相手に初めて連絡を送る、もしくは急に変な時間に連絡を取らなくてはいけないときに使用する「突然のご連絡〜」という文言。
日本人であれば誰もが使用したことがあるワードでしょう。営業を担当しているビジネスマンだと特に多いと思います。
ビジネスマナーとして書き出しの文章で断りを入れることは常識となっていますがもっといい表現はないでしょうか?
ここでは突然のメールを送る際の注意点とその例文について紹介していきます。
突然の連絡をする際の注意点
突然のメールを送るときに日本ではよく「突然のご連絡失礼いたします」とワンクッション挟みます。
ビジネスマナーとして突然のメールや初めて連絡をする相手に対してどのような出だしで始まればいいでしょうか。注意点を押さえておきましょう。
まずは自分の正体を明かそう
社会人になれば一気に人付き合いの幅は広くなります。
顔と名前が一致しない人や、名刺を交換してしばらく経っていて誰かはっきりわからないケースも少なくありません。
そんな場合にはいきなり前置き無しに本題に入ってしまうと、「この人知り合いかな?」「何度か取引したことのある人かな?」と相手を混乱させてしまいます。
なのでその勘違いをなくすためにも「初めてご連絡をさせていただきます」や「突然のご連絡失礼いたします。貴社のウェブを拝見してご連絡をさせていただきました」などと表現すると自然でしょう。
相手もどう言う人からの連絡が来たのかが初めの文章でわかるので、その後の連絡の内容も書き出しの文章に修飾された状態で把握できるのでより内容がはっきりするでしょう。
件名に出だしの文章を入れてみよう
件名にメールの内容に適したタイトルをつけても構いませんが、初めてのメールや突然のメールでは件名に「突然のご連絡失礼いたします。〜〜会社の==と申します。」や「初めてご連絡をさせていただきました。==で名刺交換をさせていただいた〜〜会社の**と申します。」などと入れてもいいでしょう。
初めてのメールを送る際は相手にアドレスが登録されていなかったり、こちらが名前表示を登録していない場合、相手に名前が表示されず迷惑メールだと思われたりして流れてしまう可能性があります。
件名で身分を明かすことで相手にすぐに読んでもらうことができるでしょう。
しかし件名と文章が二重になってしまうといけないので「ご高覧感謝いたします。この度〜についてご連絡させていただきました」などと書き出し文を変更すると綺麗にまとまり、相手も読みやすいでしょう。
次からのメールの件名はシンプルで、件名に案件のキーワードを含めて後から検索しやすいようにして置くとなお良しです。
突然のメールをもっと具体的に
突然のメール申し訳ありません。このように書き出すことがありますが、これを必要だと思わない人も中にはいます。あまり意味がありませんし、基本的にメールは一方通行から始まる突然のものだからです。
このような出だしで断りの文章を入れたい場合は「夜分遅くに申し訳ありません。〜〜の件についてご連絡させていただきました」「初めまして。ウェブを拝見して連絡させていただきました」「〜〜様からのご紹介を頂き、興味があり連絡させて頂きました。」などより状況が具体的に記されている方が読み手としてはいちいち質問をしなくても状況が飲み込めますので親切である文章になります。
もし意味もなく「突然のご連絡〜」を使用しているのであれば、他の具体的な文章に置き換えた方が適切でしょう。
営業電話の「突然のご連絡申し訳ありません」はNG
NGというのは使用方法が間違っているとか、話し言葉として正しくないと言っているわけではありません。
いきなり知らない人から「突然のお電話申し訳ありません」と話されたら完全に聞き手は(営業の電話だめんどくさい)とマイナスな印象から入ってしまいます。
よほど相手に利がある話や、サプライズが用意されている内容であれば問題ありませんが、相手は初めの言葉を聞いただけでその後はずっと早く電話を切ることを考えてしまいます。
ですのでこの場合は「==会社の〜〜と申します。先日はお問い合わせ(ご足労いただき/弊社のサービスをご高覧いただき)ありがとうございました。◯分少々お電話よろしいでしょうか?」身分を明かすところから始めた方がいいでしょう。
または「==会社の〜〜と申します。ただいま**市周辺にお住いの方々にご連絡をさせて頂きまして弊社のサービスの提案をさせていただいております。5分ほどお時間いただいてもよろしいでしょうか?」とこれくらいの文章であればほぼ一息で相手に文章として伝えられて簡潔に把握させることができます。
できるだけマイナスから入らない営業電話で明るい声でハキハキ喋り、断られても「もし気になることがありましたら何なりとお申し付けください。」と言って対応した方がいいでしょう。
お世話になっておりますとの使い分け
突然のメールを送る際の書き出し文に使用される言葉は「突然のご連絡申し訳ありません」や「初めてご連絡させて頂きます」だけではありません。
他にも使用される書き出し文の例を紹介します。
言葉の使い分けについて把握しておきましょう。
初めての取引には使わない
何度か会う機会があっても、仕事や何かの近所の付き合いや、家族間の付き合いなどがない場合で顔見知り程度の相手に初めてのメールなどを送る場合「お世話になっております」ではなく「初めてご連絡をさせて頂きます。==でお会いした〜〜と申します。」と表現した方が自然でしょう。
面識すらない人に「お世話になっております」という人はいないでしょうが、これも間違いです。
逆に面識程度であまり知らない人や全く知らない人に「お世話になっております」と言われると(え!?何かあったっけ?自分が忘れてるだけかな?)と相手を混乱させてしまいます。
なので初めての取引の人には「お世話になっております」は使用しないようにしましょう。せめて2回目からです。
会社間での取引が過去にある場合はOK
個人同士では初めましての間柄でも、会社間での取引があるのであれば「お世話になっております。==会社の〜〜と申します。」と表現しても問題ないでしょう。
むしろ「お世話になっております」と表現することで会社間の取引を尊重している姿勢が感じられて印象がよくなります。
しかし、内容が個人とのやり取りに偏っている場合は書き出し文を選択した方がいいでしょう。
しばらく時間が空いた場合は「ご無沙汰しております」
しかし初めての取引でなくても、しばらく連絡に間が空いてしまった場合は「ご無沙汰しております」が正しい出だしでしょう。
取引の内容にもよりますが「お世話になっております」は定期的に会社との取引を継続してしている場合や取引以外で仲良くしている人に対して使用する出だしで、一旦取引を中断していたり、しばらくあっていない場合の2度目の連絡の場合には「ご無沙汰しております」を使用します。
使い分けについては感覚でわかると思いますが「お世話になっております」「ご無沙汰しております」「初めてご連絡させて頂きます」「突然のご連絡申し訳ありません」これらの言葉を使い分けて連絡をする相手に内容の背景を伝えるようにしましょう。
書き出しの例文
突然メールを送る際や初めてのメールを送る際に使える書き出しフレーズの例文について紹介します。
シーンごとに適切なものを使い分けて表現の幅を広げましょう。
突然のメール失礼いたします
「突然のメールで失礼いたします。==誌を拝見して連絡させて頂きました。〜〜社の**と申します。〜〜〜以下要件〜〜〜」
雑誌の取材や、撮影の許可などを取りたい時にオーソドックスとなる挨拶文でしょう。
表現としてももっとも一般的で使いやすいです。
はじめてご連絡をさせて頂きます
「はじめてご連絡させて頂きます。==会社で〜〜を担当しております**と申します。〜〜〜以下要件〜〜〜」
少し砕けた言い方で人柄の柔らかさが伝わるのではないでしょうか?
どうしても相手にかしこまられると、自分側もかしこまらなくてはいけないという精神で受け取り手も無理に気を使ってしまい、メール慣れしていないと苦労するということがあります。
相手に気を使わせないために、でもきちんと節度を持って相手に接する時に十分な表現と言えます。
他にも「はじめてご連絡を差し上げます」という表現があります。この表現も正しいのですが、近年ではこの「あげます」という表現にどうしても棘を感じてしまうことで目上の人に使い言葉としては正しくないのではないかと印象が変わってきている傾向があります。
はじめまして
「はじめまして、==会社〜〜部の**です。〜〜〜以下要件〜〜〜」
もっとも短く簡潔な表現です。元気で若々しい様子が伝わりやすい言葉選びでしょう。若い男性や女性が使用する文章としては好感が持てますが、中堅以上のクラスが使用する言葉としてはやや貫禄や重みに欠けるかもしれませんね。
まとめ
初めてやいきなり相手に送るビジネスメール相手に失礼にならないようにと深く考えるあまり言葉が長くなってしまったり、読みづらい文章になってしまうことがあります。
社会人としてメールを書くことは1日に数十件に登ることもあります。呼吸のようにできないと時間のロスに繋がります。
すでにある型を利用して自分なりにアレンジして綴ることがポイントです。少しずつ慣れてノウハウを身につけていきましょう。
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