家族や身内に不幸があったときの忌引き。会社関係の休暇でも忌引きにおける休暇は、会社に勤める人なら必ず一度は取る必要の出てくる特別休暇です。
忌引きとはいったいどのことを言うのか、休暇をもらえる日数はどのくらいなのか、また申請はどんな手順で行うのかをまとめてみました。しっかりプロセスを踏み、会社にもスムーズに対応してもらえるように重要なポイントもおさえています。
忌引きとは
【忌引】と書かれた紙が家の玄関などにも貼られているのを見たことはありますか?忌引き休暇と聞くことはありますが、そもそも忌引きとはどういう意味なのでしょうか?
親族の不幸で会社、学校などを休む
忌引きとは本来なら会社や学校に行ける状態だけれど、親族の不幸で会社や学校を休むことをいいます。公休にはならないまでも申請や連絡をきちんと段階を踏むことで一般の欠勤や欠席にはならないようになっています。
一度は経験したことがあるかもしれないですね。
親近者が亡くなり喪に服す
忌引き自体が親族に不幸があり喪に服す、という意味が含まれており、忌引きの休暇というとそれだけで喪に服すための休暇という意味合いがあります。喪に服す期間というのは一般的なものとして目安は決められています。
果たしてそれが自分に合っているかどうか、というのは次の忌引きの日数のところでお話ししますが会社によって多少の違いはありますのであくまでも平均的な、という意味で読んでいただけたらと思います。
お通夜、葬儀への参列
喪に服す忌引きという意味、そこにはお通夜・葬儀への参列・納骨・納骨後に初七日をする場合の法要等、一通りの葬儀の流れが終わるまでの一連の動作も含まれており、親族身内の葬儀一式の準備、段取りを手伝う期間でもあります。
ですが、会社によっては日数にもばらつきがあり会社に相談してみるのがいいのかもしれません。忌引きと一言で言っても受け取り方は会社でも個人でもばらつきがあります。
忌引きの休暇が取れる日数とは
親族が亡くなった場合の忌引きの日数はどれぐらいなのでしょうか?あくまでも平均的な日数であり、決められたものではありませんが参考にしていただけたらと思います。
血縁関係によっての差
忌引きの日数は基本、血縁関係によって差があります。会社によっても就業規定に記載されている場合もありますのでそちらが優先になります。以下にまとめてみます。
- 配偶者・・・10日
- 父母・・・・7日
- 子・・・・・5日
- 兄弟姉妹・・3日
- 祖父母・・・3日
- 叔父叔母・・1日
- 義父義母・・3日
- 配偶者の祖父母・・1日
- 配偶者の兄弟・・・1日
忌引きによる休暇は以上のような日数になりますが、例えば斎場が遠方で往復に時間がかかってしまう場合は、会社との相談になるかと思います。
会社に誰の忌引きか報告した方が良い?
これについては以下の見出しでもお話ししますが、親族といっても関係性の深さは様々で、忌引きの日数が関係してくることから、報告はした方がいいかと思います。
もし父母などでしたら会社からの弔電等が届く場合もあるので、一通り忌引きの連絡をする際に一言加えておきましょう。
忌引きの連絡の仕方
親族が亡くなった時の連絡方法。前もってのことではないので急なことで慌ててしまうこともあるかと思います。特に親族でも父母であったり配偶者だと自分自身が動かなくてはいけないことが多くあります。そんな時のためにぜひ知っておきましょう。
電話か直接連絡できるのがベスト
忌引きの連絡は、出来れば声で伝えるのがいいかと思います。突然のことで会社に出向くなんてできないという時は電話で一報入れるようにしましょう。
その際は、【誰が亡くなって】【お通夜と葬儀の日程】【場所】【忌引き休暇の日数】をちゃんと伝えましょう。今自分がいる場所これから連絡が取れにくくなる等も付け加えて送りましょう。
次に具体的に文書で作成する場合の項目をまとめてみます。
申請する場合の文章例
この文章例はあくまで目安になっていますが、会社で独自に作成している場合もありますので全く初めての場合は上司に確認してみましょう。
書く内容は、
忌引き休暇を申請する者の氏名(部課まで記載)
休暇期間平成〇○年〇月〇日~平成〇○年〇月〇日
故人の氏名(享年〇歳)続柄( )
通夜・葬儀の日程
連絡先
以上が基本の項目になります。ここに上司に対する『お疲れ様です』等の挨拶文を付け加えてみるといいでしょう。
注意すべき点
忌引きで休暇を取る場合、会社関係でやっておかなければいけないことがあります。イレギュラーで起こる親族の不幸の中ですが、前もって知っておくと慌てずに対応できます。
引き継ぎの連絡を
忌引きで急に仕事を休まないといけない場合、残した業務がそのままになっていたりします。特に得意先や取引先とのやり取りなどは、忌引きで休むことなど関係なく時間は進んでしまうので、ぜひ引き継ぎはやっておきたいものです。
電話でのやり取り、メール文書でのやり取りなど忙しくてそれどころではないかと思いますが、いざ次に出社した時に後手後手に回っていかないよう、出来るだけ引き継ぎの手は打っておきましょう。
事前に携帯電話の番号はもちろん、メールアドレス等のやり取りもしておくといざという時も連絡を取り合うことは可能でしょう。
通夜・葬儀の詳細は上司に連絡
通夜・葬儀の日時、場所などはあらかじめ上司に連絡しておきましょう。この場合は口頭ではなく文字で残るメールなどが最適です。
なぜ、送るかというと会社によっては社員の親族の葬儀でも弔電や香典を送る規定となっているところもあるからです。いきなり会社からの弔電が来ていたと知るとびっくりするかもしれませんし、そのお返しをどうすればいいのか、という詳細は次に述べていきます。
会社からの弔電・香典のお返しには?
親族の葬儀に自分の会社の弔電・香典が届いた場合、お返しはどうすればいいのでしょうか?これも様々な考え、答えがありますがあくまでも一般的なものということで言いますと、弔電に関して言えば上司に一言挨拶をし、香典に関しては会社名で頂いたのであれば、あらかじめ慶弔費ということで計上するという決まりになっているところが多いので、香典返しは不要です。
個人名になっている場合は通例通りお礼状を添えてのお返しはすべきですが、連名になっている場合はお菓子やコーヒーなど皆で召し上がってもらうようなお返しが望ましいとされています。お返しが華美になってしまうとかえって恐縮されてしまう場合もあるからです。
その際、お礼状などがあるといいかもしれません。
会社に確認すべきこと
忌引き休暇を会社に申請するにあたって、会社に確認しなければいけないことがあります。すべきことと、してはいけないこと、それらのポイントをまとめてみました。
忌引きは有給となるのか
忌引きは特別休暇となっており、有給休暇とは違ってきます。
有給休暇は労働基準法で決められた休暇になっていますが、忌引きの場合は法律での決まりはありません。会社が就業規定で決めることが出来る休暇となっており今現在無給になっているところが多いのが現状です。
そして、忌引き休暇自体を取れない企業もあります。そういう場合は欠勤扱いとなりますので当然減給あつかいとなります。
会社の規定を確認してみるといいかと思います。
有給休暇としてもいいのでしょうか
忌引きでの休暇を有給休暇で消化することは可能かとは思います。ただ、いざという時に有給の日数が足りなくて、という恐れもあるので申請する場合は今一度確認しましょう。
会社によって忌引き休暇を認めていない場合もありますし、その場合は有給休暇を使えば欠勤扱いにはなりませんしそういう消化の仕方もあるということだけ覚えておきましょう。
忌引き特別休暇の偽装
忌引き休暇を偽装して申請する、要するにずる休みをするのに特別休暇を取得しようということですが、法律には規定はないものの会社によって懲戒免職処分になって会社を追われることもあります。それについては就業規則に記載されていると思いますので確認しましょう。
忌引き休暇自体が欠勤扱いにならず、減給にならない会社や役所関係ではよく聞く話ではあります。そのしわ寄せで忌引き休暇の申請が横行しているところもあります。
以前ある役場で何人もの親戚の不幸で忌引き休暇を申請していた人が懲戒免職となっていましたが、偽装しての特別休暇の申請は良くありません。きちんと事実に則った休暇を得るようにしましょう。
参考サイト:忌引き休暇で会社を休める一般的な日数とメール例文
まとめ
忌引き休暇についての日数、申請の方法はいかがでしたか?有給休暇と違って法律で縛りが無い分会社の方針に従わざるを得ない忌引きの申請ですが、言い換えれば申請するこちら側からの相談によっては幅があるということです。
日数もあくまで目安であって、多少の開きはあるかもしれません。ただ、会社の方針はこうだけれど上司からの許可が下りなかったりする場合もあるそうです。
そこは上司との関係でもありますが、就業規則がしっかりしている会社ならそれを盾に休みが取れる方針で規定されていると思いますので、きちんと話をしてみましょう。
ただ、引き継ぎ事項がある場合は合間の時間で連絡を取り合うことが望ましく、場所や日時などの連絡だけはきっちりしておきましょう。
大変な中ですが、葬儀が終わるまでと終わった後がスムーズにいくかどうか慌てることが無いようにあらかじめシミュレーションしておくといいかもしれないですね。