物事には、限度があります。
「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざがあります。良いことでも度が過ぎればなかったことと同じという意味です。
今回は「優しすぎる男」という題目でお話させて頂きます。「優しすぎる」というのは、いったいどういうことでしょうか。優しさが度を過ぎると、それがどのように周囲から受けとられてしまうのでしょうか。
周囲にとっての「適度な優しさ」どこまでなのでしょうか。それでは進めていきましょう。
「優しすぎる」 男女の違い
女性の場合、「優しすぎる」場合は美点として捉えられることが多いです。女性の場合は「気を遣いすぎる」「繊細だ」「かよわい」「思いやりがある」と置き換えてもらえるのです。
しかし男性の「優しすぎる」は、「自己主張に欠ける」「存在感がない」「男らしくない」など欠点として扱われます。男女が平等になったとはいえ、いまだ男女それぞれに対する要求が、男女を別個にして考えられているからだと思います。
損をすることが多いのがこの「優しすぎる男」です。
損ばかり?「優しすぎる男」の心理的特徴と傾向
せっかく優しい気持ちを持っている男性なのに、「損をする」とはどういうことでしょうか。
相手女性はその優しさをどのように受け取ってしまっているのでしょうか?
強引に物事をすすめられない 「いい人止まり男」
強引にしたら嫌がるから・・・と言っていては「いい人止まり」です。恋愛でも人間関係でも、強引さは必要です。
特に恋愛関係は「強引さ」から始まることの方が多いです。「明日ヒマなら映画でも行こうよ」という言葉を「明日はちょっと」と返されても「じゃあ次の日曜とか」と強引に提案するからこそ次に進めるのです。
「やっぱり無理か」と次の提案をせずに終わってしまうと、単に「映画に誘ってくれた人」で終わってしまいます。映画だけに限らず 「君が嫌がるから」を繰り返せば繰り返すほど「いい人」度が高まります。
誰にでも誠実 「恋人としてどうなの男」
「嘘をつかない」は確かに誠実です。
しかし必要のない正直さは、人間関係でトラブルになることもあります。また「誰にでも同じ」は誠実で平等なことですが、恋人も家族も友達も全て平等で「特別扱い」が出来ないのでは恋人である意味がありません。
人を欺くことを知らない「純粋さ」として考えるなら、こちらが側にいて守ってあげなきゃという母性本能の対象にもなりえますが、恋人としてはどうなの、と言いたくなります。
目立つのが嫌い 「個性を出さないモテない男」
個性的過ぎるのもお付き合いしにくいですが、個性がなければ「別にこの人でなくてもいい」ので、なにかに選ばれることがありません。恋愛ではまさに、「選ばれない、モテない男」です。
「あなたの彼ってどんな人?」と聞かれて「オラオラ系」とか「オタク」とか具体的な個性がなければ、「うん、いい人だよ。優しいし。うーん普通の人かな?」と説明に困ってしまいます。 「優しい」しか特徴がないのでは、誰とでも一緒です。
見た目からは分からない意外性も必要です。「普通っぽさがいい」という芸能人はいますが、それはすでに「芸能人」という個性的な職業があるからこそ「普通っぽさ」がいいのです。
迷惑をかけるのが申し訳ない 「冒険をしない面白くない男」
恋愛のケースでは「おもしろくない人」になってしまうタイプです。
新しいシーンを一緒に作っていこうとするとき、冒険心がなければおもしろいお付き合いは出来ません。冒険はスリルがつき物。スリルのない平穏な生活は、長い結婚生活には大事なものですが恋愛時代には退屈です。「無難な恋愛」って恋愛する意味があるのでしょうか。
人に迷惑をかけるのがイヤと言えば確かに立派かもしれません。しかしその奥には「めんどくさいことに巻き込まれたくない」というものも潜んでいます。いわば「事なかれ主義」です。
失礼だと思うから人を疑わない 「頼りない男」
「人を徹底的に信じる心」それは確かに美しい気持ちです。しかし「人を疑わない」は場合によっては”愚鈍”であると言えます。疑う=自己防衛でもあるのです。
女性は男性に「守ってほしい」ですよね。危険だと疑わしいことから守ってくれる、そんなリードをしてほしいのが女の子です。 「本当にそれを信じていいのか」という疑う気持ちを持たない理由には「疑ったら失礼だから」があります。
本質を見極めること、真実を探ろうとすることを「失礼だ」と言って避けているのです。
嫌な思いをさせたくない 「なにも聞かない無関心?男」
恋人の過去は誰でも気になるものです。中には反対に過去を聞いてほしいという人もいます。恋愛初心者ならまだしも、なにも聞かないのでは自分に興味がないと思われても仕方ないでしょう。
キャバ嬢も、ホストの男性も「質問」が本当に上手です。質問することで女性の気持ちを引き寄せ、離さないのです。 質問されることは、よほど度を越さない限りは気分の悪いものではありません。
自分よりも人を優先 「優柔不断男」
自己主張が激しいのも困りものですが、いつも自分の意見を後回し。何かを選択する場面ではまず、他人の意見に合わせます。
しかしまた別の人が違う主張をしたときは、それにも合わせようとします。結局どっちなのか?という質問にも答えられません。女性陣からもっとも嫌がられるのが優柔不断です。決断力が男性に求められるのは恋愛だけではありません。
イニシアチブをとってくれとまでは言いませんが、せめて「方向性」くらいは持っていて欲しいものです。
なにをしても怒らない 「どうでもいい男」
怒りを態度にしないのか、元から怒りの気持ちを持たないのか。それは性格にもよりますが、事と次第によっては怒ることは必要です。
何をされても怒らないのでは、人間関係でリスペクトされません。広い心の持ち主なのか、「見てみぬふり」をしているのか・・・。
デートをすっぽかしても怒らないし、別の異性と会っても怒らない。これではだんだんと「どうでもいい人」にされてしまいます。「どうでもいい人」は「どうとでもなる人」です。
女たちが求める「優しさ」とは
優しい=物腰が柔らかいというだけであれば、上の例はどれも確かに「優しい」です。
女性に「どんな男性とお付き合いしたいですか」と質問をしたら、回答の中に「優しい人」というものが必ずあります。その回答「優しい人」には様々な意味がこめられています。
しかし、女性の”その時その時”で「優しさ」の価値観が変化します。
女性の「その時」を可視化してみましょう。
・独身女性 恋人がいる ・恋人がいない
子供がいる ・子供がいない
働いている ・働いていない
・既婚女性 子供がいる ・子供がいない
働いている ・働いていない
など、男性でもおなじように分かれますが、女性特有の人生の岐路は男性よりも多いです。
(出産する、育児をするなど)
女性の立場で違う、求める「優しさ」のポイント
たとえば、独身女性で・恋人がいない場合に求める「優しさ」と、既婚女性で・子供がいて・働いている女性では求める「優しさ」は違います。
前者の場合だと、仕事の相談や、恋愛相談に乗ってくれる異性の友達は「優しい存在」ですし、友達から恋愛に発展するかもしれない期待感も合わせて「優しさ」となります。
後者の場合だと、母であり妻であり、社会的にも責任を負っている自分を理解して、協力してくれることが「優しさ」となります。
タイミングを間違えると「優しさ」ではなくなる
上で挙げた「優しすぎる男」の例ですが、女性の立場によっては「適度な優しさ」になることも確かにあります。「怒らない」の例ですが、既婚・子持ち・仕事をしている女性の場合、「家事がおろそかになっても怒らない」夫は、「どうでもいい人」ではありません。理解をしてくれる素晴らしい夫です。
しかし、「妻にも怒らなければ、子供にも怒らない」のであれば子供のしつけを全て女性がしなければなりません。子供がやんちゃをしてママに迷惑をかけることを、パパが怒ってくれないのでは、いつまでもママの苦労は減りません。こうなると「子供に甘いだけの優しすぎる夫」という評価に変わります。
求める「優しさ」はその時で変わる
男女関係なく、求めるものは「優しさ」に限らずその時々で変わります。ただこれまでお伝えした、女性が求める「優しさ」の価値観の変化を例にしてみましょう。
男友達などに求める「優しさ」
見た目だけでなく性格を見てほしい
恋愛対象として見てほしい
恋人に求める「優しさ」
自分を彼女として特別扱いしてほしい
恋愛感情をずっと自分に持ち続けてほしい
夫に求める「優しさ」
家庭以外での自分の人間関係を認めてほしい
自分の行動や取り組みを評価してほしい
「優しさ」を変えていくことが「優しさ」
このように立場によって求めるものが変わることはお分かりだと思います。男友達から夫になっていくプロセスですが、ご覧のとおり、ずっと同じ優しさは求めていませんよね。
その時その時に応じて優しさを変えていくこと、それが本当の「優しすぎない、適度な優しさ」となるのです。せっかくの「優しさ」も、時を誤れば「優しさ」ではなくなってしまいます。
まとめ
「あなたは優しいから・・・」と言われて、最初は素直に「ありがとう」と思いますが、その後で「ん?どういう意味だろう」と考えてしまうことがありますよね。
「なんであの時怒らなかったの?」「どうして断らなかったの?」と後に続く言葉を想像してしまいませんか?
男性だけに限ったことではありません。とくに、限度を超えたわがままを出来るかぎり受け入れ、たしなめもしない・・・それは優しさではありません。その人のためにならないことは「優しさ」ではないのです。
「優しすぎる」はそのようなことを「優しく」否定している言葉なのではないでしょうか。わがままをたしなめない事を「だらしない!」と表現したらカドが立つかもしれません。しかし、そのような「忠告」をすることこそ本当の「優しさ」なのかも知れません。
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