毎日忙しく過ごしていると、ついつい起こってしまいがちな「失敗」。普段の私生活においての失敗は自分自身のみの問題で留まることができますが、社会人として会社に勤める立場となると遅刻などのほんの小さな失敗でも責任が伴うモノですよね。
人間誰しも失敗とは隣合わせです。完璧な人間なんていませんよね。そんな誰にでもあり得る失敗だからこそ、実際に失敗してしまったときの対応こそが重要なカギともいえます。そんな対応のひとつである「反省文」。具体的にはどのような内容が重宝するのでしょうか?実際に見ていきましょう!
そもそも反省文って何?
学生時代にはよく耳にした方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には関係なく過ごしてきた方がほとんどですよね。
身近だと感じがちな反省文ですが、意外と実態を知らないのも事実。そんな反省文の全貌を見ていきましょう!
反省文の宛先とは
そもそも反省文は誰に提出すべきモノなのでしょうか?遅刻などの少しの失敗で求められるのが反省文ですよね。
「すみません。」と謝るのと同じで迷惑をかけた人物、すなわち直属の上司など近しい存在の人へ宛てるのが一般的です。直属の上司へ宛てる文書という事は、一種の戒めでもあり、今後の是正のために提出するといった意味合いが込められています。あくまで一対一の個人間でのやりとりといった印象ですね。
反省文を受け取った側である上司は、その反省文の内容で今の部下のモチベーションなどを汲み取ろうとしていることでしょう。ただたんに寝不足であったとしても残業が続いていないか、何か業務が滞っているのかなど把握することのできるツールでもあります。学生の頃であれば、反省文が面倒だから・・・といった理由で遅刻を避けていた方もいらっしゃると思いますが、社会人である以上は責任が伴うということです。
反省文≠始末書
反省文の類似として始末書というものがあります。一見、同じようなモノに思えますが実は全くの別物なんです。反省文は前述のように直属の上司までの方に宛てる文書でしたが、始末書は会社など組織や直属の上司以上の上長などへ宛てる謝罪も兼ねた文書のことを指します。また、名前にもある通り「始末」すなわち何らかの罰則が科せられる場合も十分にあり得るということです。
始めは反省文であったにせよ、何度も同じミスをしていたり、改善が見られない場合や大きなミスなどが発生し、直属の上司だけではどうにも対処できない場合などに始末書の提出を求められるようです。
始末書を受け取った側の人物は、何故その最悪の結果を招く事態になったのかを当事者から文書として受け取ることで今後の対応などを決定していくことになるようです。
反省文の立ち位置
反省文と始末書の違いはハッキリとしましたが、やはり使い分けは重要なようです。反省文はあくまで「戒め」であり、始末書は「謝罪文」です。
よく芸能人や政治家、会社の社長さんなどが何か問題を引き起こした際に記者会見を開きますよね。そのような立ち位置にいるのが始末書のほうなんです。反省文はあくまで報告ともとれる戒めのための文書なので伝えることがメインとなります。
もちろん、反省文よりも始末書のほうが謝罪レベルが高度なため、始末書には罰則が付き物になってしまいます。反省文にはないペナルティが伴うモノが始末書なので会社に対する正式な謝罪をするときは始末書を用いて下さいね。
反省文での注意点
反省文の性質についてみてきました。それでは今までの基礎的な知識を踏まえて、実際に反省文の執筆にあたる際に注意すべき点とは何でしょうか?社会人になった今では今さら人には聞けない、書き方や言い回しなどの細かい部分に焦点を当ててみていきましょう!
「流れ」が大切
反省文では文章構成が非常に重要になってきます。直属の上司とはいえ、口頭ではなくあえて文書に起こして伝えるということはそれなりの礼儀が生じるのです。どんな失敗を何が原因で起きてしまい、再発防止に努めるにはどうすべきなのかをきちんと明記する必要があります。もちろん、迷惑をかけてしまった事にたいする謝罪の文も必須です。
このように反省文の中での流れをきちんと意識することで、読み手である上司にも正確に伝えることができ、新たな信頼関係を築くことができるかもしれません。失敗してしまって、反省文の提出を求められたとしても、チグハグな内容であればやはり正常な感情は抱かれないことでしょう。きちんと流れを踏まえることがポイントです。
まずは「原因」を伝える
それでは、流れのまずは核ともなり得る「原因」についての記述です。
何が原因で遅刻やミスなどの失敗が起こったのかを明記することが重要です。直属の上司であるとはいえ、四六時中ペッタリとあなたについている場合はほとんどありませんよね。もちろん、失敗に対しても表面上である結果のみしか把握できていないことも少なくありません。そんな上司に「その失敗」が「どのようにして」起こってしまったのか、ということをきちんと伝えるための記述になります。起因をハッキリとさせることで誤解による2次災害的トラブルを回避する目的も兼ねられているんです。
もちろん、いい訳をする場面ではありません。素直な気持ちで執筆することこそがよりよい解決への近道なのです。あくまで客観的に自分を見つめてみることが重要なのです。そうすることで上司のキモチにより近づくことができ、理解も比較的得られやすいでしょう。自分に不利益だから、という理由だけで内容を省いてしまうと、事によっては「隠ぺい」となってしまい、さらにペナルティが課せられる場合もあり得るので注意しましょう。
そのままの真実を伝え、信頼関係を大切にすることこそが今後のワーキングライフに幸運をもたらすことでしょう。
反省の意を伝える
次に「原因」や「事実」に対する自分の犯してしまった失敗についての「謝罪」を記しましょう。言いっぱなしでは開き直っている印象や、全く反省していないとの解釈をされてしまいがちですよね。悪いことをしたら謝る、という基本的な論理に基づいています。
謝罪の例文としては、「誠に申し訳ありませんでした。」が基本となります。自分だけでなく、チームとしての失敗や広範囲において失敗における影響が出てしまったときには「心よりお詫び申し上げます。」など高レベルな謝罪が好まれるでしょう。
遅刻などの比較的初期の失敗には前者の「誠に申し訳ありませんでした。」がベストとなるでしょう。2度目の遅刻などでは、「前回と同じ過ちをまた繰り返してしまい、申し訳ありません。心よりお詫び申し上げます。」などが丁寧で良いでしょう。
最後は「再発防止策」を明記する
謝罪が済めば、今後の留意点でもある「再発防止策」を明記しましょう。原因や事実などの失敗に対する再発防止策なので、今回の失敗の原因が起こらないようにするにはどうすれば良いかをきちんと明記する事が重要なポイントです。
そうすることで、自分自身の改善策をたてられることはもちろん、上司へも宣言することとなるのでモチベーションの向上へも繋がります。また、改善策を共有することも大切なのです。
あくまで誠意を見せる内容を心がけるようにしましょう。そうすることでより反省の意が伝わり、上司も今後の対応をしやすくなります。また、反省文上だけの口から出まかせ状態にならぬよう、日頃からの努力も忘れないようにしましょう。
言い切り、敬語はきちんと使う!
反省文では起因や事実に対する謝罪、改善策を明記する書類であることが分かりました。
そんな反省文では「~と思います」などのどこか他人事とも捉えることができるニュアンスは避けるようにましょう。あくまで客観的な意見が重要でもあるのですが、はっきりと「~です・~ます」のように言い切りの形をとることで、自らの失敗を認め、今後の再発防止に向けた決心を感じることができますよね。
また、上司に宛てる文書なので、失礼のないように正しい敬語を用いることも重要なポイントのひとつとなります。間違った日本語や敬語を用いてしまうと人間性を疑われてしまったり、信頼を失墜させてしまったりと新たなトラブルへと発展してしまうので注意してくださいね。きちんとした言い回しを当たり前に操ることができてこそ、社会人としてのスタート地点に立てていると自覚が大切なんです。
反省文の書き方
それでは、今まで紹介してきた知識を用いて、実際に反省文を執筆してみましょう!
用紙や筆記用具はどうするの?
会社によってPC上のフォーマットもしくは用紙が用意されているのであればそちらを使用しましょう。自分自身で作成しなければならない場合は、「タイトル(必要な場合)」「宛先」「日付」「反省文本文」「署名」を忘れないように作成するようにしましょう。
手書き指定の場合は、A4用紙に黒いボールペンで丁寧な字で記入するようにして下さい。書き損じなどが生じた場合は決して面倒がらずに新しい用紙に最初から書き直すことが大切です。
PCでの作成が認められている場合は、全てワードなどの文書作成ツールで記入して構いませんが、最後の署名欄だけは手書きで記入するように心がけて下さい。
遅刻に対する反省文の例
○○課△△(課長などの役職名) □□殿
平成○○年○月○日
私、××××(名前)は本日早朝に発生致しました、△△電鉄△△線における人身事故の影響により、出社時間および就業時間に約○時間程遅れました。その為に、定例会議に出席する事ができず、自身が携帯しておりました配布予定の資料を提示することができず、多くの社員の方にご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
普段であれば約○分前に出社しておりましたが、共有すべき物を準備できずご迷惑をおかけしてしまったので、配布資料などは共有ファイルなどへも保存し、再発防止に努める所存でございます。
××××(名前・自署)
まとめ
いかがでしたでしょうか?一言で反省文といっても実際の会社における謝罪文の書き方や提出の方法、誰に宛てるモノであるのか、などが明確になりましたね。あくまで反省文の出番がないことが理想的ですが、社会人として知識を身につけておきましょう!