かなり古いですが、「3年目の浮気」という昭和の歌謡曲があります。
男性が「3年目の浮気ぐらい多めにみてよ」とパートナーの女性に、開き直りながらも許してくれるよう説得している歌なのですが、みなさんは結婚して(お付き合いをして)3年目浮気をされた場合「3年」をどのように考えますか?たった3年で浮気をしたと怒りますか?それとも3年もたったからこんなものかと諦めますか?
反対に浮気をした側ではどうでしょうか。3年も浮気をしなかったんだから立派なものだ、と思いますか?それともたった3年で自分を浮気させたパートナーが悪いと責めますか?
今回は「どこからが浮気?」についてお話したいと思います。
「浮気」とは
引用:広辞苑
- 心が浮ついていること 心が落ち着かず変わりやすいこと
- 陽気で派手な様子
- 男女間の愛情がうわついて変わりやすいこと 多情なこと。
他の異性に心を移すこと
とされています。今回の「どこからが浮気」ということでは3の意味がしっくりきます。
しかし、「他の異性に心を移すこと」という一文が最後にあります。これに対し「心を移すだけで浮気?」と思った方もいるでしょうし、「心を移されるのが一番辛い」と思う方もいるでしょう。この2つを見比べてみると、浮気に対する感覚が人によって差があることが分かります。
男性と女性では「浮気」の基準が違います
「どこからが浮気ですか」というアンケートによるランキングです。
男性編・女性編を各順位ごとに比較してみましょう。
- 男性1位:肉体関係をもったら浮気
- 女性1位:キスをしたら浮気
という結果です。
どちらも「単なる友達の関係」の人とはしません。後に男性3位に「キスをしたら浮気」と挙がっています。あくまでこのデータだけで見た限りですが「キス」の行動の意味に男女でやや違いがあるようです。
続いて2位、3位です。
- 男性第2位:お泊りしたら浮気
- 女性第2位:肉体関係をもったら浮気
お泊りする=肉体関係があると言われてもしかたないですね。
- 男性第3位:キスしたら浮気
- 女性第3位:お泊りしたら浮気
キスは女性の場合は1位でしたが男性は3位です。女性にとってのキスは男性よりも意味が深く大きいと言えます。「好きな人としかしない」行為なのかもしれません。
ここで疑問に思うことがあります。「自分が浮気をした場合で、どこから自分が浮気をしたと認める」のか、「相手が浮気をした場合で、相手の行動のどこからを”浮気された”と捉えるか」で分け、同じ人にアンケートをとったらその回答は、同じ順番になるのでしょうか。
「自分はしてもいいけど相手にされたら嫌」という身勝手なものになるか、「自分はここまでしかしないから、相手にも同じところまでを望む」というフェアなものか。「そもそも浮気自体しないし、されたら別れる」のか。
浮気する側・される側のボーダーライン、男女間でのボーダーライン、そして精神的な浮気と肉体的な浮気のボーダーライン。全てバラバラだと考えたら6本のラインが引けることになります。1本の境界線にまとめるのは難しそうですね。
法律での「浮気」はどういうものか
前項のとおり、人の心・価値観に万人共通の基準を持たせることは難しいのです。では、法律で浮気について基準は設けられているのでしょうか。浮気・不倫は実は法律用語ではありません。「不貞行為」といわれます。民法の定義ではこの「不貞行為」を”その意思にもとづいて配偶者以外の者と肉体関係をもつ場合”としています。
「肉体関係」と言う文言があるので「肉体関係をもたなければ浮気ではない」のでしょうか。答えは、”YES”です。気持ちが相手に向いていたとしても、メールやラインをしても浮気ではありません。手をつないでも肉体関係ではないので浮気ではありません。高価なプレゼントをしても浮気ではありませんし、キスしてもまだ肉体関係に至らなければセーフ!・・・なのですが・・・ここからが法律の恐ろしいところです。
キスは確かに直接的に肉体関係の証拠にはなりませんが、そのキスが”性行為をしていてもおかしくない”と想像ができるようなキスだった場合(時間が長い・濃密・ハグしているなど)は浮気の証拠として扱われてしまうのです。メールやラインでも同様です。「すでに一線を超えている関係」に受け取られるような内容であるならば、それは立派なアウト!浮気の証拠になるのです。
個人の定義も、法律での定義も同じこと!
結局のところ、浮気をした側の「自分でひいたボーダーラインはあまり意味を持たない」ということです。浮気した場合は「相手(浮気された側)がひいたボーダーライン」が基準とされるのです。つまり、相手が不快だと感じたらそれは浮気なのです。
裁判でよく使われる言い回しですが「精神的苦痛を与え」られたと相手が思えばそれは「ボーダーラインを超えた=浮気をされた」ことになるのです。
婚姻関係がある場合とない場合の「浮気」
法律上の不貞行為を”配偶者以外の者と肉体関係を・・・”という言葉をあげましたが、夫婦とは、”適法の婚姻をした男女”を差します。婚姻関係がある場合の浮気は、裁判に至ることがあります。浮気された側は婚姻関係にあるパートナーと浮気相手に「精神的苦痛を与えられた」慰謝料を請求することが出来ます。
法の下では、婚姻関係がある人の浮気は、「不法行為」とみなされ、離婚に至った場合は一つの家庭を壊した「損害賠償」として請求できる権利が認められているのです。
恋人関係や籍を入れていない「内縁関係」の場合は?
恋人関係の場合、「自由恋愛」の考えに基づき違法にはなりません。この人としか恋愛してはいけません、という決まりがないからです。
しかし、婚約を交わしていたり、内縁(実質的に夫婦)状態にある場合はこの限りではなく慰謝料を請求できる可能性があります。しかし、婚約が口約束だけで親にも会っていないような関係であったり、同棲生活をしているといっても短期間の場合では「自由恋愛」の範疇となります。
「浮気」をする心理は?
浮気をした人への「なぜ浮気をしたのですか?」というアンケート結果は、男性では「パートナーへの関心がなくなった」、女性では「パートナーとの不仲」が1位になりました。
浮気した理由については「男は子孫を残すため、本能として新しい異性を求める」「浮気は男の甲斐性だから」など女性からすると耳をふさぎたくなるような浮気理由を掲げた人もいます。一方、女性側の「パートナーとの不仲」については「女性として扱われなくなったから」という理由が目立ちました。男性側にも「妻が女性でなく家族になってしまった」という回答がありました。
この結果から男女ともに「異性として見られる相手」「異性としてみてくれる人」を求める心が読み取れます。しかしながら、罪悪感の有無はともかく「浮気した原因は相手にもある」と身勝手な言い訳も混ざっています。
「浮気」の心理には「見栄」もある
男性の競争意識ですが、「同僚のあいつに不倫相手がいるんだから、オレだって!」という面に活かされることもよくあるケースです。そんなことより他のことで勝負してほしいと思いますが、男性の脳では仕事も異性も全く別物なのです。
女性は、「婚外恋愛」や「セカンドパートナー」などドラマや雑誌の流行ワードに乗りがちです。これだけの人が浮気をしているのだから、という理由は女性にとっては立派な理由なのです。
男性は「どれだけタフでパワフルか」、女性は「どれだけ愛されて・幸せか」を語り・競う傾向があります。
「浮気」をしない・させないために
私たちは人に囲まれて社会生活を送っています。社会生活には欠かせない金銭を得るために、働いています。社会とは、多くの制限によって成り立っています。
その社会の中で一個人が人としての箍(たが)が外れたような行動をした場合、その人は社会から排除されることになります。世の中には多くのタブーがありますが、異性問題もそのタブーの中の一つということを認識しましょう。
よく、浮気がバレて会社をクビになった、降格になったという話があります。異性関係がルーズな人に、大きな仕事を任せられるでしょうか?多額のお金を預けることが出来ますか?浮気というものは社会的に悪であり、個人の問題として片付けられるものではないのです。「浮気は社会的制裁を受けるものである」と認識しているか、あなたのパートナーの言動や行動をよく観察してみましょう。
浮気をさせない=束縛して相手の自由を奪うことではありません。異性関係いわば貞操観念の価値観をあなたと等しくしてもらうことが重要なのです。
浮気は交友関係にも現れます
同僚や男友達といるときの夫(彼氏)、女性同士でいるときの妻(彼女)の姿も知っておきましょう。異性に対する態度と同性に対する態度の違いでその人が見えてきます。時には、交友関係の中に、不倫推奨派がいる場合があります。
万が一そんな友達の存在を知ったときは「あんな人と会わないで!」と否定はせず「私はあの人とあまり合わない気がするのよね~」などとやんわり言って間接的にパートナーを制御してしまいましょう。
頭ごなしに否定されると、人は反発します。曖昧な否定のほうが相手の思考を誘導しやすいという心理効果を利用しましょう。
浮気を遠ざける方法
いつか自分も異性として見られなくなる日が来るのかな、と思うと心配になりますよね。
究極論になりますが、浮気心を遠ざける方法があります。個人的な感情を押し付けず、自分の恋愛系以外の価値観も相手に知っておいてもらうことです。行動や言動・思想・怒りの境界線などあなたの恋愛以外のことも知っておいてもらいましょう。
反対に相手のことも同じように恋愛感情以外の視線で理解をしましょう。恋愛感情が薄れたときに二人の間に残るのは「信頼関係」です。恋愛感情がなくても「私のことはこの人が一番良く知っている」「全てこの人に任せて大丈夫」という信頼関係で繋がっている関係は、何年たっても揺るぎません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「どこからが浮気?」浮気のボーダーラインについてでした。ボーダーラインは個人に差があり目では見えず、それぞれの価値観を歳月をかけてすり合わせることで初めて姿を現すのです。
この世に男女が生きている限り、永遠のテーマといってもいいような、この浮気のボーダーラインですが、絶対浮気をしないという人にはこんなラインは元から必要ありません。そもそも、「どうやって浮気のラインを切りぬけるか」考える以前に、本当に相手を大切に思う気持ちがあるのなら相手を悲しませるようなことはしないはずです。
広い世界で出会ったたった一人のパートナー。お互いを深く理解し、信じて思いやることができる。そんな関係でありたいですね。
関連記事として、
・マンネリ解消法とは?マンネリになりやすい状況やなりにくいカップルの特徴を知ろう!
これらの記事を読んでおきましょう。