会社説明会などの案内書に「当日はスーツの着用は不要です」。このように、参加するときの服装について指示が出されることがあります。
他にも「ビジネスカジュアルでご参加ください」だとか「ラフな服装で」など微妙なニュアンスの英語に困ってしまいます。「スーツ着用不要」という指示である場合もあります。「スーツは着なくてよい」のは分かりますが、ではどのような服装でいくのがいいでしょうか。
「ラフな服装」とはどのような服装を言うのでしょうか。ビジネスカジュアル、と言われればビジネスという語がつくことからビジネスにあう私服と想像ができます。
「ラフな服装」、くだけた、かしこまらない服装という意味になりますが、これを素直に受け取ってしまっていいのでしょうか?今回は「ラフな格好」についてお話します。
目次
鵜呑みにしたらキケン!なビジネス社会
「今夜は無礼講で行きましょう」と、社内での飲み会の席で上司が挨拶でこの言葉を使うことがあります。「無礼講」とは、“格式ばらずに、立場を忘れましょう”という意味が含まれている言葉です。
ビジネスマナーは「建前」ばかり!
上司・部下の域を超えて自由に飲みましょうという意味に解釈する人は、いませんよね。これから新社会人になる方は、この「無礼講」には注意して下さい。あくまでも、目上の立場の人が、目下の立場の人へ形式的に使う言葉です。
「今日は無礼講だから」と上司になれなれしく接したり、ハメをはずすような行為をしてはいけません。「無礼講」をよく使う上司こそ、マナーに厳しい人かもしれません。このように、ビジネス社会には「形式的な」ものがたくさんあります。
「形式的な」、この中に「ラフな服装」も含まれています。「お好きな服装で来て、あなたの個性をPRしてください」とでも言われない限りビジネスに相応しい、ビジネスマナーに抵触しない服装をしていくのがベストです。
スーツはなにも考えなくてもスタイルが決まるので、オールマイティですが、わざわざ「ラフな服装」と明記されている限り着ていくわけにはいきません。こんな時に便利なのが「ビジネスカジュアル」です。
「ラフな服装でお越しください」について周りの意見は?
「ラフな服装」という曖昧な表現。
プライベートの集まりならまだしも、ビジネスに関わる人が集まる場合、解釈に困ってしまいます。周りの人たちはどのように考えているでしょうか。
「ラフな服装」=「?」過半数を超えた回答は・・・
「ラフな服装」という指示が、ビジネスでつながりのある相手からのものだった場合、どんな服装で行きますか?という質問をしてみました。
- スーツで行く・・・30%
- ビジネスカジュアルで行く・・・50%
- 普段着で行く・・・15%
- その他・・・5%
このような回答になりました。「ラフな服装」の指示にはビジネスカジュアルが相応しいと考える人が回答数の半分を占めました。
場の雰囲気を乱さないためには、大勢の人に合わせることは大切ですので、大半が支持する「ビジネスカジュアル」一択で考えてみましょう。
「 ビジネルカジュアル」ってどんな服装?
「ビジネススタイル」と言ったら、あなたはどんな服装をイメージしますか?
多くの人は「スーツ」と答えるでしょう。ワイシャツを着てネクタイを締め、上下セットアップされたスーツを着用するものを「ビジネススタイル」と言います。
「ラフな格好」には、「ビジネスカジュアル」が無難!
では、「ビジネスカジュアル」と言ったら、どのようなものでしょうか。スーツを着用すれば、間違いなく「カジュアル」ではありませんので、スーツを着用しないことに間違いはありません。ビジネス色を持たせた私服ということになります。
そもそも、「ラフな格好」とは「くだけた格好で来てください」と言っているのではありません。オリエンテーリング、親睦会などでコミュニケーションにスポーツを取り入れるような集まりであれば「動きやすい服装で」と指示があるはずです。
結論は「個人の裁量で、当日の服装を決めてください」と言われたことになります。これは、その日何を着てくるかで、個人の常識を見抜こうという策略である可能性もあります。
「スーツ着用不要」やっぱりスーツは避けたほうがいい?
就職活動や、新人のうちに着用するリクルートスーツは個性を隠し、誰でもそれなりの姿にしてしまう力があります。つまり、制服を着用しているようなものです。リクルートスーツ姿で見抜けない姿を見られていると思っておいたほうが無難です。
私服面接を指定する企業も近年増えています。私服でお越しくださいと記載されているので、スーツで行くことは避けましょう。面接を行う企業側が「私服」と指定しているので、スーツを着ていった場合、面接官は好印象を持ちません。
職場の雰囲気を乱す、指示が理解できない、思考力が乏しいなどマイナスイメージをもたれる可能性が高いです。
「ビジネスカジュアル」の条件を徹底紹介!
スーツは上下をセットアップするものです。「スーツ着用不要」ですから、ジャケットとボトムスを違うものにすれば、スーツではなくなります。
これがビジネスカジュアル!「ジャケット編」
ジャケット=上着ですが、上着ならなんでも良いというわけではありません。パーカー、軽い素材のウィンドウブレーカー、ジャージやスウェットのような上着はジャケットではありません。
ポイントは、「襟がついている」ことです。女性の場合、ノーカラージャケットという襟がないデザインものもありオシャレなのですが、実はビジネス面には不向きなものと言われます。それほど、襟の有無は重要なのです。
タキシードや礼服などフォーマルな場所で着用するジャケットには、必ず襟がついていますよね。襟さえついていれば、多少個性的なものであっても許される傾向があります。
これがビジネスカジュアル!「パンツ編」
ジャージやスウェットのパンツは、まったくビジネス感がありません。
男性の場合、チノパンを選ぶ人が多いです。チノパンはプライベートでも使えますし、ジャケットに合わせることも出来る便利なパンツです。ジャケットに合うデザインであれば、スラックスなど他のパンツを取り入れてもOKです。
デニムも、シックなジャケットやシャツなどと合わせればビジネス色が強まりますが、日本国内ではお年を召された方に受け入れられにくいアイテムです。
「ジーンズ」はプライベートで着用するものという価値感を持っている人が少なくありません。ダメージデニムについては言及するまでもなく、完全プライベート用です。
これがビジネスカジュアル!「インナー編」
ジャケットの下に着る「インナー」、合わせ方でがらりと雰囲気が変わります。ジャケットと同様、襟つきのインナーである「カッターシャツ」を合わせると、ビジネス色を強く演出できます。
襟がついていないものであれば、ニットのセーターやTシャツがありますが、これらは色や素材に気をつけましょう。コットン100%のTシャツなどは着心地は快適ですが、カジュアルダウンしてしまいます。ましてそのコットン100%のTシャツの色が派手な色のものだったら、Tシャツがメインのスタイルになってしまいます。
アパレル業界であれば、インナーに凝ったデザインなどを取り入れることも必要ですが、ファッションに関係のない業界の場合はシンプルなデザインがおすすめです。
これがビジネスカジュアル!「シューズ編」
スニーカーは避け、黒や茶などの革製品のシューズを選びましょう。ビジネスシューズとカジュアルシューズの間に位置するデザインのものを1つ持っておくことをおすすめします。
スエード素材、紐靴などはチノパンにもよく似合いますし、紐がなくてもローファーなどのカッチリとしたデザインもおすすめです。
しかしインナーと同じでアパレル企業の場合はすこし違うのがスニーカーです。スニーカーは全世界に展開しているファッションアイテムなので、その人がどれだけ流行に関心が深いかが窺えるポイントになるからです。
選び方のポイントは「色」にもある!
ホワイト、ブラウン、グレー、ブラック、ネイビーなどはビジネスカジュアルにはうってつけの色です。
ビジネス感を損なわず、カジュアル感も併せ持つ万能カラーです。なにより清潔感があります。ワンポイントとして、インナーのシャツに明るいカラーを取り入れても素敵です。
女性には「オフィスカジュアル」という定義もある!
女性の場合にもビジネスカジュアルと同義語である「オフィスカジュアル」というものが求められます。
考え方は、基本的に「ビジネスカジュアル」とおなじですが、社内の雰囲気を乱さない服装ということになります。
女性は男性よりアイテムが多い!
いろいろなアイテムをつかいこなすことで、シチュエーションに合わせて印象をかえることができます。
スカーフや、ドレスシャツのように華やかな印象のアイテムは、会合やビジネスには不向きなデザインです。スカートに関しても素材感や丈の長さがポイントになります。ジャケットにミニ丈のスカートだと、業界自体を理解出来ていないと思われかねません。
女性の場合は素材も重要なポイントになります。シルクやサテンといった光沢感のあるもの、ニットではラメが織り込まれているもの、網目の粗いざっくりとしたものなどはオフィス向きではありません。
アクセサリーに関しても、(企業によって異なりますが)ネックレスやピアスを着ける場合は、ぶら下がるようなデザインやまぶしく光るような主張の激しいデザインのものは避けたいところです。
靴に関しては、サンダルやオープントウ、ミュールなどつま先が空いた靴、かかとのない靴は避け、パンプスを選びましょう。
まとめ
それでもビジネスカジュアル・オフィスカジュアルにピンと来ない人もいるかもしれません。要は、外向きに相応しいスタイルであるかを問われているのです。
たとえば、大切な書類を預けなければならない人が、パーカーとジーンズで職場に来たらいかがでしょうか。その人に、重要な用件を託けることが出来るでしょうか?スーツを着用していなくても、信頼感を与えられるかがビジネスカジュアルの基本的な考え方です。大学の先生の服装を参考にしてみましょう。スーツを着ていなくても説得力がありますよね。
周りの人のファッションチェックをする時に、「ビジネスカジュアル」「オフィスカジュアル」の視点も加えてみるのはいかかでしょうか。
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