社会人になる前に、企業の人相手に折り返し電話をする機会はありましたか?たぶん、多くの人がそのような経験をすることはなかったと思います。
だからと言って、折り返し電話のマナーが悪いと、就職活動や仕事の場面で思わぬ悪評化をもらってしまうことになります。折り返し電話のマナーは、社会人としての必須スキルなので頑張って覚えたいところです。
早く覚えて、ライバルたちに差をつけましょう。
ビジネスでの折り返し電話の基本とマナー
では、早速基本から見ていきましょう。
間違った折り返し電話のこんな使い方!
相手先から電話がかかってきたシーンを例に出してみましょう。
- 自分「お電話ありがとうございます。○○会社の○○です。」
- 相手「△△会社の△△です。営業担当の□□さんいらっしゃいますか。」
- 自分「あいにく、外出しております。ご用件だけでもお伺いしましょうか。」
- 相手「いえ、結構です。また、折り返し電話します。失礼します。」
相手が最後に使った、「折り返し電話します。」のところに違和感を感じませんでしたか?
「折り返す」というのは、電話を受けた側が使う言葉であって、電話をかけた側が使う言葉ではありません。このような間違った使い方を覚えないように注意しましょう。
時間帯に配慮が必要!
相手先から時間帯の指定があった場合には、もちろんその時間帯に電話するのがベストです。
しかし、相手先から時間帯の指定がなかった場合、いつ、かけたらよいのか迷う人は多いのではないでしょうか。緊急な用件でもない限り、以下にあげる時間帯は避けましょう。
朝の早い時間
ミーティングや打ち合わせなど、朝の早い時間、業務開始してからすぐの時間は忙しいところが多いです。落ち着きのないこの時間帯はなるべく避けた方が無難でしょう。
事前に、相手先の業務開始時間を調べておくのがベストですが、9時や10時から業務が開始する企業が多いので、だいたい、10時半から11時を過ぎたあたりからかければ大丈夫です。
お昼時
12時~13時半頃の時間帯は、昼食の時間なので、不在率が高いです。14時以降なら、お昼から戻っているでしょう。
業務終了間際
終了業務で忙しいところが多く、電話に集中できない可能性があるので、避けたほうが無難です。この時間になってしまったら、翌日にかけなおしましょう。
業務終了後
これ以降の時間にかけてしまうと、帰社している人も出てくるので、せっかくかけたのに、担当者がいないということもありえます。業務終了間際と同じく、時間が遅くなってしまった場合には翌日にかけなおしましょう。
「もしもし」はNG
プライベートの会話でいつも使っている「もしもし」はビジネスの場では、失礼にあたります。普段の癖で使ってしまわないように気を付けましょう。
また、話し始めの定型文は、一度、覚えてしまえば使いまわすことができるので早く覚えてしまいましょう。
・例
「いつもお世話になっております。私、○○(会社名)の△△(自分の名前)と申します。先ほどは電話に出ることができずに失礼いたしました。恐れ入りますが××部の□□(電話してきた相手の名前)様はいらっしゃいますか。」
電話では必ずメモを取る
誰が、いつ、どのような用件で、といったことを必ずメモに残しておくのが基本です。
一件くらいの用件なら暗記もできるでしょうが、一日に何回も違った要件の電話がかかってくるのがビジネスの場です。何件も違った要件を頭の中だけで覚えておくのは難しいでしょう。
特に忙しい時ほどメモをしっかり取るようにしましょう。忙しい時ほど忘れがちになってしまい、仕事がうまく回らなくなってしまい、他の社員や、仕事先の相手にも迷惑をかけてしまうことになります。
就職活動時の折り返し電話について
せっかく企業から着信があったりのにでられなかった、携帯を確認したら知らない番号から着信があったが、もしかしたら、この前面接を行った企業からかも?少しでも良い印象を残せるようにするにはどうすれば・・・
このようなことで悩んでいる就活生は多いはず!自信をもってしゃべれるように、誤って相手先に不愉快な思いをさせないためにも、しっかり勉強しておきましょう。
企業から着信が入っていた場合は必ず折り返す
折り返さなかった場合、相手は無視されている、優先度が低い、と感じてしまうものです。折り返しの電話が早ければ早いほど、相手に対し、誠意や興味関心が高いという印象を与えることができます。しかし、早ければよいからと言って、先の項でも述べたように、時間帯には気を付けましょう。
基本的には、相手先からの電話がかかってきた当日には折り返して電話をするのがベストです。しかし、相手先からの電話が夜遅かった場合には、電話がかかってきてからすぐか、翌日の午前中に折り返し電話をしましょう。
折り返しの電話が遅くなってしまうと、何を言っても言い訳にしかならず、イメージダウンしてしまいます。
知らない番号からかかってきたときは?
企業から電話がかかってきたことが分かるように、電話番号を登録していても、それだけでは安心できません。
企業は複数の電話番号を使うのが当たり前なので、知らない番号、非通知からかかっていたいた場合にも、念のため、折り返し電話をするようにしましょう。
電話番号が残っているならば、どこからの番号なのか、調べてからかけなおせば安心ですね。あらかじめ番号を登録している場合でも、番号の末尾だけが違う場合がありますので、末尾だけが異なる番号があるなら同じ会社からだと思って間違いないでしょう。
留守番電話にメッセージがあるとき
この場合、メッセージに残っていることをよく聞きましょう。できるだけ早くかけなおしてください、や、○○時以降に連絡をくださいなどの指定がある場合は指定通りにかけなおすのがベターです。
また、実際に折り返した時に、留守番電話のメッセージをちゃんと聞いたことを伝えましょう。相手が、もう一度説明する手間が省け、スムーズに話を進めることができます。留守番電話に入っていたメッセージの内容を端的にまとめて復唱してあげると、相手も安心です。
どのように話し始めればよいか
あいさつ、自分の名前、大学、いつ頃電話がかかってきたのかを言いましょう。電話に出た相手が心当たりがある場合は、相手が対応してくれるはずです。電話をかけてきた相手がわかっている場合は、電話をかけてきた人の名前、部署も合わせて伝えましょう。スムーズに話が進みます。
・例
「お忙しいところ失礼いたします。○○大学の△△と申します。今日のお昼頃に、採用担当(もしくは部署名)の□□様からご連絡をいただいたのですが、□□様はいらっしゃいますでしょうか。」
ビジネスシーン別の折り返し電話マナー
折り返し電話をする場面は、もちろん就職活動だけではありません。企業に就職してから、仕事が始まってからの方が多いでしょう。基本的なことは十分学べたと思いますので、実際にあるシーンを想定して紹介します。
折り返し電話の言伝を頼まれたとき
他の社員あての電話を受けたが、目的の社員が不在で、その社員が帰ってきたら電話を折り返してくれるように頼まれることがあります。このようなときは以下のポイントに気を付けましょう。
- 相手の名前と電話番号を聞く
- どのような用件か
- 折り返し電話するのはいつ頃がよいか
- 電話がかかってきた時間
以上のポイントは必ずメモに残しておきます。名前や電話番号などは間違えないように気を付けましょう。はっきりと聞こえなかった場合、必ず聞き直しましょう。名前が聞きづらかった場合には、漢字ではどう書きますか?と聞けば、うまく聞き出すことができます。
・例
- 「どういったご用件でしょうか?○○に伝えておきますが。」
- 「折り返しお電話いたしますのに、ご都合の良い時間(もしくは、ご都合の悪い時間)はございますか?」
- 「お手数ですが、お名前と電話番号を教えていただけますか」
- 「申し訳ございません。聞き取れなかったのでもう一度お願いできますか。」
- 「他に何かお伝えしておきたいことはありませんか?」
- 「承知いたしました。○○に折り返し連絡をするように伝えておきます。」
他の社員からの言伝を聞き、相手へ折り返し電話をするとき
言伝を頼まれる時と比べて、気を付ける点は少ないです。言伝を預かってくれた社員だよりになってしまいます。
・例
- 「○○会社、□□部の△△です。~時ごろに××様よりお電話をいただいたと思うのですが、××様はいらっしゃいますか。」
- 「お忙しいところ恐れ入ります。○○会社の△△です。先ほどは電話に出ることができずに申し訳ありませんでした。~~の件で、折り返しご連絡させていただきました(用件を聞いていなかった場合、「どういったご用件でしょうか」)。」
留守番電話に「またこちらから再度連絡します」と入っていた場合
先にこっちから折り返したほうが親切、丁寧じゃないのか?でも、また連絡しますって言ってるし…。悩まれる人が多いと思いますが、こういったケースでは、メッセージの用件によって対応を変えましょう。
急ぎの用件ではなかった場合、相手からの連絡を待ちます。わざわざこちらからかける必要はありません。
しかし、急ぎの用件だった場合は、こちらからすぐに連絡しましょう。相手からの連絡を待ってしまい、また出られなかったなんて事も大いにありえます。急ぎの用件であれば、時間がたてばたつほど、お互いにとってデメリットになるので、なるべく早く連絡をとりましょう。
まとめ
いかがでしたか?ここであげた以外にも、多くのケースがあると思いますが、落ち着いて対応するように心がけましょう。
仕事に慣れているベテランのビジネスマンにとっては、折り返し電話はどうってことないことだと思いますが、初めての人、経験の浅いビジネスマンにとっては緊張することだと思います。ケースバイケースなことが多いので、習うより慣れろ、だと思います。
仕事をする人にとって、誰もが通る道なので気後れしていてはいけません。積極的により多くの経験を積んで、折り返し電話も覚えて、頼れるビジネスマンを目指していきましょう。