男性恐怖症とは?診断方法や原因、症状や治療方法を知ろう!

美しい女性

あなたは男性とコミュニケーションを取る際に、苦痛を感じたり苦手な意識を持つことはありませんか?
もしもそのような自覚があるのならば、「男性恐怖症」の可能性があるかもしれません。

また、男性恐怖症の悩みをすでに抱えていても、克服するための対処法をなかなか実践できていない人も多くいるという現状があります。
そもそも、どのように克服していけば良いのか分からない人もいるでしょう。

ここでは、男性恐怖症の概要から克服する方法まで紹介していきます。悩まれている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

男性恐怖症とは

悲しげな女性

普段から、男性と接する時にフラットな気持ちでいることができない、あるいは普段は大丈夫だとしても、ふとした瞬間に強い恐怖感に襲われるといった感覚があるとするならば、「男性恐怖症」の可能性があります。

男性恐怖症の人は男性に対して苦手意識があり、恐く感じてしまうこともあるため、触れたりすることはもちろん、話すだけでも不安感を感じてしまいます。一緒にいることに耐えられず、思うように男性と接したり恋愛ができなくなってしまうのです。

概要

男性恐怖症は恐怖症の中の一つであり、過去に体験したことなどがきっかけで男性がトラウマになり、個人差はあれど、男性に対して病的な恐怖心を持ってしまう心理状態となります。

トラウマの例としては、強姦や痴漢の被害に遭った、言葉によるセクハラ、失恋などの辛い恋愛、父親や兄弟などの身近な男性からの性的な虐待、子供の時の男子からのイジメの経験などがあります。

一般的には思春期以降から結婚するまでの若い女性に多いとされていますが、それ以外の女性や、男性が同性から性的な虐待を受けたことにより、男性も同じ症状になってしまう事例もあります。

特徴(男性恐怖症診断のチェック)

男性恐怖症の主な特徴を挙げてみましょう。
こちらはチェック項目としての意味も兼ねていますので、思い当たることの多い人は、男性恐怖症になっている可能性が高いと考えて良いでしょう。
13項目挙げましたので、思い当たる項目が過半数(7個以上)となる場合は、要注意です。

  1. 男性に、不安や恐怖感を覚えることがある
  2. 男性が近づいてくるだけでも、威圧感を覚えることがある
  3. 男性と話したり体が触れるだけで、赤面になってしまうことがある
  4. 男性が近づくだけで耐えがたいと感じることがある
  5. 男性のことを考えた時、嫌悪感や恐怖感を抱いてしまうことがある
  6. エレベーターや電車などで男性がいると、動悸や過呼吸が起きてしまうことがある
  7. 男性からの視線に恐怖を感じることがある
  8. 男性と話すだけでも緊張し、発汗してしまう
  9. 男らしい体型や仕草に対して、不快だと思ってしまうことがある
  10. 男性が近くにいるだけでも、変に緊張する
  11. 男性と2人きりでいると、緊張して気分が悪くなることがある
  12. 男性が近くにいると、普段通りに物事を考えることができなくなる
  13. たくましくて体が大きいといった力の強そうな男性に、恐怖を感じる

症状

◆赤面症

男性と目が合ったり少し話したりするだけで、赤面してしまう症状です。

◆吐き気

男性に対する嫌悪感や恐怖により、吐き気が起きてしまう症状です。

◆劣等感

自分の容姿や性格に劣等感を強く持つことで緊張してしまい、上手に話せなくなる状態です。

◆動悸

男性の前で、緊張したり恐怖感を覚えることで、動悸が激しくなる症状です。

◆過呼吸

エレベーターなどの密室空間で男性と二人だけになったりした際、過呼吸になってしまう症状です。

◆不潔恐怖

性的被害に遭ったことがトラウマで、男性の体液などで体が汚れているような感覚に陥ってしまう症状です。これにより、体を執拗に洗ってしまう状態となります。

◆外出恐怖

強姦や痴漢の被害経験などがあると、外を歩いている時に「また襲われるかもしれない」という恐怖感に駆られてしまい、外に出ることができなくなってしまう状態です。

◆視線恐怖

男性の視線に恐怖感を覚える症状です。誰かと目が合うだけでも怖いため、買い物すら行けないという状態にもなってしまいます。

◆多汗症

男性と接するだけでも緊張し、汗が過剰に出てしまう症状です。

◆対人不安・緊張

男性と会う際に、上記のような症状が出てしまうために不安感や疲労感に陥ってしまう状態です。

男性恐怖症の原因

物憂げな女性

男性恐怖症の主な原因はトラウマと云われています。つまり、過去の辛い体験により引き起こされてしまう症状となっていますが、その具体的な要因を見ていきましょう。

幼い頃の男子からのイジメ

幼い頃の苦い思い出が、トラウマになってしまう場合があります。
男子たちから「ブス」などといった暴言を受けていたり、暴力を受けて泣かされた、仲間外れにされたなどのイジメを受けたことでトラウマとなってしまい、男性恐怖症になることがあります。

父親など身近な男性からの虐待

最も信頼することができるはずの存在である家族から虐待を受けたことなどが原因で、男性恐怖症になってしまうといったケースは珍しくありません。

幼い頃、父親が気に入らないことがあると怒鳴るためいつも恐怖を感じていたりすると、自分が虐げられているように感じてしまうものです。暴力を振るわれたりした苦しい思い出は、なかなか消せるものではありません。

性的暴力

満員電車で痴漢に遭ったり、夜道で強姦されたといった場合は、特に深く精神的にも身体的にも大きな傷が残り、記憶から消すことができない極めて強いトラウマとなることが多いものです。
そのため、密室や夜道など、その当時の状況を連想してしまうような場所にいるだけでも震えが止まらなくなってしまったり、正気を保てなくなることもあります。

失恋

深く愛していた人から振られたといった失恋の経験により、男性恐怖症になってしまうこともあります。その時に相手の男性から言われた言葉が、大きなトラウマとなってしまう場合もあるでしょう。
まるで自分自身を否定するようなことを言われたといった場合は、自分は男性に愛してはもらえない、自分のことを相手にはしてくれないといった自己否定的な感情を持つことに繋がります。そして、そのまま男性恐怖症になってしまうことがあるのです。

裏切られた

友達や仲間だと信じていた男性に騙された、裏切られたといった経験から男性不信となり、「男性は裏切るもの」と思ってしまうパターンです。
男性に対して嫌悪感を持ったり、また裏切られることへの恐怖感から、男性恐怖症になってしまうことがあるのです。

男性恐怖症の治療方法

カウンセリングルーム

トラウマが原因の場合は症状が強く、ずっと引きずってしまうことが多いとされています。
このため治療も難しい面がありますが、カウンセリングや精神分析、認知行動療法や催眠、イメージ療法といった心理的アプローチだったり、漢方薬や抗不安薬などによる薬物療法も行われています。

カウンセリング

男性恐怖症の程度には個人差があるため、当然ながら要因も多様です。中には、自分だけの力では乗り越えることが困難という場合もあるでしょう。そういった時は、カウンセラーなどの専門家に相談してみるというのも一つの方法です。

トラウマの程度があまり重くない場合は、カウンセリングなどの心理的アプローチだけで改善してくることも多いようです。しかし、今の精神科や心療内科の病院では、心理的アプローチだけでは時間ばかりを要してしまい、非効率ということで敬遠される傾向にもあるようです。

薬物療法

「治療」という観点では、漢方薬や抗うつ剤、抗不安薬といった薬物療法がメインになっているようです。
しかし、薬物療法は一時的なものです。よって、根本的な解決に至らないことが多いのです。
また、この方法では、一生薬を飲み続けなければならない可能性も高いため、やはり大切なのは意識的に自分の心をケアしていくことでしょう。その方法については、次項で紹介していきます。

男性恐怖症の克服方法

幸せな女性

医学的な「治療」ではなく、自ら心のケアを行うということは、ある意味で最も大切なことと言えます。

どんなに外的なアプローチをしようとも、最後にモノを言うのは自分自身の意識なのです。(※神経症が原因の場合を除きます)
もしあなたが男性恐怖症であり、苦しい日々を送っているのならば、これから紹介する方法をぜひ試していただければと思います。

男性の嫌な面を書き出して可視化する

精神状態的に可能ということであれば、男性の嫌な面を紙に書き出してみましょう。

思いつく嫌なことを書いてみることで、自分がどのような男性に恐怖心や嫌悪感を抱いているのかを目で見て確認できます。そうすることで、自分の周りの男性たちがそのような人たちではないということに気づくきっかけにもなるはずです。

少しずつ慣れる

自分が苦手とする男性を改めて認識できたら、周りを観察することで、苦手意識が薄い男性を選ぶことができます。その中で、少しずつ慣れる練習をしてみましょう。この時は、自分一人で男性に相対しなくても良いのです。学校、職場、友人関係などの中で男女混合のグループに参加することで、いざという時は女性に助けてもらうことができます。もし、どうしても耐えられなくなってしまったならば、その場から抜け出すこともできます。

あなたが男性恐怖症であることを知っている人がいれば、あらかじめ男性恐怖症を改善したい旨を伝えておき、意識的に協力してもらうというのも良いと思います。急に克服しようとはせず、「少しずつ」慣れていくことを心がけてください。

自分を褒める

今まではできなかったことが少しでも克服できてきたと感じたなら、自分を目いっぱい褒めましょう!

自信を持つことで克服していける男性恐怖症もありますし、そうではなくても、これまで無理だったことが少しずつできてきたなのなら、それを大きな前進と捉えてください。
些細ではあっても、その少しずつの変化が、次第に大きな変化へと繋がっていくはずです!

無理はしない

「男性恐怖症を何とか克服したい!」という立派な気持ち自体は、目いっぱい褒めてあげてください。ただし、無理をしたり焦ったりしないように気をつけましょう。

焦ってしまい無理な行動に出てしまうことで、逆に男性への恐怖心が強く出たり、状態が戻ってしまったりなど悪化を招いてしまうことがあります。少し苦しいと感じてきた場合は、あえてしばらく休むなど、絶対に無理はしないということを心がけておきましょう。

焦る必要はありません。人は「変わりたい」と思った瞬間から、新しい変化が始まっているのですから。

まとめ

男性恐怖症の概要から症状、原因や克服方法まで、すべては伝えきれていないものの一通りのことを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

実際のところ、男性恐怖症で苦しんでいる人は大勢います。決してあなた一人ではありません。そして、克服した人が大勢いるのもまた事実なのです。
焦らず無理せず、少しずつで良いので一歩一歩改善していけるように、意識をしていってくださいね。
一人でも多くの方が男性恐怖症を克服され、平和な日々を過ごしていけることを祈っています。