったのかなどを記述すれば考察になり得るかもしれません。しかし、述べるほどではなく思いつきであった場合などが意外と悩みのタネになってしまうんですよね。

そんな考察ですが、まずは考察になり得るための重要なその「要素」についてスポットを当ててみましょう。

「感想」と「考察」は似て非なるモノ

感想と考察を混同して認識している方が多く見受けられます。確かに、似ていると感じるかもしれませんが、実は全くの別物なんです。

「感想」はそのままの通り、感じとったことや想いたったことを指します。人間的感情を表し、「今日は楽しかったなぁ」というのが感想なのです。

一方で「考察」とは、考えて察するモノを指します。例えば「今日は雲が多い、だから雨が降るかもしれない」というのが考察なんです。

この2つの違いは何だと思いますか?それは人間的感情があるか、ないかなんです。感想は起こった出来事に関して受け取る人間によって左右される感情論に過ぎませんが、考察はどのようにしてその考えに至ったのか感情抜きで理論的に示すことなんです。混同しがちですが、意外と素質は全く異なるので注意しましょう。

考察には過程と結論の提示が必要

考察は、前述のようにどのようにしてその結果に至るのかを予想することですよね。言わば過程と結論を予想することから始まり、実験や検証を重ねることでその考察が正しいのか、それとも間違っていたのかを結論で示す必要があります。

考察はあくまで予想であるので、考察とのセットには結果が必要となってきます。この考察によって得られた結果の記述を行い、その考察が否定されれば新たな考察を提示し、また検証を行う・・・この繰り返しでひとつの研究結果が導かれるんです。

意外と日常生活でも考察は用いられている

文書に起こして「考察を記述しなさい」と言われてしまうと意外と難しく感じてしまうモノですよね。しかし、私たちの日常生活でも自然と考察と結果は繰り返されているモノなんです。例えば学校や会社に向かう際、「○時○分までには辿り着きたい」と考えたとします。ではその時間から逆算して電車の時間などの出発時間を考慮するハズです。その考慮の結果、間に合うのか遅刻するのかが決まりますよね。この「○時○分までに~」の部分が結果であり、電車の時間などに当てはまるのが予想、つまり考察なわけです。

このように私たちは日常の中で過程と結論を想像する「考察」の基、生活していることになるんです。普通の思考回路と思いがちですが、今までの経験すなわち検証と同じ現象の基で生活していると思うとなんだか不思議と考察も簡単に思えてきませんか?

考察のネタを考える

考察の成り立ちについて理解したところで、今度の悩みのタネは「考察のネタ」ではないでしょうか?考察は身の回りに意外とあるモノと述べましたが、深く考えれば考えるほどにあやふやになってしまうモノ。そんな考察のネタの考え方についてみていきましょう。

どのような検証をするのかを述べる

考察において必要なのは結果です。その結果を導くためのプロセスである検証について述べてみてはいかがでしょうか?

例えば今まで繰り返されていた検証について、その検証でのみしか同じ結果を導けないのかを実験してみるという題目を立てるとします。その新たな検証によって得られる結果は同じでもこの新たな方法で、しかも手短に結果を得ることができるかもしれない、コレが考察なんです。過程を考え、結果を予想しひとつひとつの可能性について考慮してみれば研究も進みやすくなることでしょう◎

同じ手法でも誤差や精度を確かめる

知りつくされた検証の仕方であってもその検証方法には誤差や精度の確実性が保証できるかどうかを考えてみましょう。誤差が生じた場合にはその誤差を消し去るため、精度を確実にするための方法を考えることも考察にあたります。

人間がすることにはミスが起こりやすいのは周知の事実ですが、そのミスを最小限にするには確実な精度が必要ですよね。その精度を追求するためには保証できるほどのプロセスすなわち検証が必要なんです。その検証方法の精度は結果の精度にもつながります。どのように誤差があるのかなど可能性を検証していき、考察も深めることで確かなレポートを仕上げることができます。

検証値を増減させてみる

なにかを検証する際に必要なのはその検体の量と質ですよね。この量と質さえ正しければ同じ結果を得ることができるハズです。では、その確かな結果を手に入れたならば次にその検証値を増減させてみましょう。「○mlで成功できたならば、×mlではどのような結果になるのだろう。きっと△△という結果になるハズだ。」コレも考察なんです。

このようにひとつの検証値を追求することも必要ですが、その検証結果を実用的にするためには様々な検証値で確かな結果を得られることも重要となります。その数値のみでしか得られない、という結果が分かることも増減させてもパーセンテージが同じであれば同じ結果になるなどの結果もとても大切です。どこでその結果が崩れるかなどのパーセンテージも出してみることで実用的なモノに近づけることになるでしょう。

考察の記述方法

それでは、次に考察を記述する際の正しい方法についてみていきましょう。どんなに正確な実験結果を得られた場合でも記述が分かりにくい場合とでは相手に伝わるどころか実験結果まで否定される可能性も拭いきれません。頑張って得た結果だからこそ記述は大切なモノなんです。それでは学んでいきましょう!

成功パターンの記述

まずは、どのような場面から考察が生まれたのかを記述しましょう。教科書や過去の論文、過去に実際に行われた検証結果からでも構いません。その検証結果を元に自分自身が試してみたい検証方法の記述を繋げましょう。そうすることでその実験自体に関する信ぴょう性や背景が生まれるんです。

そして実際の検証方法、検証時間、検証の詳細を記述しましょう。この間は省略することなくできるだけ分かりやすく、そして検証の過程も分かるように記述することがポイントになります。

最後にその検証で得た結果を記述しましょう。数値などの情報や変化、どのような様子が見られたかを記述できればOKです。その検証結果から最初の記述による考察が正しかったのか、失敗したのかを記述しましょう。今回は成功パターンなので検証が正しかった、ということを記述してください。そして、その考察は予想以上に良いことがあればその事も記述してくださいね。

 失敗パターンの記述

前半の記述に関しては「成功パターン」と同様の手法で構いません。考察を考える段階では少なくとも結果は想像できていないものであるので、考察の記述の際にはあくまで理論的かつ客観的、時には主観を交えて記述するとよいでしょう。

そして、その考察の記述の通りに実験などのアクションをおこし、結果の記述を行います。今回は失敗のパターンなのでどのような結果(失敗)が導かれたのかを詳細に記述しましょう。また、数値などが多すぎたり少なすぎたりなどの場合には数値を更に増減するなどして再び考察を練り直し、レポートをおこすのもOKです。失敗パターンには、何故そのような結果で失敗したのかを明確に記述する事が重要になります。

それでもどうしたらいいのか分からない・・・

考察の書き方はだいたい想像できたかと思います。しかし、それでもどうしても考えがまとまらず二進も三進もいかない時ってありますよね。そんな時に試みたい対処法をご紹介したいと思います!これこそ実践できれば、アナタの解決の糸口になるかもしれません。

過去の論文や文献を確かめてみる

過去に実際に記されている論文や文献を潔くチェックしてみましょう。本来ならばNG行動ともとられる場合がありますが、それはいわゆるパクリをしてしまう可能性があるからですよね。論文や文献などは共感すればするほどに似てしまうモノと言われています。確かに、好きな歌手などの歌い方って知らず知らずのうちに真似してしまうモノですよね。その現象に似ているんです。

しかし、今回はあくまで確かめてみるということが重要です。過去の論文や文献を執筆した人はどのような方法で、数値で、環境で、、、などどのように実験や研究を重ねられてきたのかに焦点をあててみましょう。そうすることで今回のレポートにおいてどのようにすることが自分自身のオリジナルの結果になるのかが見えてくるハズです。また、過去の文書からは想像できなかったような応用ができれば完全なるアナタの作品にもなるんです。最後に参考にした文献などの情報やURLの記載は忘れないでくださいね。

まずは結論を考える

アナタが欲している【結論】とは何なのか今一度考えてみてください。そうすることでその結論を導くための方法がみえてくるのではないでしょうか?その思いついた方法こそが【考察】なんです。最初からやり方を考える人はいません。「このような結果が欲しい」と目標を立てることで「では、こんな方法でやってみたら出来るのかな?」と考えるモノです。これはまさにレポートにおける考察そのものですよね◎

まとめ

いかがでしたでしょうか?「考察」は書こうとすればするほどなんだかハードルが高いモノに思えてしまいますよね。導きたいものがあり、その目標を目指して奮闘することこそが正しい考察に辿り着けることが分かりました。

頭の中で沸々と考えてしまうとより考察が遠のいてしまうかも。そんな時には自分の欲しい結果を考えてみてくださいね!