日報と言えばビジネスマンには欠かせない業務内容や1日の行動を記録した大切な備忘録となります。また、上司からすればあなたがどれだけのことを行い、どれだけの成果を得たのかを確認し、それに助言しなければならない大切な報告書でもあります。
長々と書く必要はありませんが、どんな内容でまとめるのがいいのか、ということを日報のコツとしてお教えします。きっとこれであなたにも書きやすい日報が作れるはずです。
日報を書く意味
日報は無くてはならないものということはわかってはいますが、実際にどう扱われてどんな意味を為しているのか、それを紐解きながら必要性までを書いていきます。
上司への報告書
日報は新入社員や営業マンには無くてはならない報告書です。会社に属している人には日報を書くという作業を経験してきた人は多くいると思いますが、大方上司への報告書として位置づけられています。
1日の時系列に基づいて書く場合もあれば、動いた内容を記してそれについての成果や気づき、問題点などを付け加えている簡潔なものもあります。それを上司が確認の上、次はこうしたらいいのでは、という提案を部下にしていくための大切なビジネス文書となっています。
自分の行動がどうだったかを確認するため
ほとんどの検索をかけてみると、おおよそは上司への報告書であり上司からのフィードバックのための文書であるということが書かれてあります。
でも、一方で自分が一日どう業務をこなしてどんな成果で疑問はあったのか、などを見返すという大事な備忘録でもあります。
もちろん、自分で手帳やToDoリストに書き込んでいけば把握できることもあるでしょう。
でも会社へ提出するという意味で、自分がこれからこの件に関してどう向き合っていくかという意気込みを上司に訴えかける癖ができるという意味合いにもなります。
日報にどういうことを書けばいいのか
日報のテンプレートは会社で指定されているところもあれば、自分で一から書く会社もありますね。指定されていればそれに準じて記入することが可能ですが、そうでない場合はどういう内容を書けばいいのでしょうか?
タイムスケジュールで書き込む場合
タイムスケジュールの場合は、出社してからがスタートの場合が多いです。
行動報告書ということで、1日効率よく動けたかどうかを見る場合に役に立ちます。自分で書き込むときは時系列で出社からスタートし、退社までを記入してから罫線を入れその下から業務内容についてを記入するようにすれば見やすいでしょう。
1日の業務内容のみを書く場合
タイムスケジュールで書かない場合は、作業を開始した時間などを書き込んで、それについての内容を箇条書きで書くようにしましょう。
その際にこれをしました、あれをしました、という事後報告のみにならないように1日の仕事で気づいたこと、学んだこと、問題点を書きとめるようにしましょう。
日報を書くときに慌てないようにするには、自分の手帳にもどこでどんな業務をして、こんな結果になったことを書きとめておくといいですね。
よく手帳というと予定を書き込むことはしますが、実際に行ったことを書いておくと後で読み返したときに自分のプラスになっていることが多くあります。
ToDoリストや予定表の転記
ビジネスマンになると、日々しなければいけないことが多すぎてまとまらないことがたくさんあります。頭でなかなか整理できなくなると困りますので、とにかく転記するツールを用意しておきましょう。
そうやって自分でも整理しておくと、日報に記入するときにToDoリストから転記してから書き始めると時系列で業務内容も書きやすくなると思いますよ。
業務内容の内訳は
日報に書く内容で中心となるのは業務内容になります。業務内容を日報に書き入れる際に気を付けたいことなどを述べていきましょう。
箇条書きにする
日報は報告書とはいえ、ダラダラとした文章になってしまうと簡潔にはまとめられません。ポイントは箇条書きにすること。書き方は、
*【どこで】
【どれぐらいの時間かかって】
【どんな作業をしたか】
一連の作業を1日の時系列で書き込み、その作業を行ったことで起こった問題点・成果・課題を下段に記入していく。
そうして書くことで自分も上司も見やすく、どこに着目すればいいのかが分かります。
PDCAサイクルで書く癖を
PDCAというのをご存知でしょうか?
P(PLAN)、D(DO)、C(CHECK)、A(ACTION)の略で仕事の効率性を高めるための基本動作と言われています。Pは目標ですが、ただ立てるのではなくそれをどうDO(実行)に持っていくかを計画する意味合いがあります。Dは目標を実行するにあたって具体的に組織やチームでの行動を意味します。Cはその名の通り目標を立て実行している事案のチェックをします。Aのアクションは実行しチェックすることで目標を達成するまでに修正するなどの作業を意味します。
スムーズに目標を達成するというのは容易くはありません。そのためにPDCAを用いることが大事なのです。
上司からフィードバックされる日報とは
日報は上司に提出されそのままで終わる文書ではありません。組織社会である以上はその日報一つで得意先への働きかけが変わる場合もあります。その日報が効率よく使用されるためにどう工夫すればよいのでしょうか。
数値化記号化して明確に
日報を書く意味は上司への報告書という位置づけですが、それは部下に的確にアドバイスをし効率よく仕事が進むためのもの、しいてはチーム、組織、会社の営業利益につながる働きをするために、いかにして取り組むかを共有するためのものです。
そのためには日報も誰が見てもわかりやすくなければなりません。先ほどPDCAの話を書きましたが、PLAN(目標)は数値化して明らかにすることが大事です。そして目標までにあとどれぐらい何パーセントやりきるべきかを具体的に示すのも数値化、記号化したほうが他のメンバーもわかりやすいかと思います。
数値化するというのは、どれぐらい進んでいるのかという進捗率を表し、日報を書く本人が今日一日の業務を終えて次にどう進めばいいのかを、わかりやすく説明できる内容となりうるものです。
自己分析、感想文はタブー
日報を書く上で気を付けなければいけないのは、書く本人の自己分析になってはいけないということです。
自分個人ができなかったことを反省したり、自分個人が頑張ったことを述べるのではなく、その業務を行ったことによって組織やチームにどう影響があるのかを俯瞰しながら書くようにすることが大事です。
また、よくありがちなのは感想文になってしまうこと。こう思いました、などで終わるような報告書を会社が求めているのではありません。
具体的にそうなったことの考察から、次にどうすれば目標に到達する業務ができるかというところもまで自分で描いて実行に移す準備をするというのが日報を書くということです。
決して自分だけの自己満足にならないようにしましょう。
懸案事項は一番わかりやすく
成果が上がったことはもちろん日報に書くべきですが、問題は次への課題となる懸案事項です。例えば得意先への商談で他社に負けている部分があれば、それについての問題点を洗い出さなければ商談はいつまでも成立しなくなります。
得意先へ出向いて直に先様の反応を見ているのでしたら、どんな反応だったのかなども書き出してみるのもいいでしょう。日報でも営業マンが書く営業日報にはそういった書き方もあります。
会社は個人で動くのではなく、全ての部署が一体となって初めて営業利益が生まれるものです。誰が見てもわかりやすい日報にすることが上司からのフィードバックを得られやすい日報といえるのではないでしょうか。
日報があなたの社内の信頼度を左右する
日報から得られる情報で、上司から具体的なアドバイスをもらい目標達成に至るプロセスまでをチームで取り組んでいく。
それはプロジェクト達成だけではなく、あなた自身の社内の信頼度にも値します。
日報ごときが、と思っている上司は部下を自分以上に育てることができませんが、日報一つとっても会社にとって大事なものと目を通す上司は必ず部下を成長させられる人でしょう。
部下を成長させられる上司のもとにいるのなら、日報であなたの見方がわかるかもしれません。
日報が明日のあなたの業務、もしくはプロジェクトを任されるきっかけになることもあります。自分で顧みる、無駄はないか、もう少し工夫できないかと日々考えるうえで非常に頼もしい文書であることは間違いないのです。
まとめ
日報のコツ、いかがでしたか?
会社会社で書き方などもあるかと思いますので、まずは上司にどう書けばいいのかを指示を仰いでみましょう。具体的に言われた内容で十分業務内容まで書けそうならそのままならって書くのが良いですし、適当にまとめるようにと言われれば、上記の内容を踏まえたうえで書き出してみましょう。
どの部署にいるかでも大きく変わってくるかと思いますので、PDCAサイクルとToDoリストから1日の流れを見ながら仕上げていきましょう。
日報は仕事の流れを知る上でも大切であり、自分の1日1日を可視化して効率よく作業する訓練でもあります。特に新入社員の間はなんでも書き留めておいてそれを見やすくまとめられるというのは、簡潔にわかりやすくまとめるという意味で得意先相手のプレゼンなどでも大活躍します。
慣れない作業の合間なので、最初は時間がかかってしまいますが癖付けをするといい部分悪い部分が明確になってきます。
会社という組織にいる以上は自分以外の人と共有するということがカギとなります。
明確で誰が見てもわかる日報が書けるようあなたも挑戦してみましょう。