ボーナスの時期はいつ?夏季と冬季の目安は?支給額や手取りの計算方法について知ろう!

お金と女の子

正規雇用の従業員であれば一般的に夏と冬に支給される嬉しい「ボーナス」(賞与)。自分自身が喜ばしいのはもちろん、家族がいる人であれば配偶者もウキウキすることは間違いないでしょう。

使い道は人それぞれであり、業績によっては大きく変動することも有り得るためハラハラすることもある、社会人にとって大きなイベントの一つとなっているボーナス支給ですが、支給される時期や平均額は一般的にどうなっているのでしょうか。

クレジットやローンなどを組んでいる人は「ボーナス払い」という返済方法もあるため、ボーナスの支給日やおおよその支給額などは把握しておいた方が良いと言えます。

そこで今回は、ボーナスに関する基本的知識について解説していきたいと思います。

ボーナス(賞与)とは

札束

定められた給与支給日に支払われるものとは別に支給される給与、それがボーナスです。

毎年6~7月あたりと12月の2回支給されることが多いため、よく「夏のボーナス」や「冬のボーナス」といった表現をされます。しかし企業によっては異なるところもあり、そもそもボーナスがない企業や、年に1回のみ、年に3回支給としている場合もあります。

歴史と由来

日本の歴史上では、江戸時代に商人がお盆と年末に奉公人に着物を与えるという習慣があり、「仕着」(お仕着せ)と呼ばれていたのですが、これがボーナスの由来といわれています。

現代における欧米的なボーナスの最古の記録は1876年(明治9年)の三菱商会の例で、船舶ビジネスを手掛けていた三菱商会が、社員を労うために与えたそうです。この制度は1888年頃から他の企業にも広まっていったようで、まさに日本におけるボーナス制度の先駆けとも言えるでしょう。

計算方法

ボーナスの支給額の計算方法は、“基本給×何か月”というものが基本となっています。これは固定されている方式です。

しかし、企業としての目標の達成や業績の具合によってボーナスの支給額が増えたり、逆に業績が悪い時は少なくなったり無くなったりしてしまう場合もあります。また、社員個人の業務成績に応じて支給額が変動するという方法を取っている企業もあるようです。

支給要件

各企業の就業規定などにて定められていますが、通常、ボーナスの支給期間である6か月間勤務を継続していて、賞与支給日にも同企業に在籍していることが要件の一つとなっています。

よって、中途採用や退職をした場合にはこの要件を満たせず、最初のボーナスや最後のボーナスが支給されないということがあります。そのため、退職日をボーナスの支給直後に調整したりするパターンがよくあります。

公務員の場合

公務員のボーナスは「期末手当」および「勤勉手当」という2つの手当を合算したものになっています。期末手当とは、いわゆる一般企業と同様に定率で計算されるものであり、勤勉手当は、個人の成績への評価によって額が決まるものです。

国家公務員のボーナスについては法律、地方公務員の場合は条例でそれぞれ決められています。

ボーナスの支給日

カレンダー

それでは、ボーナスの支給日はそれぞれいつになるのか確認していきましょう。民間企業と公務員ごとに説明していきます。

一般企業のおおよその支給月については先述しましたが、より具体的な時期と、あまり一般的には知られていないことが多い公務員の支給日についても紹介しましょう。

民間企業(夏)

民間企業の場合、夏のボーナスは7月上旬頃としていることが多く、企業側の都合により7月10日前後の金曜日としているところが多々あるようです。

ただし企業によりバラつきがあり、早いところでは6月中旬、遅いところでは7月中旬という場合もあります。これは、給料の支給における体制上の兼ね合いによるもので、〆日と毎月の給料支給日や、そこからのボーナス計算期間などの関係で、かなりバラつきが出るようです。

民間企業(冬)

一般的には、12月の5日、10日、25日頃としている企業が多いようですが、これもやはりバラつきがあります。

企業の規模や通常の給料日などとの関係によって異なりますが、大企業であれば12月10日、中小企業の場合はもっと遅くなり下旬になるところもあるようです。

公務員

国家公務員のボーナス支給日は、夏が6月30日、冬は12月10日となっています。

公務員の場合は法律や条例で定められているため、民間企業と違ってバラつきは基本的にありません。地方公務員における条例も国家公務員の法律に合わせたり、近い日を設定していることが多いため、「バラつき」というほどのものではないでしょう。

ボーナスの支給額

お金と成功

民間企業と公務員それぞれのボーナス支給時期を確認したところで、今度は支給額についても見ていきましょう。

「公務員はボーナスも多い」というイメージを持っている人もたくさんいると思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。

民間企業の平均額

民間企業のボーナス支給額の平均は、ズバリ「約37万円」となっています。
(※三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)

これはあくまでも「ボーナスを支給された人」の平均額であり、当然ながらボーナスがない人は含んでいません。

しかし従業員5000人以上の大企業だけで見ると、その平均は約71万となっているようで、中小企業との開きもかなりあるということが分かるでしょう。

なお、東京都内の企業だけに絞った平均30代後半を対象とした調査では、大企業・中小企業ともに「約80万円」というデータもあるため、ここで紹介した平均額はあくまでも「参考」としておいてください。

公務員の平均額

年齢や時期にもよりますが、公務員全体のボーナス支給額の平均は、「約60万円」となっているようです。ただし、管理職であれば1~2割の増があるため、これを加味すると平均額はもっと多いと考えられます。

これらのことから、やはり一般的には民間企業よりも公務員の方がボーナスも高いイメージがあるでしょう。民間企業の場合は規模や成績などによってかなりの差が出ますが、そういった面から見ても、公務員は安定していると言えます。

手取り額の計算

計算機

ボーナスの使い道ですが、「貯金」を筆頭に、ローンの返済、株など金融商品の購入、旅費や子供の教育費など、様々です。若い時はやはり旅費など遊び代に使ってしまいがちですが、家庭を持つようになると堅実的になっていく傾向にあるようです。

先述した通り、ボーナスの平均額は民間企業でも約37万円と、差はあれど「大金」であることに間違いはありません。しかし、実際の「手取り額」ではないことに留意しておく必要があります。
ご察しの通り、普段の給料だけでなくボーナスにもまた各種税金関係がかかってくるのです。もちろん、それは所得税だけではありません。そこで、ボーナスから天引きされる項目や、かかる所得税の計算方法についても紹介しておきましょう。

天引きされる項目

いざボーナスの支給日が来て喜んだのも束の間…。明細書や銀行への振込額を実際に確認して「あれ?これだけ??」といった印象を受けたことはありませんか?

実はボーナスからもしっかりと、雇用保険、健康保険、厚生年金などの社会保険料(※40歳以上は介護保険料も)や所得税が天引きされることになっています。これは法令で定められていることですので、企業によってではなく、どこでも同じように控除される仕組みなのです。なお、住民税は通常の給料からだけ控除されるものなので、ボーナスからは引かれません。

所得税

社会保険料は企業によっても異なってくるため割愛しますが、ここでは所得税の計算方法について説明します。実際は明細書に「所得税」として明記されていますが、その算出方法を知っておきましょう。

まずは、ボーナスの「総支給額」から前述の社会保険料を差し引きます。その額に対して所得税がかかることになります。

◆前月の給料を確認

ボーナスの支給月の前月の給料から、社会保険料を差し引きます。

◆扶養親族の人数を確認

続いて、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にて扶養親族の人数を確認します。

◆所得税率を計算

国税庁の「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を参照し、あらかじめ確認した前月の給料から社会保険料を差し引いた額と扶養親族の人数をもとにボーナスにかかる税率を計算します。
その後、社会保険料を差し引いたボーナスの額に所得税率をかけることで、所得税の金額が計算できます。ボーナスの所得税率は、通常の給料よりも高く設定されていますが、年末調整によって精算されます。

ボーナス支給月の前々月の残業に注意

仮に7月がボーナスの支給月だとした場合は、6月の給料、つまり5月の残業代によって税率が変わる可能性があります。

例えば扶養家族がいなかったとして、6月の給料が30万以上になるかどうかで税率が2%以上違ってくるのです。よって、5月勤務分の残業代を抑えることでボーナスから差し引かれる額も抑えることができるということになります。

そもそも、そのように残業を簡単にコントロールできるかどうかはまた別の話ではあるものの、ボーナス支給月の前々月の残業時間によって、かかる所得税が変わってくるということは知っておきましょう。

まとめ

以上、ボーナスの概要から支給時期、金額などまで基本的なことを紹介しました。いかがでしたか?

ボーナスを貰える日が近づくとワクワクし、何に使うのかを考えながらテンションも上がるでしょう!毎日働くサラリーマンたちのモチベーション維持としても機能していると言えるボーナスですので、支給額の差はあれど純粋に期待しながら楽しく待つのが健康的だと思います。

なお、1年間の給与額を、仕事の実績などによって決定する「年俸制」の場合は、業績を反映するボーナスというものはありません。ただしその分、毎月の給与が高い傾向にあるため、一概に善し悪しは判断できませんしそれぞれメリット・デメリットがあります。

ボーナスの有無だけで仕事を決めるのは安易だと思いますが、自分に合った働き方を考えながら、意欲を出していける仕事で頑張っていってくださいね!

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