小さな子供は純粋な気持ちで親のそばにいます。可愛がって愛情を注いでくれないと、子供はまっすぐには成長しません。体は大きくなっても、何かしらの心の問題を抱えてしまったり、傷ついて屈折してしまう場合もあるのです。
そんな毒親と言われる人々の特徴を見ていきましょう。
毒親ってどんな人のこと?
名前に毒という言葉がついている通り、良い影響を与えそうな親でないことは言葉からしてわかります。どんな親なのか特徴をあげていきましょう。
子供に暴力を振るう親
子供に手をあげてしまう親は明らかに子供の心に深く傷跡を残していくでしょう。心や人の尊厳を傷つけていく暴力の根底には、子供を支配することとコントロールすることが潜んでいます。DVと一口に言っても、何種類か複雑に組み合わせられていて、見せしめとして行われている場合がほとんどのようです。
子供が親の表情や行動にビクビクしていたり、「帰ったら親にどんなことをされるかわからない」と思った時には既にDVの影響を受けている証拠かもしれません。それではDVはどんなものがあるのでしょうか?
身体的暴力
物理的に相手の体を傷つけるのが身体的暴力です。子供を殴ったり、蹴ったり、叩いたり、物を投げつけたり、首を絞めたり、タバコの火を押し付けたりの身体的暴力は、その時だけではなく、その後の子供にも大きな影響を及ぼしていきます。
幼い子どもは、親から攻撃されたことを「自分のせいだ」と感じるようになります。加害者である親が「お前のせいだ」と伝えたり、「お前を愛しているからだ」と伝えることによって、子供には親からの愛情と暴力の区別がつきにくくなり、その後人間関係を構築していくのが難しくなっていきます。
男は暴力をしてもよいと思ってしまえばDVの加害者になり、女は暴力を受けるものなのだと思ってしまえばDVの被害者になります。
育児放棄をする親
親が子供に必要な育児をしないことをネグレクトといいます。泣いている子供をあやさなかったり、お腹がすいている子供に十分な食事を与えなかったり、寒いベランダなどに放置をするなどの行動を指します。直接暴力をふるうよりも、子供の心を傷つけます。
ネグレクトも大きく分けて2種類あり、親自体がお金を持っていなかったり、精神の病や知的障害を抱えていたり、育児に対する知識を持ち合わせていないなどの消極的な態度で、育児ができないパターンです。他にも育児をするよりも仕事があまりにも忙しすぎて、育児の時間を確保できないことも考えられます。
もう1つは、金銭的にも時間の余裕もあって、育児に対しての知識もあるのにもかかわらず、何かの理由で育児をしようとしないケースもあります。
性的な行為を子供にする親
子供に無理やり体の関係を迫ったり、夜這いもあり、母親もその行為に気づいていながら守ってくれないなどの場合もあります。深く傷つくことはもちろんのこと、家族に誰も味方がいないなど、家族に対する意識も屈折してきます。
一番の味方であってほしい親が、一番の敵になってしまっている毒親は、以上のようなわかりやすく攻撃をしてくるものもあれば、一見「毒親」とは感じにくいものもあります。無意識のうちに毒親になっていないのか、見ていきましょう。
気づきにくい毒親もいる
親の価値観を押し付ける親
子供の人生や生活に悪影響を及ぼすのが毒親です。親子関係でも子供がまだ小さいうちは、家族の中で絶対的な存在として親がいます。いつも子供が何をしているのかを監視して、その行為にも口を挟んで、子供の価値観よりも親の価値観を押し付けるのも毒親と言えます。
暴力を振るっていないと言っても、親が子供に対して、とにかく親の言うことを聞いておけばよいと伝えたり、親に逆らうならご飯は抜きにしようと言ったり、勘当をしようとすると、子供は何とか親の言うことを聞かなければならないと感じるようになります。
親がいないと生きていけない幼い子供は、親に対して心の中に不安や恐怖心の種を植えつけていきます。
言葉で抑圧する親
子供の心に深く傷が残るのは、言葉の暴力もあります。何気なく親が発した言葉であっても、子供にこういった言葉を投げかけるのは問題があります。例えば「あなたは頭が悪い子だから」や「親の言うことを聞かない子はいりません」などの発言は、深く子供の心に刻み込まれます。
子供に過干渉する親
親は子供の幸せを願うものですが、それも行き過ぎると子供の大きな負担になっていきます。子供が進学を望んでいるのに学校に行かせなかったり、希望している仕事を否定したり、結婚を反対するなどの行動も過干渉と言えます。なぜ子供がその行動を移そうとしたのかという理由を聞かずに、頭ごなしに反対されたり意見されると、子供は不満を持ったり、葛藤します。
子供は親の言いなりになったのに幸せになれなかった場合、親を責めるかもしれません。でも人生の責任をとれるのは、あくまで親ではなく子供なのです。
親が子供に与える影響がどんなに大きいものであるかをわからず、親の自分勝手な思いで反対したり、発言したり行動したことは子供の心に深く傷跡を残します。
他の子供と比べる
誰かと競争させることで、ライバル心が芽生えてがんばるといった例もありますが、あまりに他の子供と比較させることはよくありません。兄弟でも子供にはそれぞれの成長に個人差があります。上の子供が簡単に出来たことでも、下の子供には難しいこともあります。親が励ましたことであっても、子供の耳にはそう受け取れないこともあります。自分にはできないのだという先入観を持ってしまうと、それを取り除くことは難しく、本当は出来る能力があるのに苦手意識を持ってしまって、取り組む気すら失せてしまうこともあります。
子供に悪口を聞かせてしまう
子供は親や家族を中心に自分の中の世界を広げていきます。子供なりに人間関係を構築していって、色んなことを知っていきます。子供はとても純粋に親の話を聞こうとするので、たまたま親が何か不満を持って、「あの人ってすごく嫌な人」と言ってしまったり、否定することによって、子供が作り上げようとした人間関係に自信が持てなくなります。幼い頃から交友関係を構築していくのが苦手な子は、将来的にも孤独な人生を歩んでいく可能性が高くなります。
豊かな人生を送っていくためにも、意識して子供には悪口を聞かせてしまわないようにしたいものです。
もしあなたが毒親だと気づいたら?
他人のことは客観的に見れたとしても、自分自身のことはなかなか気づきません。もし他に指摘されたり、以上の項目であなたが毒親かもしれないと思った場合にはどうしていけばいいのでしょうか?
あなた自身の人生を楽しむ
子育てはとてもエネルギーが必要なもの。子供を育てることによって得る感動や喜びもあります。その幸せがずっと続けばいいのにと願うのは、仕方のないことかもしれません。でも子供は確実に成長していきます。子供が親離れをしていこうとしても、親が子離れできていないケースは多々あります。
いつかは子供は巣立っていくということを頭のどこかに置いておきましょう。子供に依存せずに、入れ込みすぎないようにするためには子供中心の生活では離れられなうなってしまいます。あなた自身が充実した時間を過ごせるような趣味や、何かしらの楽しみを見つけられると、情熱を注ぐところも分散していきます。その後の人生が彩り豊かなものになるように、あなた自身の時間も少しずつでも増やしていくように心がけていきたいものです。
子供の思いを尊重しよう
生まれた時から子供のことを見ていると、素直で言うことを従順に聞いてくれる姿から、あなたの言いなりになってしまうのではないかという勘違いをしてしまいそうになります。でもそもそも子供は親とは違った存在であり、独立した人間なのです。
子供が親の言うことを聞かないからと言っても、腹を立てたりむきになるのではなく、お互いに親子としていい関係を保てるように、子供の人格を尊重するようにしましょう。
子供が自立をする時には、親の手を離れて、親を捨てていくような気持ちになってしまうかもしれませんが、長く大切な時間を過ごした親との家族の絆が一瞬で消えてしまうことはありません。自信を持って子供が羽ばたいていくのを見守るようにしましょう。
まめに子供と会話する
生まれた頃から子供とずっと一緒にいると、子供の存在があまりに近すぎて何を考えているのかわからないことが出てきます。そばにいても、何も言わなくてもお互いの気持ちが全てわかるかといえばそうではありません。子供であっても心地よい距離感をとりつつ、子供と向き合って何を考えているのかを理解する姿勢を大切にしてください。
子供がゲームやネットに夢中になると、そばにはいても会話がないなんていうことも珍しくありません。食事の時などに「今日はどんなことがあったの?」など子供の状況を引き出してみてください。
感情を抑えすぎない
子供にいい教育をしたいという気持ちが強かったり、親として完璧でありたいという気持ちが強いと子供の前で感情を押し殺してしまう人もいます。
確かに子供の前であまりにも感情をむき出しにするのは良くありませんが、子供は喜怒哀楽の感情を身近にいる親を見ながら学んでいきます。ある程度親の中で感情のコントロールをしていけば、大丈夫です。
まとめ
親子の形は様々ですが、子供がより良い形で成長できるような促せたるのがベストです。でも現実には親のささいな発言や行動にビクビクしたりしてしまう子供も少なくありません。子供は生まれてきた時に、親を選ぶことができません。無力な子供に辛く当たるような親であれば、心が屈折して成長していきます。毒親の特徴を知って、将来あなたが親になる時にどうすればいいかの参考になれば幸いです。