「お体ご自愛ください」を正しく使う方法を知ろう!どういう時に使う?

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親しい人へ暑中見舞いを出すとき、あなたはどんなことを書きますか?友達など親しい関係の人なら「毎日暑いね、体に気をつけてね!」とラフな文章で書きますが、目上の人やビジネス相手に対して同じように書くわけにはいきませんよね。

「ご自愛ください」という締めの言葉があります。フォーマルな感じはあるけれど「ご自愛ください」を目上の人に対して使ってもいいのでしょうか。今回は「ご自愛ください」について注意したいポイントと、使える例文をご紹介いたします。

 「ご自愛ください」ってどういう意味?

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「ご自愛」の文字が表しているとおり、「自分を愛する=自分を大切にする」という意味です。「あなたのお体を大切にしてください」という思いやりのフレーズです。

どんな時に使う言葉?

代表的なものには、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」などの「時候のご挨拶」に使われています。暑中見舞いや残暑見舞いのハガキを送る頃は、体調を崩しやすい季節の変わり目です。

送る相手の体を思う結びの言葉として「ご自愛ください」というフレーズを使います。相手のことをそっと気遣う、とても美しい日本語なのです。

「ご自愛ください」の使い方

「ご自愛ください」を実際どのように使うか、例を見ていきましょう。よく使われる場面は「暑中見舞い」や「残暑見舞い」を送るときです。「ご自愛ください」の前に「季節(時候)を表す言葉」を使うと季節感も出ますし、次に続く「ご自愛」に繋げやすくなります。

時候の挨拶例文

  •  「酷暑の折・どうぞご自愛ください」
  • 「季節の変わり目ですから体調など崩されませんよう・ご自愛ください」
  • 「季節柄(時節柄) ご自愛ください。」
  • 「季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。」
  • 「暑さも厳しくなってまいりましたが、どうぞご自愛ください。」
  • 「寒さも厳しい折風邪など召されませんよう、ご自愛ください。」

季節に関係なく使える例文

  • 「あまり無理をなさらないよう、ご自愛ください。」
  • 「末筆ながら切にご自愛のほどお祈り申し上げます。」

手紙文例「暑中見舞い」の場合

「暑中お見舞い申し上げます

梅雨が明け、猛暑の日々が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

これから連日暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。

平成○○年七月盛夏」

手紙文例「残暑見舞い」の場合

「残暑お見舞い申し上げます

残暑なお厳しき折、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。

その節は大変お世話になりました。楽しい思い出ができ、家族ともども感謝しております。

暑さはまだしばらく続きそうです。どうかくれぐれもご自愛下さい。

平成○○年晩夏」

手紙文例「寒中見舞い」の場合

「寒中お見舞い申し上げます。

暖冬とはいえ、朝晩急に冷えこみ出した今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

お風邪など召されぬよう、くれぐれもご自愛ください」

風邪を引かないように、の言い回しは「お風邪など召しませぬよう」でも「お風邪など召されませぬよう」でも正解です。

誰に対しても仕える、万能の言葉です(例外あり)

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男女を問わず、年下の相手や目上の方など色々な人に対して使うことができます。送る媒体も、手紙・メールどちらにも使うことができます。

目上の人にこそ使える敬語です

「ご自愛ください」という言い回しから、目上の人に対しては使えないのでは、という意見もありますが、むしろ、目上の人にこそ使いたい敬語なのです。なんだかちょっと物足りない気がする場合は「くれぐれも」という言葉を前につけてみましょう。目上の人に対しても更に丁寧な印象になります。

また、親戚関係など「ご家族ご一同様」に向けて送ることもできます。その場合は「暑さもまだまだ続きそうですので、御家族皆様くれぐれもご自愛くださいませ」のように「御家族皆様」を付け加えましょう。

「ご自愛ください」には注意点があります

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相手の体を気遣う美しい言葉「ご自愛ください」。この言葉を使うときに注意したいことがあります。

「お体ご自愛ください」は○?×?

どんなに美しい言葉でも、書き方を間違うと「残念な印象」を相手に与えてしまいます。「ご自愛ください」にも、やはり「正しい使い方」と「間違った使い方」があります。実は筆者も、若かりし頃に間違った書き方をしていた経験があります。「ご自愛ください」ではあっさりしているような気がして、ついつい要らない言葉を付け加えていたのです。

要らない言葉、それは「お体」です。体を気遣ってくださいね、という気持ちで「どうぞお体をご自愛ください」と書いていました。実はこれが間違いフレーズだったのです!「ご自愛」にはすでに「お体を気遣う」という意味合いとして完成していますので、ここに「お体」と付け加えてしまうと「お体」の意味が2回重なることになります。「日本一、一番」のような感じですね。

病気で療養中の方に「ご自愛」は使わない。

「ご自愛」には「ご自身の体を大事にして、これからもお元気でいらしてください」という意味合いがあります。すでに体調を崩されていることが明らかな相手に「ご自愛ください」はすこし場違いな印象があります。

入院されているとか、自宅で療養生活を送られている人には使わないようにしましょう。「相手の事情を知らずに書いてしまったからと言って強く責められることはありませんが、相手の事情を知っている場合は「ご自愛」とは違った別の表現に言い換えましょう。

 ご病気の方に送る場合の例文

  • 「どうぞ、お大事になさってください。」
  • 「一日も早いご回復をお祈りしております。どうぞお大事になさってください。」
  • 「どうか、一日も早く回復なさってください。」

このように、「お大事に」に置き換えるのが最も適しています。目上の人には「お大事に」では不十分ですので「お大事になさってください」と最後まで書きましょう。

親しくない人に「ご自愛」は失礼、という意見もあります。

あなたにとって、体のことを気遣いたい相手は誰でしょう?反対に、あなたの体を気遣ってくれて嬉しい、と思う相手は誰でしょう?「体」の話はとてもデリケートなものです。中には「あなたに私の体を気遣ってもらういわれは無い」と捉える人もいます。

病気療養中の方以外には、誰に対しても使える言葉ですが、送る人と自分の間柄を見直してみることも大切です。使い勝手がよく、誰に対しても使いやすい「ご自愛」をニュアンス的に使っている人は、もしかしたら相手から「失礼だ」と受け取られているかもしれません。

 「ご自愛ください」に対する返事は必要?

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「ご自愛ください」と書かれたメールや手紙を受けとった場合、体を気遣ってくれたことに対するお礼を述べると同時に「こちらからも相手を気遣う言葉」を送るとよいでしょう。

 返信のタイミングは「早め」が肝心!

返信するタイミングは「お陰さまで元気に過ごしていますよ」と伝えるためにも、相手からの手紙やメールが届いた日からあまりはずれないように注意しましょう。日が開いてしまうと、せっかくのお気遣いを無駄にしかねません。

まして時候の挨拶を兼ねた内容であれば、季節が大きく変わる前に返信するのが”マナー”です。メールで頂いたのであればメールで返信するのもいいですが、相手が綺麗な絵手紙などを送ってきた場合は、こちらも同じハガキで返信しましょう。

返信に使える例文

  • お気遣い心より感謝いたします。○○様も健康にはくれぐれもご留意ください。
  •  温かいお心遣いに心から感謝申し上げます。○○様も何卒お身体おいといください。
  • ○○さんのお気遣いの言葉、大変うれしく思っております。○○さんもお元気で過ごされますようお祈り申し上げます。

一文字違えば、大きな間違いになります!

「お体を慈しんで(大事にして)ください」という意味で「ご慈愛ください」と書いてしまいそうになりますが、「自」ではなく「慈」を使ってしまうと、本来の意味とまったく違う意味に変わってしまいます。

「ご慈愛ください」の意味は「(この手紙をかいている)私を、もっと可愛ってください」という意味になってしまいます。「お体をご慈愛ください」なんて間違いだらけの気遣いメールにならないように、気をつけてくださいね。

「○○お見舞い」それ以外で使える場面は?

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ビジネス上でのお付き合いの相手でも、プライベートのお付き合いの相手でも、相手やシーンを問わずに使えます。手紙やメールを書いたときの文末(締めくくり)や、お別れをするときの挨拶のときでも使える言葉です。

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お世話になっている取引先へ、暑中見舞いハガキを一斉に送ります。企業同士では必ずお中元やお歳暮のやり取りがありますので、お中元のお礼も兼ねることがあります。同じ暑中見舞いでも、文章を少し変えることで雰囲気をはっきりと分けることができます。

注意点としては、お中元のお礼をすべてのハガキに印刷することは出来ませんので、手書きで一文、お中元のお礼を付け加えるとさらに感じが良くなるでしょう。メールで暑中見舞いを送る場合でも、ひと言お礼を付け加えたいものです。

ビジネス書中見舞いの例文

「暑中お見舞い申し上げます。

日ごろから格別のお引き立てにあずかり、厚くお礼申し上げます。

季節柄暑さも厳しい折、くれぐれもご自愛ください。

今後ともなお一層ご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。 」

ビジネスメールの文末には「今後ともよろしくお願いいたします」や「ご確認お願いいたします」などのフレーズが「お決まりのパターン」です。これらは相手を問わず、誰に送っても失敗がありません。

しかし、長年お付き合いのある相手の場合は、一歩進めた、相手に対する気持ちを付け加えたほうが相応しい場合があります。こんなときにも「ご自愛ください」は使えるフレーズです。受け取った側としても、お互いの関係が一歩進んだ気持ちになるはずです。

時候の挨拶を送るタイミング

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「今年こそ、暑中見舞いを送ろうかな」と思っていても、時期が間違っていたら恥ずかしいし・・・と思って毎年送らないままの人もいるそうです。

送るタイミングを知って、今年こそ送ってみませんか?

素敵な絵葉書を見つけては、「暑中見舞い、今年は送ってみようかな」と一瞬考えたことはありませんか?郵便局や書店などでは、さまざまなデザインの絵葉書がたくさん陳列されています。

メールでも「暑中見舞い」などを送ることは出来ますが、わざわざ絵葉書を選んで送られてきたものを受け取った時の気持ちは、メールとは違いますよね。その時には「ご自愛ください」というフレーズを是非使ってみてはいかがでしょうか?

「暑中見舞い」

暑中見舞いは暦の「小暑」の7/7から「立秋」の8/7頃までに送ります。つまり梅雨明けした頃から立秋の日の間に出すことになります。お盆に入る前に届くように送る、とイメージすると覚えやすいですね。書き添える日付は「平成○○年盛夏」とし、月日は書きません。ちょうどお中元シーズンにも重なりますので、お礼状を兼ねて暑中見舞いを送る場合もあります。

「残暑見舞い」

8/23の「処暑」の時期に合わせて出しましょう。暑中見舞いの時期(お盆前まで)を過ぎて出す場合、残暑見舞いになります。遅くても8月中には届くように出さなければなりませんので、記入する日付は「平成○○年晩夏」か「平成○○年八月」となります。

 「寒中見舞い」

寒中見舞いは元旦から松の内が明けて(1/7)から立春(2/7)の間に出しましょう。年賀状をもらっていながら、出し遅れて松の内が明けてしまった場合や、喪中で年賀状を出せなかった場合にも寒中見舞いを送ることができます。

まとめ

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「絵手紙教室」という民間講座の広告をときどき目にします。水彩絵の具やアクリル絵の具を使って、四季折々の花や果物・野菜などを描き、ひと言添えるものです。筆者の高校時代の恩師は書道担当の先生でしたので、今でも毛筆で書かれた立派な年賀状が届きます。

今回「ご自愛ください」というフレーズについてお話しましたが、直筆で描かれた絵や書などはこのフレーズの力を凌駕していると感じることがあります。一輪の花、一つの字だけでも相手の心遣いが伝わってきます。

いくら風流な取り交わしとは言えど、絵や書を書けといってもなかなか難しいのが現実ですが、「折に触れる」ようなことは出来るかもしれません。どんな媒体を使っても、なかなか会えない相手を気遣う機会を設けてみてはいかがでしょうか。

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