承知いたしましたは目上に使っていい?意味や了解との違いを紹介!

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あなたはビジネスメールで「了解しました」と使用することがありますか?もし使用されているということであれば…。

ちょっと待ってください!その使い方、本当に正しいですか?まさか、上司からの連絡や指示などのメールに返信する際に「了解しました」と記載していたりしませんか…?
だとしたら、それ、間違っていますよ!

さすがにビジネスメールで、上司相手に「分かりました」と記載する人はいないと思います。(その上司との関係に何か事情があるのならば話は別かもしれませんが…)
しかし、その「分かりました」を丁寧に言おうという意図で「了解しました」と使用されている人はいるのではないでしょうか。実はそこに、大きな間違いがあるのです。

ここでは、ビジネスシーンで必ず使用する「了解しました」や「承知しました」という言葉の意味とその違い、使用方法についてお伝えしていきます。

「了解」とは?

働く男性

口頭でもメールでも、ビジネスシーンではよく「了解」という単語が使われています。この「了解」という言葉の意味は、「物事の内容や事情を理解して承認すること」であり、類義語には“了承”という単語があります。(※「了承」の方が、「了解」よりも承認する意が強い)
相手の考えを分かった上で、それを認めるという意味であり、「了解できない」と言った場合には“その内容の意味自体は理解できるものの、承認ができない”ということになります。

ここまでが単純に「了解」の意味となりますが、実はこの言葉、目上の人に対して使用するものではありません。自分と同等、もしくは目下の人に使う言葉なのです。なぜなら「了解」は、本来「上位の権限を持つ者が許可を与える」という意味があるからです。

使用しても良い相手

自分と対等の立場にある人、もしくは目下の人へ返事をする際には使用しても問題ありません。

そのような相手に返事をする時、通常は「了解しました。」という使い方をしますが、メールでCC(参考・情報共有先)に誰も入っていない、あるいは特定の人(同じチーム内にいる同等以下の立場の人など)しか入っていないといった場合にはフランクに「了解!」とだけ書くこともあるでしょう。

特に社内であれば上司が部下に対して返事をする時には、比較的軽い感じで「了解です」「了解!」といった具合になることも多いのではないでしょうか。

使用してはいけない相手

上司などの目上の人や、取引先や顧客に対して返事をする際には、使用してはいけません。

「了解」はあくまでも、自分と対等、もしくは目下の人に対してのみ使用できる言葉となっており、上司や顧客に使用すると大変失礼なことになってしまいます。
さすがに顧客に使用している人はいないと思いますが、今まであまり気にせずに上司に使用されていた人はいるのではないでしょうか?もしそうだとするならば、今この瞬間から改めましょう。

『了解「しました」』は敬語だから良い?

答えは「No!」です。

確かに「了解。」とだけメールに記載されていたら、気ごころ知れているような仲間ならともかく、例え同等の立場にある人宛であっても相手としては「ムッ」としてしまうかもしれません。そういう意味では、丁寧語として「しました」または「いたしました」という言葉を付けて「了解しました」あるいは「了解いたしました」とするべきです。

ところが、そもそも「了解」という単語自体に尊敬の意味が含まれていません。そのため、一見すると「了解しました」であれば敬語として成立しており問題がないように見受けられるかもしれませんが、単に丁寧に言っているだけであって、少なくとも尊敬や謙譲の意は一切入っていないのです。このあたりに留意しておくようにしましょう。

「承知」とは?

ビジネス

「了解」と同じく、ビジネスシーン、特にメールのやり取りでよく使われる単語に「承知」というものがあります。この「承知」という言葉の意味は、「依頼や要求などを聞き入れること」であり、類義語には“承諾”という単語があります。

実はこの言葉、辞書においては「了解」の類義語ともされています。「あれ?じゃあ、了解も承知も同じでは?」と思うかもしれません。しかし、ビジネスマナーにおいてはそうではありません。自分よりも目上の人に使う言葉なのです。

ちなみに、このことについてWebメディアで取り上げられ始めたのは、2011年頃だそうです。

使用しても良い相手

上司などの目上の人や、取引先や顧客に対して返事をする際に使用します。

「承知しました」や「承知いたしました」という言葉は、尊敬語です。よって、大切なお客様はもちろんのこと、上司に対して使用する単語として適切なものということになります。そのため、使用頻度がかなり多いと思いますので、必ず覚えておきましょう。

ちなみに、「しました」と「いたしました」はどちらが良いかですが、「しました」で問題ありません。「いたしました」だと少し回りくどい印象となります。(ただし、「いたしました」が失礼ということではありません)

使用してはいけない相手

「了解」とは逆で、自分と対等の立場にある人、もしくは目下の人へ返事をする際に使用するのは不適切となります。

厳密に言うと使用しては「いけない」わけではありませんが、目上の人に対して使用する言葉を同等以下の立場の人に使用するのは不自然であり、相手がそのあたりをきちんと理解している場合は戸惑ってしまう(恐縮してしまう)可能性があります。
そういう意味でも、やはり「承知しました」はあくまでも上司や顧客相手に使用するものであるということをしっかりと押さえておき、マナーとして覚えておいてください。

※謙虚な上司は部下に対して使うこともあるようですが、あくまでも例外と認識しておきましょう。

「承りました」も使用して良い?

「承知しました」によく似た言葉として「承りました」という言い回しもよく耳にすると思います。

この言葉は実は「承知しました」をさらに丁寧にした言葉です。よって、メールなどに記載する際にも何ら問題はありません。ただ、どちらかと言うとメールや書類などで文語として使われることが多く、口語として使う場面はあまり見ないのではないでしょうか。
特に「こうでなくてはならない」というルールはありませんが、上司と口頭で話をしている中でわざわざ「はい。承りました。」といった使い方はする必要はないかと思います。もしかしたら「そんな堅くならなくていいよ」と言われてしまうかもしれません。

「かしこまりました」は?

「かしこまりました」は、上司などの目上の人や、取引先や顧客に対して使用する言葉です。つまり、「承知しました」と同じということです。ただ、ニュアンス的には「承りました」に近く、「承知しました」をさらに丁寧に表現した言葉となっています。

ただ、「承知しました」は命令などを承る意味合いで使われますが、「かしこまりました」は相手から受けた情報を“理解して受ける”といった意味合いで使用されます。よって、似たような意味ではあるものの、厳密に言えば相手から受けた情報によって使い分けが生じてくるということになります。

使用するシーンとしては、主に接客業向けになっているようで、比較的高級なレストランやホテルなどでスタッフが「かしこまりました」と言っているのを見かけますよね。どちらかと言うと外部向けに使われる言い回しであり、上司と部下の関係においてあまり「かしこまりました」は使われず、やはり一律「承知しました」が一般的な印象です。

その他の類義語と使用例

働く女性

ここまで「了解」と「承知」という言葉の意味とそれぞれの違いについて解説してきましたが、他にも「了解」のところで少し触れた「了承」といった単語があります。

「了承しました」は、何かを“承諾”した時に使用するものです。意味としては、相手の申し出や事情などを納得して承知することです。つまり「それで良いです」という意味合いになっていますので、目上である上司が部下に、あるいはクライアントが請負元に対して使用するのが正しいということになります。

様々な言葉が登場したため、少し混乱してきた人もいるかもしれませんね。それでは最後に、それぞれの言葉を相手別にした使用例を紹介しておきましょう。

上司や顧客など、目上の人に対して

× ご依頼いただきました○○の件、了解しました。
× ご依頼いただきました○○の件、了承しました。

○ ご依頼いただきました○○の件、承知しました。
○ ご依頼いただきました○○の件、承りました。
○ ご依頼いただきました○○の件、かしこまりました。

自分と同等、目下の人に対して

× ご連絡いただいた打ち合わせの件、承知しました。
× ご連絡いただいた打ち合わせの件、承りました。
× ご連絡いただいた打ち合わせの件、かしこまりました。

○ ご連絡いただいた打ち合わせの件、了解しました。
○ ご連絡いただいた打ち合わせの件、了承しました。

まとめ

今回紹介した言葉は「了解しました」「承知しました」「承りました」「かしこまりました」「了承しました」の計5つとなりましたが、一番重要なのは、「了解しました」および「了承しました」とその他の違い、つまり相手が目上か目下かによって使用できるか否かが変わるという点です。まずは、こちらを最低限押さえておいてください。

その他の「承りました」や「かしこまりました」は、実際のところすべて「承知しました」に統一して使用しても支障はないと言えますし、このあたりの違いまで厳密に言及するような細かい人もいないでしょう。それよりも、内容自体の方に目が行くはずです。

社会人になると、こういった返事の言葉以外にも労いの言葉や謙遜の言葉などで目上に使うものと目下に使うものの違いがあったりなど、本当に色々な単語や言い回しがありますので、日本語の精密さと難しさには苦労しますよね。
しかし、やはりビジネスマナーはとても大切なものであり、正しい使い方ができるかどうかによって評価が変わることはもちろん、取り引きなどにも影響が出てくることがあるかもしれません。最初のうちは大変ですが、しっかりとした常識を身につけて、デキる社員として輝いていってください!