「内定取り消し」実際に就活をしている学生さんにとっては、かなり恐ろしい言葉だと思います。内定取り消しとは読んで字のごとく、就職活動の末、内定を勝ち取った会社からその内定を取り消されてしまうことです。
学生からしてみたら、たまったものではありませんよね。「自分には関係ない」と思っていても、意外と見渡すと内定取り消しになった人はいるものです。それでは、一体どんな理由で内定取り消しが起こるのでしょう?万が一、内定取り消しになった場合にはどんな行動をとるべきなのでしょう?一緒に見ていきましょう。
内定取り消しの様々な理由
卒業できなくて内定取り消し
これは内定取り消しで一番あり得る理由ではないでしょうか。私の周りにも実際いました。内定ももらったし、あとは遊んで卒業を待つだけ~と油断していたら、最後の最後で楽勝だと思っていた単位を取れなかった…。必修科目を4年まで先延ばしにしてしまい、後がない状況でまさかの落第…。という自業自得なパターンです。
本質から言うと、大学は勉強しに行くところですので就活を含めて他のことをする前に、まず学業ですのでこの場合の内定取り消しは仕方ないですね。単位はきちんと計算して取っておくこと、できれば余裕をもって1~2年のときに多く取っておくことををおすすめします。
SNSの投稿で内定取り消し
これはSNSが広く普及した近年に見られる内定取り消し理由であり、意外な落とし穴とも言えます。最近では候補者や内定者のSNSをチェックしている企業の採用担当も多くいます。SNSでうかつな発言や投稿をするのはリスクをはらんでいることをお忘れなく。
実際にSNSの投稿によって内定が取り消されてしまった学生は、SNSに犯罪をにおわせるような投稿をしたり、企業の担当者を馬鹿にするような発言をしているのを発見され、情報のリテラシーがないと判断されたという例などがあります。犯罪者を雇いたいと思う企業はあまりないでしょうし、実際に入社してから企業の情報を同じように流したりする恐れがあると見られてしまうのも無理はないですよね。日頃から、SNSでのうかつな投稿はしないように気を付けましょう。
会社の業績悪化で内定取り消し
これが内定者にとっては一番辛い内定取り消し理由かもしれません。自分に非があるわけではないのに内定を取り消されてしまうのですから…。ですが、実際リーマンショックが起こった年の内定取り消しが続出した時期の理由はこちらがやはり多かったようで、運の悪さを嘆いた学生もたくさんいたようです。
業績が悪化した場合、現在働いている社員をクビにする前に、やはり内定者が犠牲になってしまうことが多いようです。こればかりは景気や、その企業の安定性など一口に判断できない場合もあるので難しいところです。
会社に合わないと判断され内定取り消し
少し前に、某テレビ局が、アナウンサーとして内定を出していた女子学生に対して内定取り消しを行ったことが話題になりました。
理由は、彼女が学生時代にしていたホステスのアルバイトにありました。清廉性があるアナウンサーという職業に就く者が、こういった経歴があってはいけないと採用側が判断し、内定を取り消したのです。ホステスの仕事が清廉性を欠くものかどうかは人それぞれの判断によりますが、イメージというものが何よりも大切なアナウンサーですから、そのへんを考慮してのことだったと考えられます。
しかしこの女子学生、その語テレビ局を提訴、そしてなんと和解に至り、見事に内定を奪還しました!内定取り消しを受けてもその決定を覆せるという結果に励まされた方もいるのではないでしょうか。
妊娠がわかって内定取り消し
女性の場合は、妊娠が判明して内定取り消しになることも。企業側としては、入社して間もなく産休に入られたり、妊娠期独特の体調不良を理由に会社を休まれるのは避けたいところです。
女性としても、妊娠期の大切な時期に慣れない環境で無理をしても自分が辛いだけです。この理由ばっかりは自分の今後のことも良く考えて受け止める必要があるかもしれません。
内定取り消しになってしまいそう…なにか方法は?
このままなにもしなければ内定取り消し確実…。でも泣き寝入りしたくない!という場合、どうしたら良いでしょう。もしその会社にどうしても入りたいのであれば、やれることはすべてやって、それでもだめなら縁がなかったとあきらめましょう。では、一体どんな対処方法があるのでしょうか。
留年確実なら…まずは大学側と交渉!
もしも留年が確定し、内定が出ていた会社に入社することができなくなってしまいそうなときは、まず大学側に相談してみましょう。お世話になっているゼミの先生、落としてしまった単位のクラスの先生、就職支援課など、手を差し伸べてくれそうな人たち全てにとりあえず今の状況と、なんとか卒業をしたい旨を相談してみましょう。
もしかすると、再テストや、レポートを提出すれば単位をなんとかしてくれるという教授もいるかもしれません。日頃から教授をはじめとする周りの人達とコミュニケーションをとって大切にしていくと、いざというときに助けてくれるかもしれません。
企業側に入社時期の相談
学校側でできることはやったが、やっぱりそんなに甘くなかった…という場合は、「内定取り消し!」と言われたけれど、企業にもう一度アタックしてみましょう。もしも単位が半期あれば取れるのなら(というより、絶対取ってください)、4月入社ではなく、9月入社ということでなんとかならないか相談、提案をしてみてください。
海外留学などをしていて9月入社をするという人も結構いるはずです。ここで自分がどれだけその会社に入りたいのか、入ったらどれだけ貢献できるのかを真剣にプレゼンしてください。もう恥ずかしいとか言ってる場合ではないのです。可能性のある手はすべて使いましょう。
実際、私の友人でもこうやって、入社時期を待ってもらうことに成功した人がいました。ダメ元でも奇跡が起こる可能性もあるのです。
仕方ない…。退学して入社
これは賛否両論分かれるところですね。予定通り卒業できないなら、学校辞めて予定通り入社するというパターンです。私の専門学校に通っていた友人で、このパターンで就職した子がいます。その友人は、もう勉強これ以上したくなかったし、企業側もOKしてくれたので、後悔はないと言っていました。
ただ、退学をするとなると、企業側からの印象が悪くなる可能性もあります。なにより、自分自身が、本当にそれで良いのか考えてみる必要がありますね。ちゃんと卒業すればよかった…。と思う日が来ないと言い切れますか?その会社は、退学してまでどうしても入りたい会社ですか?きちんと自分と向き合ってから決めましょう。
弁護士や相談窓口へ
留年以外の理由で、内定取り消しになりそうな場合は、そういった問題に詳しい人に話を聞いてもらい、的確なアドバイスをもらうのが一番です。内定取り消しなどの労働問題に詳しい弁護士さんもたくさんいるので、探してみてください。各都道府県の自治体などでも、労働問題の相談窓口がある場合があるので、相談しにいってみるのも良いでしょう。こういった問題は、どうしても自分だけでは解決することは難しいです。
もしもなんとかして内定取り消しを取り消してほしい、このまま諦めるなんてできない!という人は、知識のある人に相談しに行くというアクションが必要になってきます。
この会社には縁がなかったと諦める
あなたは内定取り消しを突き付けられたその会社の、どこに今魅力を感じていますか?うまく答えられなかった場合は、少し考えてみてください。もう一回就職活動をするのが面倒だから、皆に言うのが恥ずかしいから?なんだかこのままでは悔しいから?ポジティブな理由ではなく、ネガティブな理由しか思い浮かばないのであれば、そこまでしてしがみつく意味はあるのでしょうか。
前述の某テレビ局のアナウンサーのように、裁判を起こしてでも、和解して入社させてもらいたい!という強い意志があるのであれば、とことん頑張ってみてください。しかし、ものは考えようで、あなたがその会社に行かない選択をすれば、もっと良い会社があなたを迎えてくれる可能性だってあるのです。実際、私の友人でも、内定取り消しをくらってもう一年留年して就職活動を行った子がいました。彼女は立派に翌年誰もが知っている大手人材会社に就職しましたよ。
その会社よりももっともっと良い会社はたくさんあります。この悔しさをバネにして違う会社に目を向けてみるのももちろん、アリでしょう!
まとめ
内定取り消し…。自業自得の場合もあれば、完全に会社側の理不尽な理由によって言い渡される場合もあるようですね。
どちらにしても、打ちのめされる経験にはなると思うので、心を強く持ちましょう。自分の責任であればもう済んだことは仕方ない!しっかり反省をしたら、前向きに他の会社を探しましょう!会社側の勝手な都合で内定取り消しとなってしまったならば、自分が一体どうしたいのか考えてみる時間を作りましょう。なんとしてでも入社したいと思うのならば、とことん手を尽くしてしがみつきましょう。
そこまでできないのなら、他を探した方が良いです。もう、この会社には入らない方が良いと天からお告げが来たと思っておきましょう。その会社よりももっと良い会社があなたを待っているはずです。