「お忙しいところ恐れ入りますが 」の正しい使い方を学ぼう!

仕事「お忙しいところ・・・」、みなさんも誰かにお願い事をするときや、相手がしてくれたことに感謝の言葉を述べるときによく使う言葉ではないでしょうか?そもそも、お忙しいところって敬語?どんな時に使うのが正しいの?ついつい多使用しすぎてうざくなってないかな?なんて疑問や不安を抱く人もいるでしょう。

そんな便利で少し曖昧な言葉「お忙しいところ」の正しい使い方や表現のレパートリーをご紹介していきます!

「お忙しいところ」はどのような時と場合に使うの?

クェスチョン

お忙しいところってどんな時につかってどんな場面で登場する言葉なのでしょうか?

相手を気遣った決まり文句のような言葉ですが、あまりに多様していても、そんなに忙しくないし…と思う人もいますし、忙しいと思われていたくないと思う人もいるので使い方を考えないといけませんね。

お願い事をする時

「お忙しいところ」を使う時は大抵相手に何かお願い事をしたり、相手に回答を求めたりと、何かと相手方に負担・時間をかけてしまいそうな時によく使います。

特に目上の方に使います。「お忙しいところ」をお願い事の冒頭に付けるだけで、相手の状況を理解し気を遣っているのが伝わりますし、自分が謙虚な姿勢であることも伝えることができます。

また、「お忙しいところ」には相手に猶予をもたらすような意味合いもあります。そもそも「忙しい」というのはどちらかと言うとネガティブな意味でる使われる方が多いですよね。何かと理由をつける時に「忙しい」という言い訳を使ったことも多々あるはずです。このように、できない言い訳にもなる「忙しい」と言う言葉。相手の状況を配慮して「お忙しいところ」と付け加えることで、可能であれば…という意味合いや、あなたの都合やタイミングに合わせますという意味合いを本題であるお願い事に付け足すことができるのです。

結果、お願いされた相手もそこまで負担を感じることなく、お願い事を受け入れやすくなります。

感謝の気持ちを込めて

誰かがわざわざ自分の為に何かをしてくれたとき、相手の苦労や手間を想像して「お忙しいところ〜してくださってありがとうございます。」などと使われます。自分自身のこともあるのに、自分のために時間を割いてくれることに感動し、感謝している気持ちを表しているのと同時に言葉に込められた申し訳なさから、自分が面倒なことを頼まざるを得なかったことへの反省の表れとも捉えられますね。

実際自分が言われたら、さらっと流してしまうような決まり文句なのですが、無かったら無かったでなんだか寂しく、ただの「ありがとう」よりは気持ちが伝わってきますよね。

要は時間をかけてもらった時

「お忙しいところ」というのは相手の時間をもらっているという意識があるから言えることですよね。「お忙しいところありがとうございます。」を英語で言うと「Thank you for taiking your time.」等といいます。やはり英語は表現が率直ですね。

どんな内容であっても、時間をかけてもらっている事に関しては日本では「time」が「お忙しいところ」と表現しているのですね。

「お忙しいところ」と「お忙しいところに似た言葉」の正しい使い方

ok多様で便利な「お忙しいところ」という言葉。便利だからってこの言葉ばかり使うのもなんだか気が引けますよね。伝える相手や気持ちによってちょっとした言い回しを知っておくだけでさらに便利な言葉になります。

そしてただ付ければ良いと言うわけではない言葉でもあります。しっかりとしたビジネスの文章にはどんな言い回しがいいの?語尾はどんな感じに締めたらいいの?など意外とここまで考えたことなかったと言うところまで追究していきます!

お忙しいところの言い回し

「お忙しいところ〜ですが」は言葉としては言いやすいですが、メールなどの文章にするには「ご多忙中〜ですが」も同じように使えます。

「お忙しいところ、恐れ入りますが」や「お忙しいところすみませんが」などは柔らかく優しい言い方になりますね。一方お硬いような文章には「ご多忙中、お手数をおかけしますが」、「ご多忙中のところ誠に恐縮ですが」 など「ご多忙の折、お手数をおかけして恐縮ですが」や
「ご多忙中とは存じますが」、「ご多用のところ、恐れ入りますが」 を使うことでよりしっかりした文章になるでしょう。

「お忙しいところ」を使った例文、それに似た例文を挙げておきます。

  • 「お忙しいところ、恐れ入りますが」
  • 「ご多忙中、お手数をおかけしますが」
  • 「ご多忙中のところ誠に恐縮ですが」
  • 「ご多用中恐縮でございますが」
  • 「ご多忙のところ大変恐縮ですが」
  • 「お忙しいところすみませんが」
  • 「ご多忙中、お手数おかけしますが」
  • 「ご多忙の折、お手数をおかけして恐縮ですが」
  • 「ご多忙のところ、お手数をおかけしますが」
  • 「ご多忙中とは存じますが」
  • 「お忙しい中、失礼いたします」

以上のように、言葉の頭につける言葉のクッションはいくつかパターンがあるので、知っておくと便利ですね。

「忙」に込められた意味

「忙」という時を分解してみると、立心偏に亡くなるという時になります。見るからにマイナスなイメージですね。このようなマイナスな言葉と捉え、拒否する人もいるのが事実です。忙しいという言葉を使われたり、忙しいと思われるのが嫌だという人も多くいます。むやみに誰にでも使っていられないのが「忙」ですね。

実際は「お忙しいところ」は礼儀とも言える決まり文句であるため、相手が本当に忙しいか忙しくないかは関係ないので、そこまで深く考えなくてもいいのかもしれません。

ご多忙よりご多用の方がいい?

「忙」の意味について書きましたが、あまり気にする人は少ないでしょう。しかしもっと万人に無難な言い回しはないのか。それは「ご多用」なのです。

そして、お願い事を頼まれた方も頼んだ方に忙しいところは見せたくないですし、忙しい中わざわざやってもらったと思われたくないと思います。そんな心の奥を想像すると、「お忙しいところ」を使うよりも「ご多用のところ」を使った方がいい場合もあります。

詳しくお願いしすぎないこと

「お忙しいところ」を使ったのならば、相手に詳しく要求しすぎないことがルールです。相手のことを考慮して、自分のお願い事をしているのにもかかわらず、〜日までにと納期を決めたり、〜と〜をお願いしますと複数のことをお願いしたりするのはやめましょう。

あくまでも控えめにお願いをすることです。そうでなければ、いくら「お忙しいところ」と付けたとしても図々しさが現れますので、お忙しいところに続く文章・言葉も相手の立場や状況を考慮したものにしましょう。

言うだけで好感度もあがる!?

ビジネスシーンで、取引先、先方に対して「お忙しいところ」をよく使いますが、実は社内でも使うと使わないのとでは相手に与える自分の印象は大きく変わります。

社外の人に言う時はほとんど礼儀として言う事が多いと思いますが、社内で言うときは礼儀よりもより感情が込められているように感じます。

社内では、先輩に何か質問をする時「お忙しいところすみませんが・・・」や「〇〇さん、お忙しいところすみません。今よろしいでしょうか。」等と使います。先輩の手を止めてしまっているという恐縮な気持ちが込められていて、先輩もいきなり本題を頼まれるよりかはこの「お忙しいところ」という言葉のクッションが入ることで、そんなに悪い気はしないと思います。むしろ、後輩に慕われていることも感じることができるので、頼んできてくれた後輩をかわいいとも思うかもしれません。

社内営業という程ではないのですが、社内の中でも自分の立場を把握して相手の仕事を配慮して使っていくと、頼み事を頼んでいるのに好印象さえももたれ得るような表現となるのです。

なんでもかんでも使わない事!

もはやビジネスシーンでは定型文となっている「お忙しいところ」ですが、ただ付け足せばいいという訳ではありません。当然ですね。頼み事、お願い事の内容を考慮して使うのが基本です。

特に相手がビジネスパートナーである場合、時間をかけてもらって当たり前のとこや、相手にとっては手間だと思っていない、当然手間をかけるべきことと考えられる場合に、「お手数をおかけしてしまい、恐縮ですが・・・」と書いて送っても、もしかしたら何も考えずにただ定型文として送っているのではないか?と思われる場合があります。
さらに、忙しかったらやらないよ!と思われるような事に関しては、「お忙しいところ、〜してくださってありがとうございます。」という気持ちを伝えたい時も、「貴重なお時間をかけて、〜してくださってありがとうございます。」と言った方が良い場合もあります。

このような定型文のような、礼儀として使う文章も敬語も、時と場合、相手の立場を考えることが大前提です。

まとめ

「お忙しいところ・・・」という言葉から、似たような意味を持つ言葉まで、いろんな使用パターンや正しい使い方をご紹介してきました。

もはやあまり意味を考えずに、礼儀として、定型文として使うこともあったと思います。また時には、どんな場合に使うべきなのか、こんなに多様に使用して良いのかと疑問に思った時もあったでしょう。

本来の言葉の意味を考え、相手の立場や状況を考えることで、言葉の使い方に関する迷いは少なくなるはずです。また、自分のお願い事を通したい時、相手にどのような言葉をかけたら叶えてくれるかな?快く引き受けてくれるかな?と考えながら、自分の為にも相手の為にも言葉を選んで使っていきましょう。

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