母性本能をくすぐる男性は、「男らしい男性」よりもニッチな存在ですが、なぜかモテますよね。モテ男がちょっと頼りない感じがするのは、周りの女性に母性本能を抱かれやすいからでう。
女性というのは不思議な生き物で、男性に頼りたい生き物かと思えば、守ってあげたくなるような男性を求めるという別の一面ももっています。「守ってあげたい」という心理は「母性本能」と呼ばれていますが、母性本能はどうして起るのでしょう。
また、母性本能をくすぐる男性はどんな人でしょうか、そして恋愛に母性本能は必要なのでしょうか?今回は「母性本能」についてお話します。
女性が「母性本能をくすぐられた!」その瞬間
普段特別な感情をもっていない人の、ある場面を見てドキっとしたことはありませんか?そのドキっとした心の中に「母性本能」によるものがあるかもしれません!
普段クールな人の「幼い」ギャップ
普段とてもしっかりしているのに、ふとしたことがかわいく目に映ると母性本能がくすぐられます。ギャップは「ゲインロス効果」という長所と短所の差によって起こされる心理現象です。若手の女性社員が、なぜか年配の上司をやたらと「かわいい」と言っているのを不思議に思ったことはありませんか?
- 50代の男性が、ランチでハンバーグを注文したとき
- 仕事で使っているペンケースが、「ポケモン」だったとき
- 仕事ができる人がホワイトボードに描いた絵が、子どものように下手だったとき
- ビジネスマンの会話の内容が、お菓子やゲームのものだったとき
本人にとっては何の気もないことかもしれませんが、女子はこんなことで母性本能をくすぐられるのです。
オトナ男子の「子供っぽい行動」
大人の男性が、大人であることを忘れてしまったかのような行動や、ドジ・無邪気な笑顔に女性は母性本能をくすぐられます。
- デスクの引き出しの中に、お菓子のオマケを隠して溜め込んでいた
- ドアに頭をぶつけてマンガのようなたんこぶをつくっていた
- 上司に褒められて、ピースサインをしながら笑顔でデスクに戻ってきた
- 転んでひじを擦りむき、血がでていたとき
本人にとっては大変なことですが、こんなことも母性本能をくすぐってしまうようです。
素直な感情を見せられたとき
嬉しいときは嬉しい、悲しいときは悲しいと素直な表現を見せられたときにも母性本能が炸裂します。
- 仕事が成功し「嬉しいです」とニコニコして言われたとき
- 仕事がなかなか理解できなくて、目をウルウルさせていたとき
- 休憩がとれず、お腹の音が鳴って「お腹すいた」と言われたとき
- 理不尽な出来事に、周りの目も気にせず顔を真っ赤にして怒っていたとき
大人は喜怒哀楽を表すことを避けます。子どものように素直な気持ちや感情を表す無防備さに母性本能がくすぐられるのです。普段見ることのない涙にキュンとくるのも、その1つです。
後輩男子の不安がる姿を見たとき
後輩や年下男子に対して、先輩女子や年上女性は庇護欲と母性本能がくすぐられるようです。
- 1人暮らしをしている後輩男子が、風邪を引いたとき
- 難しい仕事を与えたら、「ここで見ていてください」と言われたとき
- クライアントからのクレームを受け「どうしましょう」と途方にくれて相談してきたとき
頼りないのは間違いないですが、本人が不安を感じている場合は母性本能の対象になります。
「見た目」で母性本能をくすぐる男子
- 技術系の専門職の人がベビーフェイスで「1人でちゃんとできるのかな」と思ったとき
- 1人暮らしの男性が着ているワイシャツが、アイロンの当て方が甘いとき
- 子犬や子猫のような小動物的ビジュアル
- 注意したとき、しょんぼりする姿
ベビーフェイス効果は絶大な影響力を持ちます。ベビーフェイスそのものというより、意外な大人の面に対して「すごいじゃないの!」と母性本能がくすぐられるのです。子犬や子猫のようなビジュアルも同じで、ベビーフェイスの上司の下で働く人はストレスが少ないといわれています。
その他“こんな○○な部分”にキュンとした!
- ぐったり疲れて居眠りしてる姿
- 疲れているけど頑張ろうとしている姿
- 不器用な姿 お菓子などの袋をうまく開けられない姿
- 無防備な姿 頭や背中をボリボリ掻いてる姿
- デート本番のときの緊張した姿
このような、ふとしたしぐさ、瞬間から1人の男性が恋愛対象になることがあります。単なる男友達の1人だった人の意外な一面をみて恋愛に発展するパターンは多くあります。
思っているよりも難しい「母性本能」
女性に甘えればモテる!思ってしまう人がいます。下手に「母性本能」をくすぐろうとすると逆効果になる場合があります。
母性本能は「衝動」で喚起される本能!
口説こうと思って、じわじわと追い詰めても母性本能は働きません。自分でも理解できないくらい突発的に引き起こされるのが本当の母性本能だからです。
泣いている赤ちゃんを見ていたら母乳が出るようになった女性や、捨てられていた子犬を後先考えず拾ってしまったというケースは立派な母性本能です。
母性本能の真実をあらわすエピソードですが、サル山に住むメスのサルが子どもを産みました。そばで別のメスが生んだ子ザルが、母親から見捨てられて震えています。そこへコザルをオモチャにしようと、一匹のオスザルが近寄ってきました。危険を感じたメスザルがした行為は「見捨てられた子ザルを、わが子と一緒に抱きかかえて逃げた」です。これが本当の「母性本能」です。
「君がいなければ僕は生きていけない」という言葉では母性本能は喚起されません。そんな言葉で喚起されるのは、勘違い男に対する「同情心」です。
狙って母性本能をくすぐることは不可能!
母親は赤ちゃんを育てます。赤ちゃんは確かにかわいいです。でもかわいいだけで育てあげることが出来るでしょうか?赤ちゃんが甘え上手だからでもありません。
赤ちゃんは自分を可愛く見せようとか、甘えたらお母さんが可愛がってくれるという感情はもっていません。今はお母さんの存在なしでは生きていけませんが、赤ちゃんは「早く言葉を覚えよう、早く大きくなろう」と一生懸命生きています。
そんな赤ちゃんだからお母さんは自分を犠牲にしてでも赤ちゃんを育てます。それも母性本能です。つまり駆け引き的に母性本能をくすぐることは不可能なのです。
前項で挙げた女性たちの意見からも分かるように、「無心」「無防備」でないと母性本能をくすぐることはできません。
母性本能は無心なものしかくすぐれない!
子犬や子猫は、自分がかわいいことを自覚していません。アクビするおじさんがかわいく見えるのも、おじさんが「かわいく見せよう」と思ってアクビをしていないから、かわいいのです。ラッコが貝を割る姿がかわいいのも、ラッコはかわいく見せるつもりで貝を割っていないからです。
子育てをしたことがある人には経験があると思いますが、赤ちゃんや1歳程度の子どもは「自分をかわいく見せよう」という考えがありません。ところがもう少し大きくなると、「こうしたらかわいい」という「かわいく見せる術」を知り、それを活用します。
こうなってくると途端に、なんだかかわいくないなあ・・・と親は感じます。甘えん坊キャラを演じ、ワザとかわいくみせようとしても、逆効果になることが多いので注意しましょう。
母性本能には「見捨てる」選択肢もある!
自分の身を削ってでも愛し、守ろうとするのが母性本能を思い込まれますが、実は「見捨てる」という本能も含まれています。わが子など愛する対象が複数存在する場合、「生き残れる方」を選択するのです。
1つのものをかばうことで、万が一自分が痛手を負ってしまったら、目の前の対象を守ることができません。そればかりか他の対象物にまで危険が及んでしまいます。このような場合、自分と他の対象を守るために、手がかかるものを「見捨てる」ことを選択します。
動物は一度に多くの子どもを産みます。一匹の子が他の動物に襲われたら最低限の抵抗を母親は見せますが、勝ち目がないと判断したら他の子たちを連れて逃げます。人間の場合でも同じで、「この人に関わっていたら自分まで不幸になる=関わらないでおこう」と判断することがあるのです。
間違って使われている「母性本能」
私の彼氏っていつもダメ男ばかり、と嘆く女性がいます。どうしていつもダメ男ばかりが寄ってくるのでしょうか?
母性本能を武器にする女の心理
「私って、母性本能強い性格だから、いつも世話を焼きすぎてフラれちゃうの」と言う女性がいます。“世話を焼きすぎる”のは母性本能ではありません。
失恋してしまう原因は、世話の度が過ぎているというより、相手の求める“ニーズ”に合っていないという特徴があります。 1人で生きていけないような人に育てても意味がありません。では、なぜ世話を焼きすぎてしまうのしょうか。
「ダメな男を愛することができる自分に酔っている」からです。ダメな男を世話している自分が好きなだけです。 いつもダメ男が寄ってくるのは、自分が求める異性のタイプが「世話をさせてくれそうな男性」で、自らそんな男性を選んでいるのです。
女子力=母性本能ではない
女性ならではの行動力を女子力というので、女子力の根源は母性本能だと思われてしまいがちですが、実はまったくの別物です。
女子力は、自分を幸せにする目的のミュニケーションスキルの1つです。自分を幸せにするために、飽きない会話のスキルやデートのスキル、ファッションセンスの向上や資格の取得など、いろいろな方法で自分を磨きます。
男性からすれば、他人の目を気にしすぎる不思議な女性心理ですが、「自分を大切にしなければ他人を幸せにすることはできない」という考えから成り立っているのが女子力なのです。
対して母性本能は、自分より弱い他者に向けられるもので女子力とは全く性質が異なるのです。
まとめ
「うちの奥さんは母性本能が強いから、仕事から帰っても食事や掃除をこなす」と自慢する男性がいます。母性本能に、家事を完璧にこなす作用はありません。仕事で家事に穴を開けてはならないという古い価値感・使命感が働いているのです。
独身女性に対し「自分磨きばかりしているから結婚できないのだ。君には母性本能ってものがないのか?」とイヤミを言う男性もいます。このように、実際の母性本能を正しく理解している男性はまだまだ少ないです。逆にこのような「母性本能がない女はダメだ」という言葉に左右される女性は少なくありません。
「自分より弱い者に対して起きる”突発的な衝動”が母性本能である」、これがもっと知られてほしいですね。
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