みなさんは『ルート営業』という言葉を耳にしたことがありますか?
この『ルート営業』が今、密かに人気の仕事なのです。どんな仕事をしているのか、いまいち良くわからない人もいると思います。営業をしている人なら「知らな人なんているの?」レベルの話かもしれません。
《転職》を考えている人は知っておくと選択が広がりますし、すでに知っている人でも基本を見直すことで新たに気づく事もあるかもしれません。この機会に基本を見直してみるのも良いと思います。
今回は『ルート営業』の特徴や、メリット、デメリット、どんな人が『ルート営業』に向いているのか…など詳しくご紹介していきます。
『ルート営業』特徴
『営業』と聞くとみなさんはどういうイメージをもっていますか?
よく聞くイメージは《残業が多い》《ノルマが厳しい》という意見が多くあがります。今回お話する『ルート営業』は普通の営業とは少し違います。
新規ではなく《既存の顧客》が相手
『営業』の仕事は《新規のお客様》の所へ飛び込みやアポを取り、訪問し自社商品をプレゼンし売ります。
しかし『ルート営業』は過去に取引がある《顧客様》の所へ定期的に訪問し、意見や要望を聞き、ニーズにあった商品をピックアップしプレゼンします。そして自社商品を売るのです。
継続的な取引
前から取引のある《顧客様》に商品を売るので、新規の会社に飛び込み営業がない分『ストレス』があまりないように思いますが、既存の顧客と『継続的な取引』をしなくてはいけません。その中で売り上げを出すのです。
それは、自分が何か信用のなくすような事をして、相手を怒らせ「取引をやめる」などと言われてしまったら、大きな損害を出すリスクがあります。前の代からずっと取引をしてくれている長い付き合いの顧客の担当を先輩から受け継ぎ、顧客様のニーズに常に答えなくてはならないという『ストレス』は普通の営業よりも、はるかに大きくなってしまいます。
とにかく《信用》が1番大切
お客様に《信用》していただくことが何より大切になってきます。
商品自体が良いという事はもちろん、「○○君がいるから君の会社から買うよ!」「○○君が良い商品とお勧めするなら間違いない」など、営業マンの《信用》《信頼》で売り上げが上がり、『顧客様』と継続して取引が行える環境を作り上げるのです。
その《信用》《信頼》を作り上げることはそれ相応に努力が必要になってきます。
『ルート営業』のメリット・デメリット
『ルート営業』のメリット・デメリットをご紹介したいと思います。転職を考えている人は参考にしてみてください。
メリット
- 飛び込み営業で新規開拓をすることがないので、その面の《ストレス》はない。
- 残業が少ない。
- お客様から冷たくあしらわれることがない。
- 長いお付き合いのお客様ばかりなのでコミュニケーションがとりやすい。
デメリット
- 先輩から顧客様を引き継ぐので、どこの営業に行っても先輩と自分を比べられてしまう。
- 既存の顧客様の機嫌取りに使うエネルギーの消耗。
- 会社から売り上げをあてにされている事での《ストレス》が凄い。
- 取引を打ち切られた時の《責任が大きい》。
- 顧客様が苦手な人の場合でも長付き合いをしなくてはいけない。
《ノルマ》について
『ルート営業』と聞くとだからといって《ノルマ》がないわけではありません。
見込収益が上乗せされる
今は《ノルマ》と言わず《目標》や《予算》と言うようですが、新規開拓ではない分、高いノルマを課せられます。既存の顧客様に営業をするわけですから、年間5億円の注文を受けている会社の担当になれば、その分の《見込収益》がノルマに上乗せされます。
会社から売り上げをアテにされている
普通の営業なら、ある程度の《ノルマ》はありますが、新規開拓なので実際そこまでの売り上げはアテにはしていません。ですが『ルート営業』なら「A商事からはこの位の売り上げがあって当然」と思われるのです。自
分の働いている会社からは売り上げをアテにされている状態で仕事をすることになります。
取引中止になった時は大打撃…
何かしらの理由で「A商事」との取引が中止になり、収益が上げられなくなってしまったら会社にも自分にも大打撃になります。
「A商事の見込分の売り上げ」を入れた状態での《ノルマ》を課せられているので、他の顧客様でその額を埋めなくてはいけません。額が大きければ大きいほど売り上げを埋めることは困難でしょう。
『ルート営業』は顧客様を落とせないプレッシャーと日々戦わなくてはいけないのです。
《ノルマなし》の会社も存在する?
《ノルマなし》の会社も存在はします。
ですが、求人情報に《ノルマなし》と謳っていても個人や部署では《ノルマ》がある会社がほとんどですので、転職を考えている人はホームページなどでどんな会社なのか一度調べてみると良いでしょう。「こんなはずじゃなかった…」と後で後悔しないよう、方針などに目を通すとどういった意味の《ノルマなし》なのかが分かるはずです。
《ノルマなし》で業績が上がった?
営業マンはノルマを達成する為に営業に回り、ノルマを達成する為に商品を売ります。
何をするにも《ノルマ》の為の仕事になるのです。本来お客様の為に、お客様の事を考え商品を売らなくてはいけません。ですが《ノルマ》の為の営業は、その時だけの売り上げを考えているので自分本位になり、お客様と良い関係が築けていない人がほとんどではないでしょうか。
そこで《ノルマなし》で営業を行ったところ、お客様の事を第一に考えた仕事ができることで業績が上がったという事です。
『ルート営業』に向いている人
『ルート営業』に向いている人はどんな人なのでしょうか。ポイントがいくつかありましたのでご紹介していきたいと思います。
明るく人見知りをしない
人と接する仕事なので明るく人当りが良い事、営業先で話を聞き商品を勧める仕事なので、「人見知りで目を見て話せない」人では仕事になりません。
営業では人と目を見て話すのと、目を見ないで話すのとでは《説得力》が全然違ってきます。
目を見ずに資料ばかり見て説明する営業マンの商品に魅力も感じませんし、説得力もありません。むしろ「この人は商品を売る気があるのだろうか」という疑問すら感じてしまうでしょう。
コミュニケーションがきちんとできる人が求められます。
聞き上手
もちろん話を聞くことが大切になってきます。顧客様の要望や意見などをきちんと聞いて理解し、商品を勧めなくてはなりません。
話も出来て、相手の話もきちんと聞ける人がベストですが、どっちが大切かとなると『話し上手』な人よりも『聞き上手』の人の方が向いています。
理解力・判断力のある人
顧客様との会話から意見や要望を聞き、理解・判断ができれば顧客様が「いま一番欲しい」と思っている商品を勧める事ができます。
顧客様のニーズにきちんと答えることができ、「そうそう!こういう商品が欲しかったんだよ!」と痒いところに手が届く商品を紹介できれば、顧客様はもちろんその商品を買います。そうすれば売り上げが上がるわけです。
その為、素早い《理解力・判断力》が求められるのです。
外に出て仕事をしたい人
事務作業のようにずっとパソコンと向き合う仕事や、工場の流れ作業など『室内』で繰り返し作業の仕事をするよりも、『外に出て色々な人と触れ合う』ことが好きな人に向いています。
色々なところに訪問し営業するわけですから「動くのが苦手…」「常に室内が良い」という人には向かない仕事だと思います。
人の役に立ちたいという思いが強い人
「人の役にたちたい」「人の力になりたい」そんな思いが強い人の方が『ルート営業』には向いています。
先ほども書かせていただきましたが『ルート営業』は、お客様の話から要望や意見を探り、自社商品を紹介する仕事です。お客様本位の仕事ができなくてはなりません。
自分のノルマを達成する事を考え商品を売る仕事をするのではなく、お客様の事を一番に考え、そのお客様にあった商品を勧める=自分が勧めた商品でお客様の会社の売り上げがあがり、自分の売り上げもあがるという方程式でなければいけません。
この考え方ができなければ《顧客様》をなくしてしまう可能性もあるのです。
必要な資格
普通運転免許のみ
特に必要な資格はありません。
営業にまわる為に普通運転免許は必要になってはきますが、大体は『ルート営業』のお仕事で専門の資格など必須なものは特にないです。
大手企業の営業の職歴などがあると優遇されたりはあると思いますが、大体の会社は未経験者でも採用してくれるところが多いです。
営業では、笑顔や人あたりの良さの方が重要になるので「何も資格がないし、営業の経験もない…」と自信がなさそうな顔で面接に行くのはマイナスの印象になってしまいます。
元気で人あたりが良く「資格も経験もないけど、やる気はあります!」位の明るさがある人の方が会社側は採用するでしょう。
◆まとめ◆
『ルート営業』にはノルマがないとよく聞きますが、実際は《予算や目標》が存在しました。普通の営業と比べたら「既存の顧客様の所へ訪問するから楽な仕事」と思われがちですが、そんな事はなく、普通の営業マンとまた違った『ストレス』があることも今回わかりました。
やはり仕事に『楽なもの』などなく、働くという事はどの職業でも大変でストレスは付き物なのです。
『ルート営業』は「このお客様の力になりたい!」という気持ちがあり、お客様の為に考え行動できる人が求められる職場です。
転職を考えている人で、人の役にたてる仕事をしたい人は『ルート営業』にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。トップの営業マンになる日もそう遠くはないはずです。