日本人の結婚年齢は年々上昇しています。数十年前までは20代のうちに結婚することが当たり前でしたが、最近は30代、40代でも未婚の人はめずらしくありません。
そのような社会の流れの中、社会人になる前いわば学生のうちに結婚をする「学生結婚」カップルがいます。運命の人に早く出会えたということは素晴らしいことですよね。
心も体も若い人は、ある意味では「無敵」です。人生にふりかかってくる「荒波」を若さでカバーすることができます。しかし、社会人になると本人の希望する・しないに関わらず、さまざまな社会的責任が個人の肩にかかってきます。その中には、学生の時には感じられなかったことがたくさんあります。
今回は「学生結婚」についてお話していきます。
学生結婚をするメリット
学生時代に、運命の人に出会ってしまった!
今すぐにでも結婚したいと思うけど、学生結婚をしたらどうなるのでしょう?早く結婚するメリットはあるのでしょうか?
結婚生活の準備に余裕が持てる
社会人になってからの結婚する場合、仕事関係との兼ね合いを第一に考えながら新生活の準備をしなければなりません。仕事の繁忙期に新婚旅行ができなかったり、さまざまな壁があります。
また、新居の準備などに伴う手続きなど、結婚するにはいろいろな作業があります。このような制約は学生時代とは比較になりません。お金の面で不足があれば、アルバイトを増やすこともできます。これはまだ会社に所属していない学生時代ならではのメリット、と言えます。
人生設計に余裕が持てる
若いうちに結婚しておくと、人生設計を立てやすくまた修正もしやすいです。いわばなにごとにも「タイムリミット」がありますが、若い結婚ではこのタイムリミットまでの時間が多くあります。
子供をいつ持つか、マイホームはいつ購入するかなど予定が立てられたら、それに向かって邁進するのみです。子育てにかかる費用、マイホームの頭金などの将来にかかる費用を、時間をかけて貯蓄することができます。
婚期を逃す心配がない
今の日本の経済状況は、結婚しやすい状況とは言えません。結婚をする、しないのではなく「結婚したいけど、できない」という厳しい状況です。そのような中で、早くに人生のパートナーと結婚しておくことは、何にも変えようのない「安心感」が得られます。結婚は相手の存在があって成り立つものです。
結婚するために働くのではなく、すでにある家族のために働くのでは、働く意味が違います。いきなり完璧な夫・完璧な妻になれる人はいません。パートナーとともに成長することができるのです。
本人たちの親も若い
本人たちが若いと、その親も若いです。両親が晩婚だった場合はこの限りではありませんが、親が若いことで得られるメリットは、金銭的なものと子育ての支援が受けやすいことがあります。
親がまだ社会人現役で働いていれば、もしものときに金銭的な援助を頼むことができます。また、子育てに関しては、孫の保育園や幼稚園のお迎えをお願いすることも、状況がゆるせば可能です。そして、親に介護が必要になるまでにもかなりの時間が残されています。このようなことから、自分たちの親も若いということにも、多くのメリットがあるのです。
学費が免除になる場合がある
その大学にもよりますが、学生結婚している場合学費が免除されることがあります。奨学金制度を利用した人には学費の返済義務がありますので、このような制度はとてもありがたいですよね。
自分の通う大学に、このような制度があるか確認してみましょう。また国民年金など、若年者対象の年金免除制度がある自治体もありますので、情報を集めることも必要です。
学生結婚をするデメリット
学生時代は親の庇護のもとで、学業に専念できます。学生結婚をするということはこれまで守ってくれた親から独立をするということです。学生結婚にデメリットがあるとしたらどのようなことがあるのでしょうか?
生活費に余裕をもちにくい
大学を卒業し、就職をして働きだせばお給料がもらえます。しかしお金が実際入ってくるのは1ヶ月後です。ボーナスにいたっては、就職先によって異なりますがだいたい1年勤務しなければもらえません。どちらも「初任給」ですので、よほどの大企業に就職しない限り、家族を養うだけの収入が得らえるかが問題です。
パートナーと共に共働きをすれば十分な金額になるかもしれませんが、もしすぐに子どもに恵まれたら、1人で3人の生活を背負うことになります。
就職してすぐ妊娠した場合、産休が取得できない?
学生結婚をしていて就職した場合、次に考えられるのが女性側の妊娠です。入社後すぐに妊娠し、臨月まで勤務したとしても、勤務年数が1年未満になることもあります。
これも就職先によって異なりますが、多くの企業は“同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること”を産休制度の取得条件としています。就職してすぐに妊娠が判明した場合、産休制度が使えないということになりかねません。
出産後、育児休暇を取得したら数年間は出社しませんので、育児が落ち着き現場復帰した時には同期の人たちと大きな差がついている可能性があります。
就職活動のネックになる可能性がある
既婚者だから、と言って差別をする企業はありませんが、女性の場合はすぐに産休に入られてしまうと十分な社員教育を施せません。社員を育成する立場側からすれば、積極的な採用は「難しい」と判断されます。
男性側のケースでは、夫が妻を扶養する場合は家族手当や社員寮などの福利厚生面をいきなり考慮しなければならず、「新入社員のメリット」が減ってしまうと考える人事担当もいるようです。
たくさん貯金できない
社会人になれば、将来に向けて給与の中から貯金をしなければなりません。マイホームを購入したり、親の介護などでまとまったお金が必ず必要になります。
特にマイホームを考えている場合、頭金をいくら払うかで今後の生活が変わります。また出産に関しても、出産一時金が給付されると言っても、育児には多くお金がかかります。当然、子どもの成長につれて必要になるお金は増える一方です。そんな時、助けになるのが「貯金」です。
比較的自由であった学生時代に、どれだけ貯めておくことができるかが重要です。結婚生活のスタート時点で家計がマイナスになっていると、それを補填することから生活が始まってしまいます。
別に好きな人ができる可能性がある
これは年齢に関係ないことですが、婚姻関係にあるパートナーと別の異性と出会う可能性があります。若ければ若いほど、その可能性は高いです。
学生から社会人になったときは、自分の世界が大きく開かれます。自分の可能性も広がりますし、社会人の先輩たちは頼もしく、一歩間違えば「憧れ」から「好意」に変わる可能性は否定できません。
恋愛を十分に楽しんでいないのに、家庭という責任を持ち仕事でも成長を望まれることから、結婚したことを後悔し、やがて新しい恋愛に逃げやすくなる危険性があります。
社会人になって増える「お金の負担」を知っておこう
サラリーマンの給与から、さまざまな「お金」が天引きされます。雇用契約書に書かれている「給与」は天引きをされる前の給与です。
給与から「天引き」される、さまざまなお金
・健康保険(国民健康保険)・・・就業先の福利厚生の一つです。加入しておけば医療費の7割を会社が負担してくれます。みんなでお金を出し合って病気になったら助け合おうという仕組みになっていますので、給与から決められた金額が天引きされます。
・国民年金・・・いわゆる「年金」をもらうための積み立てです。年々受け取れる年齢の引き上げや、金額の低下が問題視されています。
・所得税・・・所得に応じて課せられる税金です。所得が多ければ多いほど天引きされる額も多くなります。
・住民税・・・居住区(住民票登録している自治体)に納める税金です。その地域に住んでいる限り、ごみの処分などは税金で賄われています。そのようなことに使われるお金を会社が徴収し、各自治体に納めます。
・組合費・・・税金ではありませんが、会社が持つ組合(または会社が加入している団体)の費用です。団体で交渉しなければならないようなとき、組合の存在は大きいです。各企業・部署から組合担当者が選任され代表を務めます。
最低でもこれだけのものが給与から天引きされます。所得や居住区によって金額は異なりますが年々この金額は上がっていく傾向にあります。
このほか、個人で加入する生命保険、マイカーを所有すれば車に関わる税金、マイホームを建てれば固定資産税や火災保険料などが必要です。
それでも学生結婚する!と決めたら・・・
どんな苦労もこの人となら乗り越えてみせる!と学生結婚する覚悟が決まったら、実行しておきたいことがあります。
国民健康保険に加入しましょう!
学生の間は、親の扶養に入っていますので「保険料を支払っている」という感覚がありません。しかし結婚をした場合は、親の扶養から抜け、夫が世帯主になり、そこに入籍を済ませた妻が「扶養者」として入ります。もちろん、国民健康保険料や年金などの支払いが生じます。これが「親の扶養から抜けた」という現実を感じることだと思いますが、これはけっしてムダにはなりません。
国民健康保険を支払いさえすれば、出産時にかかる費用の負担軽減のために「出産育児一時金」(42万円)が国から給付されます。
留年しないように、勉強も頑張りましょう!
留年するということは、卒業が遅れます。卒業が遅れれば就職も遅れます。就職することのメリットは、福利厚生面の恩恵を受けられることにあります。
留年するということは、有給休暇、賞与、健康保険などといった「生活に重要な恩恵」がその分遠のいてしまいます。生活を支えるためにアルバイトに専念しすぎたために、留年を繰り返し、結果卒業を諦めることになってしまっては素も子もありません。授業にでて単位も落とさず、生活費を稼ぐのは並大抵のことではありませんが、自分で選んだ道です、大学卒業するまでの期間と割り切って頑張るしかありません。
親に頼る気持ちを持ちましょう
学生結婚を決めたと、わが子に言われた親は最初は困惑したかもしれません。しかし、わが子が早く人生のパートナーと出会えたということは、反面では嬉しい気持ちもあると思います。
どのような形であれ、親は永遠にあなたの親です。わが子の決断に対して頼りなさを感じながらも頼もしく思っているでしょう。いきなり親離れをされて、寂しい気持ちもあるかもしれません。
人生の先輩である親を頼っても、夫失格・妻失格にはなりません。若い夫婦だけで抱え込まず親に頼りましょう!
まとめ
結婚したいと思ったときが適齢期、と言われています。結婚は本人たちのテンションが上がらないと決断できません。ある意味、無謀なくらいの勢いが結婚には必要です。
しかし、結婚した以上家庭を守らなければなりません。親から独立し1つの家庭を持つということには責任が伴うのです。彼氏から夫へ、彼女から妻になるということは、法的に認められた夫婦になったということです。シビアな言い方かもしれませんが、法的拘束がある間柄になったのです。
しかし、広い世界の中でたった一人の生涯のパートナーと早く出会えたということはとても素晴らしいことです。周りのカップルたちより、長い時間をパートナーと共有することができるのですから。
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