社会人になると季節ごとの行事で、新年会、忘年会、歓迎会、送別会等など、いろんな宴会・食事会が行われます。会社外では結婚式なども増えてくるでしょう。学生の時とは違って食事が始まる前に「乾杯の挨拶」があり、その会の目的であったり、慰労の言葉があったりします。そんな乾杯の挨拶を指名されたりする機会もあるでしょう。
人前で話すのは誰だって緊張するものですが、「嫌です~」なんてお断りしないようにしましょう。挨拶を指名されるのは信頼されている証でもありますし、仲間内であれば人気があるということです。
ポイントさえ押さえておけば、そんなに難しいことでもありません。そんな挨拶のポイントをご紹介しましょう。
乾杯の前の挨拶は何のため?
皆が一堂に集まり、食事をしたりするには必ず理由があります。だらだらと始まり終わるものでは無く、最初と最後にきちんと皆で挨拶を交わします。その際にこの集まりはどういう趣旨なのかを皆に知らせるわけです。
もちろん集まった人はわかっていますが、いきなり「乾杯!」と言うより、スマートですね。いろんな人が集まるわけですから、挨拶をする人のことを全員が知っているとも限りません。ですので、簡単な自己紹介を話せるとより印象が残るでしょう。ご自身をアピールするのであればベストな場と言えるでしょう。
挨拶のポイント
まず挨拶のポイントをお伝えします。
- 文章はコンパクトにする。
- その集まりについて反省や希望、思い出を語る。
- 最後には結びで締める。
ではひとつずつ解説していきましょう。
文章はコンパクトに!
食事の前の挨拶です。挨拶が終わらないと食事に手をつけることが出来ません。そういうことで長々と話していると皆がイライラし始めます。経験があるかもしれませんが、結婚式などで乾杯の前に挨拶される方が長々と会社自慢~新郎新婦との思い出を話す人がいますが、皆内心は「早く終わらないかな?」と思っています。
そんな風に思われないためにも、話はコンパクトにするのがいいでしょう。できれば1分~2分くらいがベストでその中に少しだけエピソードがあればいいでしょう。
集まりについて反省や希望、思い出を語る
新年会・忘年会なら一年の始まり終わりについて「頑張ろう!」「お疲れ様」ということや、「歓迎会」「送別会」ならその人に対するメッセージを加えると深みのある文章になるでしょう。
特別なエピソードではなくても構わないのですよ。歓迎している!という意味でうちの会社はこんな風ですよ!とか、これから一緒に頑張っていきましょうとか、送迎ならば、とても残念・寂しいけれど、これからの活躍を期待しています。と、いう風にまとめれば大丈夫でしょう。
最後には結びで締める
「乾杯」へ話をつなげるためのものです。これはもう決まったものがあるので、暗記しちゃえば大丈夫です。今から乾杯をしますという合図でもあるので忘れずにしましょう。
それでは「○○をねぎらい」「発展と健康を祈って」等々、乾杯をしたいと思います。「乾杯!」皆が乾杯をしてグラスに口をつけて一息ついたら「ありがとうございました」でお辞儀をして終了。という具合です。
場を盛り上げるためにも、はっきりを大き目な声で話すと元気な印象になりますし、会場の雰囲気も良くなります。あまり早口よりは少しだけゆっくりと話すを聞き取りやすいでしょう。
乾杯の挨拶をタイプ別にご紹介しましょう。
基本編
導入
・ただ今ご紹介(ご指名)をいただきました○○でございます。大変僭越(せんえつ)ではございますが、乾杯の音頭をとらせていただきます
・○○の○○です。本日はこのような素敵な席にお声をかけていただき、ありがとうございます。
ポイント:主催者との関係はここで話すと、本文への話もスムーズになるでしょう。お祝いの席ならば、○○さんおめでとうございます。と短めに祝福の言葉を添えましょう。
本文
・先程、○○部長の話にもありましたように、本年は厳しい世情にもかかわらず、例年を上回る成績をあげることができました。ひとえに社員皆が、協力し頑張った結果であります。今後も益々、一丸となり成長をめざして進んでいきましょう!
・本日は○○さん企画で△△という食事会を開催することになりました。皆さま、ご多忙の中お集まりいただきありがとうございます。普段は中々顔を合わせたりしないメンバーも多く集まっています。折角の機会ですので、今日は無礼講ということで楽しみたいと思います。
締め
・それではグラスの準備も整ったようですので、乾杯に移りたいと思います。当社の益々の発展と社員みなさまのご健勝を祈願して「乾杯!」ありがとうございました。
・それでは、今日は皆でも楽しく盛り上がりましょう!「乾杯~!」ありがとうございました
以上が基本的な乾杯の挨拶例です。状況や会の趣旨に合わせて話を変えたり、膨らませれば大丈夫です。ただし、あまり長くなり過ぎないようにしましょう。
忘年会
本文(業績がよかった時)
皆さま、この一年、大変お疲れ様でした。昨年からの頑張りが実を結んだように、当社はこの10年の中でもトップの利益を出すことができました。皆さまと一緒にこの状況を喜べることを大変嬉しく思います。
本文(業績がよくなかった時)
皆さま、本年は本当にお疲れ様でした。今年は例年になく厳しい一年となりましたが、社内では改革も進んでおり、皆さまの努力で来年につなげることになる準備の年になったと思います。私も社員としてより一層の努力をできるように備えていきたいと思います。
ポイント:業績が良かった時は皆の頑張りを湛え、悪かった時は来年こそはという意気込みを入れてみるといいでしょう。ただし、余り暗い話題にならないようにしましょう。
新年会
本文
本日は毎年恒例の新年会です。昨年は例年以上の業績を上げることができ、新年から意気込みも高まっている空気が漂っているのがわかります。まずは幸先よく飲んで、語りましょう。今日は男性女性問わず、オシャレに着飾った方も多くとても華やかな場となり、私も嬉しいかぎりです。どうぞ、楽しくお過ごしください。
ポイント:新年会などは着飾った女性などもいることから、そういうことに触れてみるのも場が和みます。軽いジョークなど笑いのとれる話を入れることができたら上級者ですね。
歓迎会・送別会
この会は主役となる人がいる会です。できればその人を印象づけるようなエピソードがあればいいのですが、歓迎の場合はまだそんなにその方のことは分かりませんね。なので、会社や配属される部署の紹介などを話して、歓迎していますよ!期待していますよ!という内容になればいいでしょう。
本文(歓迎)
○○さん、入社おめでとうございます!私たち◇◇会社(◇◇部署)としても○○さんと一緒にお仕事できることを嬉しく思っています。まだ分からないことや不安なこともあると思いますが、皆、気さくな人ばかりです!いつでも聞いて下さい。全力でサポートします!一緒に頑張っていきましょう。
ポイント:歓迎される方もまだ打ち解けてはいない状況が多く、緊張されていると思います。リラックス出来るような環境を提示してあげる場になるといいでしょう。
本文(送別)
○○課長(○○さん)長い間、お疲れさまでした。私が入社してから仕事とはどういうものか!という基本をしっかり教えていただきました。まだ課長に認められる人間には道半ばですが、教えていただいた事を日々思い出しながら過ごしていくつもりです。課長は会社を去られますが、次のお勤め先でもご活躍されると思っています。本当にありがとうございました。
(引退される場合は趣味に打ち込まれるとお聞きしています等々、第二の人生を楽しまれることを讃えるような言葉を送りましょう)
ポイント:お世話になった方には思いっきりの感謝を、同僚には頑張った際のエピソードを入れると場の雰囲気も盛り上がるでしょう。
同窓会
○年○組の皆さん!本日はご多忙の中、お集まりいただきありがとうございます!○○年ぶりに皆が元気で笑顔で再開出来た事がなにより嬉しくおもいます。担任の○○先生にもご出席いただきまして一同感激しております。(担任の○○先生は本日はご都合により出席出来ませんでしたが、メッセージを受け取っています等々)今日は当時を思い出しながら楽しい時間を過ごしたいと思っています!時間の許すかぎりご歓談下さい。
ポイント:先生以外は皆、同い年です。ちょっとくだけた挨拶になっても構わないでしょう。なごやかな雰囲気になるよう、昔のエピソードなどを話せるといいですね。先生や目上の方が出席されている場合はまずは簡単にご紹介することを忘れないでおきましょう。
以上、簡単なものですが、こんな感じでお話しを組み立ててみてはいかがでしょう。参考にしてくださいね。
締めの挨拶
最後に締めの挨拶もご紹介しましょう。これも導入・本文・締めの3段階で話せばいいでしょう。
導入
皆さん、お話が盛り上がっているところ、大変申し訳ありませんが、会場のお時間が迫っておりますので、この辺で一旦締めさせていただきます。本日はご多忙な中、お集まりいただきありがとうございました。
ポイント:歓談中の皆に一旦お開きですよとお知らせをします。その際、集まっていただいたお礼を伝えると本文の話とスムーズにつながりますね。
本文
今日は楽しい時間を皆さまと一緒に過ごせたことを本当に嬉しく思います。まだまだ話したりない、飲み足りないという方もおられるかと思いますので、この後は○○にて二次会を予定しております。お時間に余裕のある方はぜひご参加ください。会場への地図も出口にてご用意しておりますので、ご覧ください。
ポイント:会の感想を話して、これで終了なのか、このまま歓談を続けてよいのか、別の会場が用意してあるのかをはっきりと伝えましょう。
締め
では、これからの当社(会の名前や皆様)のますますの発展を願って、一本締めを行いたいと思います。皆さま、お手を拝借願います。いよ~。パン!ありがとうございました。
ポイント:だいたいこのような場では手拍子で締めます。長いと皆の手拍子が合わず、白けてしまうので、一本締めにすることが多いです。
まとめ
いかがでしたか?挨拶のポイントはつかめたでしょうか?始めにもふれましたが、「乾杯」の声でその場の雰囲気にいい印象を与えます。恥ずかしくてもここははっきりを大きな声を出しましょう。
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