主に恋人同士において、相手がヤキモチを妬いた場合に、どうしてそのような心理状態なのかと不思議に思う事があるでしょう。ご自身がヤキモチを妬かないタイプの場合は尚更理解しがたい事なのではないでしょうか。
しかしヤキモチを妬く側にも、ヤキモチを妬く事で表現したい主張があり、それに対して適切に対処すればトラブルを軽減させる事も出来るようです。この記事ではヤキモチを妬く人の心理状態から、その解決策について御説明いたします。
そもそも、ヤキモチという言葉の意味は?
ヤキモチとは、嫉妬することを「妬く」という表現をするところに、語呂合わせで人を笑わせるために「餅」を付け加えたのが始まりだと言われています。
嫉妬というのは、そもそもネガティブな面で使用される事が多く、相手とは釣り合わないという喪失感・自分ではどうにもできないという無力感・怒り・恨みなどが混合した感情であり、人間関係において使用される用語です。生後5ヶ月の乳児や動物などの生き物にも存在する感情なため、決して珍しい感情ではないのです。
他説によると、妬く+気持ちが合わさり焼きもちとなった説や、嫉妬した時の膨れた表情が、お餅を焼いた時の膨れる様子に似ているという説などもあるようです。後から付け加えられた説とも言われていますが、ヤキモチという言葉の意味としてはイメージが湧きやすい表現だと言えそうです。
何故、ヤキモチを妬いてしまうのか?
人はどうしてこのようなヤキモチの感情を抱いてしまうのでしょうか?まずはヤキモチを妬いてしまう方の特徴について、どのような傾向があるのかを御紹介いたします。
自分に自信がないから
上記、ヤキモチの語源にもあったように、相手は自分に釣り合わない、自分にはこの関係性をどうにもできないという感情をヤキモチと置き換える事が出来ます。ご自身の外見や性格などを考えて、相手の異性が自分に飽きてしまったのではないか?嫌われてしまったのではないか?と自己判断し、卑屈に感じてしまう傾向があるようです。
本来、ご自身に確固たる自信を持てる部分がある方ならば、このような事象には陥りにくいと言われていますが、相手が自分から離れていく事を恐れてこのような感情を持ってしまう場合が非常に多いそうです。幼少の頃の体験がトラウマになって、ご自身を卑下してしまう場合も考えられます。
理想としている目標点を高く設定しているため
自分でクリア出来なさそうな高い目標を掲げるタイプの場合、それを達成されない事が多いため、逆に自分は出来ない人間だと勘違いして、ヤキモチを妬いてしまう傾向にあるようです。男女間の関係性にしても、相手と毎日連絡を取りたい、毎日会いたい、毎日電話をしたい…など個々で理想はありますが、相手に過剰な期待をしすぎると、自分の理想通りに動いてくれない相手に対してヤキモチを感じてしまいます。
こういったタイプの場合には、世の中にはさまざまなタイプの人間が居る事を認識した上で、ある程度相手の理想も受け止め、期待し過ぎないようにする事で、ヤキモチを妬く事を解消出来る傾向にあるでしょう。
有りもしない事を妄想しすぎている傾向にあるため
実際にはそんな風には思っていないのに、自分の都合の悪い方にばかり妄想してしまい、第三者に対して、怒り・恨みなどを感じてしまう方がたまにいらっしゃいます。
男性より、女性の方が想像力が豊かな傾向にあるため、そういった傾向に陥りやすく、起きているか分からない事を「もしかしたら…」と疑ってしまう事が多いです。実際に相手の口から発せられた一言でない限り、ご自身で過度な妄想をするのは辞め、はっきりと事実が発覚した時点で対処法を考えましょう。
相手の置かれている状況が、把握しきれていないため
お互いがしっかりコミュニケーションを取り、状況を把握しきれている状況ならば、通常の日常生活においても比較的にトラブルになる事は少ないでしょう。
男女間の関係においても状況把握が大切で、今相手が何をしているのか?連絡のとれない状況なのか?とある程度把握出来ている状況であれば「今は仕事中だから連絡が取れないんだ…」とか「今日は友人と会っているから返事が返ってこないんだ…」と判断出来、ヤキモチに繋がる事は少ないと言えます。何から何まで把握し合っている必要はありませんが、ある程度のスケジュールを確認しておくと、不安回避に繋がります。
相手の事を愛し過ぎているが故に、独占欲が強いため
意中の相手には自分だけを見ていて欲しい、という独占欲が強いタイプの方はヤキモチを妬きやすい傾向にあります。もはや好きな異性が自分以外の誰と話をしていてもイライラしてしまうため、相手への執着心が異常に強すぎるとも捉える事が出来ます。
こういったタイプの場合には、恋愛に没頭してしまい他の事に手が付かなくなる傾向にあるため、少しでも他の趣味や友人との時間などに目を向けて生活するといった努力をする事で、多少たりとも改善出来る場合が多いそうです。相手を愛している故の行動なのは分かりますが、あまり過度な独占欲を相手に押し付けると、重く感じられてしまう可能性もありますので注意が必要です。
ヤキモチを妬いてしまう方のための克服法
ついついヤキモチを妬いてしまう事が多い方にとっては、ヤキモチを妬いてしまう人の特徴として、当てはまるものが有ったのではないでしょうか?ただ、ヤキモチを妬いてしまう方も自分の感情がそうさせているのであって、ヤキモチを妬きたくて妬いている訳ではないのです。
次に、ヤキモチを妬いてしまう方が、少しでもそれを軽減させられるのではないか?という克服法について御紹介していきます。
自分磨きに励む
自分に自信持てない方については、自分の容姿・内面共に変われるように自分磨きをするのはいかがでしょうか。元々存在するものを変えようとするのではなく、今ある自分をなるべく良く見せるように努力するのです。
人と比較しての自分の位置を見るのではなく、自分の中でどのくらい成長が見られたかと判断するように捉えると良いです。何より、変わろうと努力する姿はとても前向きなので、そのポジティブな気持ちを維持して行く事で良い方向に進む事も多いでしょう。
短所を直そうとするよりも、長所を伸ばす事に力をそそぐ
人には誰にでも長所と短所があります。短所はなかなか直すのが難しく、努力しても改善出来ない場合もあるでしょう。そこでまず最初に考える事は、短所に隠れている長所の一面を探すという点です。例えば物事には一見短所にしか見えない事でも、長所と捉えられる側面があります。動作が遅い…というのはマイペースに置き換える事が出来ますし、せっかち…というのはてきぱきと行動できると置き換える事が出来るのです。
それでも直せない短所の場合は、短所を直す事は諦めて、長所を伸ばす事に時間を使った方が良いです。誰にでも欠点があるという事を忘れずに、自分らしく生きれるように工夫した方が、喪失感に悩む事も少なくなるでしょう。
考える間もなく忙しく働く
ヤキモチを感じているという事は、それを考えている時間的余裕があるために、ついつい余計な事を考えてしまった結果だと言えます。そのため、それを考えている余裕もないくらい何かに熱中して一生懸命働くと良いでしょう。
意中の異性と会う時は会う、仕事する時は仕事をする、趣味の活動に参加する時は参加する…とけじめをつけて、充実した毎日を送る事は、自分磨きにも繋がります。活動的にさまざまな方と交流を持つことにより、新しい知識が増える事も事実であり、それによって自分自身がもっと輝いた人間になれるのではないでしょうか。
相手とコミュニケーションをとっておく
対象となる相手の方と前もってコミュニケーションを取り、されて嫌な事などを確認しておくと良いでしょう。前もって相手の予定が把握出来る状態ならば、ある程度の予定を把握しておくことで自らの不安軽減には繋がります。
しかし、こういったスケジュールなどをあまり伝えたくないという相手である場合も考えられますので、様子を見る必要があります。人は皆違う人間であるため、価値観についても十人十色いろいろな方がいます。その価値観をお互いが押し付けるのではなく、歩み寄れる範囲で歩み寄って、お互いを悲しませないよう話し合うのが大切な事だと言えるでしょう。
ヤキモチは男女で成す意味が異なる?
男性でも女性でもヤキモチは妬くのですが、その厳密な意味の根底にあるものは、男女では異なっていると言われています。
男性は「順位制」によりヤキモチを感じる
男性の場合は、自分より優れている男性に向けてヤキモチを妬く傾向にあります。「女性に対して妬くヤキモチではないの?」と思うかもしれませんが、厳密には女性と仲良くする男性だとか同性同士に対するヤキモチが多いそうです。
男性は一見態度には現さないまでも、容姿や性格だけではなく、仕事・運動神経・社会的地位などさまざまな分野で、他の男性と競い合っています。そして、どうにか自分の方が優れたものでありたいという心情により、相手を引きずり降ろそうとする傾向にすら発展する場合もあるそうです。それでも勝てない場合は勝てないのですが、素直に認められない事が多いのです。
女性は「縄張り」によりヤキモチを感じる
女性の場合は、結婚して子供を育て家庭を守りますが、これは決して一人の力で出来る事ではありません。男性が外に出て仕事をしている間は、男性の帰りを待っている状態になります。
女性は男性に早く家に帰ってきて貰いたい、家に帰って来てくれないと家庭を維持できない…こういった不安を抱えて、家庭の中で動けないイライラも抱えながら生活しているのです。そのため「この縄張りに早く戻ってきてほしい。独占したい。」という意味で、男性に対してヤキモチを感じる傾向にあるようです。
まとめ
ヤキモチは決して妬きたくて妬いている訳ではなく、愛情表現の表れでもある…と捉える事が出来ますが、過度なヤキモチは相手を傷つけたり、相手の気持ちが離れていく原因にもなりかねません。
そのためにも、普段からヤキモチを妬きやすいと感じる方々は、それの程度が過剰にならないよう、注意して生活するよう心がけた方が良さそうです。